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Hands-On ロレックス エクスプローラーⅡ Ref. 226570 ブラックとホワイトの2本を実機レビュー

その違いは細部に宿る。

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 2021年、エクスプローラーIIの50周年を迎えるにあたり、時計ファンは4月のWatches & Wondersで、ロレックスの最もファンキーで驚きに満ちたスポーツウォッチの新世代機を待ち望んでいた。エクスプローラーIIは、スぺランキング(洞窟探検)という極めて特殊な作業のために開発されたツールウォッチである。この新しいモデルには、最新世代のロレックス自動巻きムーブメント(クロナジー脱進機、70時間パワーリザーブ)が搭載されていることは間違いないが、それ以上に様々な憶測が飛び交った。エクスプローラーIIの特徴であるサテン仕上げのスティール製ベゼルは、サブマリーナーやデイトナ、GMTのようにセラクロムに変わるのだろうか?と。

A Rolex Explorer II

 私のWFH(Work From Home:リモートワークの意)においてセラミック製のベゼルが役に立ったことは一度や二度ではない。というのも私の腕時計にとって最大のリスクは室内のドアノブなのだが、スペランカーとして地下で遭遇する鍾乳石や石筍にセラミックベゼルが役立つだろうか? エクスプローラーⅡのセラミック問題はから騒ぎに終わり、ブラッシュ仕上げのスティール製ベゼル、おなじみのブラックとポーラーのダイヤル構成、オレンジの針、ダイヤル上のオレンジロゴもそのままである。

A Rolex Explorer II

 そう、実際のところ、ほとんど変わっていないのだ。現在の白と黒のモデルは、10年前に発売された216570と驚くほど似ている。違いはあるものの、それは微妙なものだ。前作の42mmバージョンは、すでに幅広で比較的薄い腕時計だったが、それはこの226570でも同様。すべての始まりであるエクスプローラーII Ref.1655よりもわずかに薄い12.5mmとなっている。

A Rolex Explorer II

 今回のアップデートは昨年のサブマリーナーとほぼ同じで、主な差別化要因は、ラグ幅が狭くなったケースの再設計と、パワーリザーブの長さを保証するクロナジー脱進機を搭載した、パワーアップしたロレックスの自動巻きムーブメントの採用である。

A Rolex Explorer II

 226570は、サブのようなサイズ変更はなくラグ・トゥ・ラグも同じ長さだが、ラグのテーパード(ラグ内側からシェイプされた)と、そのあいだに挟まれたわずかに太くなったオイスターブレスレットが特徴だ。その幅は、最も広いところで21mmから22mmに。幅の広いブレスレットと幅の狭いラグの関係は、見た目にも感触的にもよりエレガントな変化をもたらし、42mmのエクスプローラーIIは常に大ぶりであるものの、確かに粗野ではないという事実を強調する。この時計は手首の上で低く安定し、暗い場所で長時間使用することを想定したものにふさわしく、読みやすいインターフェースを提供している。ブルガリのオクト フィニッシモのようにしなやかなカフではない。しかし、42mmの割にはかさばらないのだ。

The bracelet of a Rolex watch

 この時計のオイスターブレスレットは機能的には従来のものと同じだが、クラスプに至るまですべてのパーツが幅広になっている。蒸し暑い日も、長時間のフライトでもラーメンを食べたあとでも、ストレスなく5mmの調整ができる優れたイージーリンクシステムを採用。午後のひととき、新しいエクスプローラーIIを手に取り腕に装着してみると、私はこれまでと同様、このモデルが中・大柄な人向けの時計であると確信した。

Detail of a Rolex Explorer

 個人的には、40mmのエクスプローラーII Ref.16570 ポーラーダイヤルが欲しくなってきた。そのプロポーションは、私にとってロレックスのスポーツウォッチのスイートスポットだ。しかし、ロレックスが42mmサイズを倍増させ、最初のモデルから10年後にふたつめのモデルを発表した今、2011年以前のサイズとの比較はあまり意味がない。エクスプローラーIIには全部で5つのリファレンスがあるが、そのうちみっつは2011年に40mmを超える以前のモデルだ(1655、16550、16570)。226570は216570と比較されるべきであり、外観はよく似ていても客観的に見て、新バージョンの方が優れていることがわかると思う。

Two Rolex watches one with a black dial and one with a white one

 アップグレードされたGMTムーブメントは、現行のGMTマスター IIに搭載されているCal.3285で、より高効率なクロナジー脱進機を搭載しており、パワーリザーブは前モデルのCal.3187の48時間から70時間に延長された。また、耐震装置であるパラフレックス、常磁性体であるブルーパラクロム製のヒゲゼンマイ、ボールベアリングに取り付けられたローターを採用する。

 文字盤は、ポーラーもブラックも一見すると先代バージョンと同じように見えるが、違いが存在する。ブラック文字盤では、時針、分針、24時間針がすべてホワイトゴールドになっている。ポーラーバージョンでは、針の光沢が抑えられているのがわかる。また、どちらのモデルも6時位置の「Swiss」と「Made」の間に小さなクラウンが見える。

Detail of a Rolex Explorer

 今、小売店で226570を見つけることは、10年前に216570を見つけたときよりもはるかに困難であることを考えると、216570からのアップグレードの見通しは難しいだろう。新しいムーブメントは魅力的で、ケースとブレスレットのプロポーションも調整されているが、最終的にどれだけの人がその変化に気づくだろうか。もしエクスプローラーIIを小売店で見つけることができたら、どちらの構成でも94万4900円(税込)だ。

Black dial Rolex explorer on a wrist

 ロレックスは本機を、クロマライトディスプレイが強化され、暗い場所ではより長く、明るい場所ではより明るく見えるようになったとアピールしている。ケースとブレスレットのプロポーションは42mmというサイズに合わせて微調整されており、内部で作動するCal.3285は、エクスプローラーIIの従兄弟であり、私が日常的に使用しているGMTマスター IIでその実力を発揮している素晴らしいGMTムーブメントだ。新しいエクスプローラーIIは、その先代モデルよりも優れた時計であり、しかも目立たずにさりげない。実にロレックスらしい。

All photos, Tiffany Wade

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詳しくはロレックス公式サイトをご覧ください。