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第9回オンリーウォッチでは、1923年にジェームズ・ウォード・パッカード社に納入された置き時計にインスパイアされた、パテック フィリップの複雑な時計が950万スイスフラン(約11億7932万円)で落札された。これは、時計のオークションにおいて4番目に高い価格を記録したのである。
パテック フィリップの「コンプリケーテッド・デスククロック」は、今年のオンリーウォッチのトップロットになることは間違いないだろう(この記事が掲載された時点ではオークションは進行中だった)。2019年のオンリーウォッチでは、ステンレススティール製のグランドマスター・チャイムが3100万スイスフラン(当時約33億8000万円)で落札され、世界で最も高価な時計となったことで注目された流れが続いている。
オンリーウォッチ2019の高額な落札価格には及ばないものの、あらゆる種類の時計がオークションに出品されたなかで、コンプリケーテッド・デスククロックは信じられないほど素晴らしい結果を生んだ。私はこのロットの入札タイミングを見逃してしまったのだが、300万スイスフランの初値からはじまり、すぐに500万スイスフランに跳ね上がり、クリスティーズのボブ・シュー氏が代表を務める電話入札者と、会場にいた身元不明の入札者とのあいだで緊張したやり取りが行われるという、長い出来事があった。最終的にボブは、950万スイスフランの数字に達した時点で、自分の入札者を勝利に導いたのだ。
ここ数日、ジュネーブでさまざまなコレクターと話していると、誰もこのコンプリケーテッド・デスククロックがどのような結果になるのか、はっきりとした見とおしを持っていないことがわかった。(1000万ドル前後というのが一般的な予想だったが、3000万ドル以上から500万ドル以下という話も聞いた。また、オンリーウォッチの収益の99%がデュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療法の研究に使われていることを思い出すと、胸が熱くなる思いだ。幸運な落札者の方、そして素晴らしいチャリティイベントを開催したオンリーウォッチの皆さん、おめでとうございます!
Only Watchの落札結果はこちらでご覧いただけます。