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これは、パテック フィリップのRef. 7234Rだ。バーゼルワールド2018に出展された新たなレディス・ウォッチのひとつで、パテックが女性をターゲットに初めて作った自動巻きのトラベルウォッチだが、この腕時計は男性にとっても素晴らしい選択肢になる、と始めに言っておきたい。これはRef. 5524とまさしく同じ時計で(2015年にホワイトゴールドのものが、そしてこのモデルといっしょにローズゴールドのものがリリースされた)、ただ、サイズは42mmではなくて37.5mmとなった。少し小さめのものを求めている人にとってはうれしい変更だ。
この7234は4Nローズゴールドを使っており、ゴールドに完璧にマッチするブラウンのサンレイ仕上げの文字盤が特徴(ちなみにメンズ版は5Nのローズゴールドだ)。サイズが実に素晴らしく、保守的な腕時計を好む人には、私のようにこのサイズを気に入る人がたくさんいるのではないだろうか。ムーブメントは5524Gと同じ、Cal. 324 S C FUSで、スピロマックスのヒゲゼンマイとジャイロマックスのテンプを使った自動巻きムーブメントだ。ベン(・クライマー)が以前にこのムーブメントを、「現代の時計製造における最もダイナミックで有効なムーブメントのひとつ」と称していたことを考えると、パテックがレディスバージョンにも、余ったクォーツムーブメントを使って格下げすることなく、このムーブメントを使ったことは非常に素晴らしい。もしかしてこれを皮肉と捉える人もいるかも知れないが、嘘ではなく、そんなことは本当にしょっちゅう起きているのだ。
ダイヤル表示は5524G/Rと同じで、分針と時針に加え、セカンドタイムゾーンが識別できる3本目の針がある。サブダイヤルは日付用で、昼か夜かを知りたい場合には、時計の両サイドに配されるローカル/ホーム表示でチェックできる。総じて文字盤は見やすく、インデックスの数字は私のこだわりには合わないものの(私は個人的にブレゲ数字が好みだ)、パテック フィリップ初期のパイロットをオマージュしているのが分かる。
腕に着けると、この時計はとてもしっくり収まる。サイズが実に完璧だ。そしてパイロットウォッチとしては42mmのバージョンのほうがより伝統的なのは分かるが、この時計はずっと37.5mmであるべきだったと思わずにはいられない。いずれにしても、選択肢があるというのは悪いことではないし、女性用の選択肢はわたしにとって、個人的なレベルでも大事なことだ。だから、このような時計や、Ref.5170と同じムーブメントを使った新たなレディス用クロノグラフを発売してくれたことに(ただご存じかも知れないが、そのキャリバーは数年前にレディスウォッチに搭載されてデビューした)、パテックには本当に、本当に、感謝したい。
カラトラバ パイロット トラベルタイム Ref.7234は、小売価格470万円(税抜)で、既に発売中。さらなる詳細についてはパテック フィリップ公式サイトへ。