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今日は、まったく異なる意見を持つ2人のHODINKEEライターが、ロレックスのミルガウスはどれがベストなのかを議論する。この記事でニック・マリノ(Nick Marino)は、白文字盤のミルガウスがベストだと主張している。対してダニー・ミルトン(Danny Milton)は黒文字盤のミルガウスを支持している。ぜひ両方の記事を読んでいただき、コメント欄で意見を聞かせて欲しい。
ダニー・ミルトンは、地球上で最も好きな人物の一人だ。私の人生を彼に託すことだってできるだろう。ベン・クライマーの命だって彼に託せる。しかし、ロレックスのミルガウスを選ぶことにおいては、信用することができない。なぜなら彼は黒の文字盤のものを選ぶだろうからだ。
この2つの時計を見てみよう。
下の写真の左側のクリームシクル(オレンジのアイスキャンデー)のように味わいのあるカラーリングは、とてもバランスがとれている。視点があり、考えられている。
右側の黒とオレンジの組み合わせは、まるでロレックスのハロウィンパーティーでイェーガーマイスターを飲み過ぎたかのようだ。
これはジャック・オー・ランタンの限定エディションだろうか? なにか騙されている気がする?
いいだろうか、私はロレックスのワイルドなデザインに賛成だ。椰子の葉が文字盤にあってもいい。しかし、黒とオレンジのこの比率は、勝利の方程式には当てはまらないと思う。メジャーリーグベースボールチームのボルチモア・オリオールズは、この配色のユニフォームをシーズン中に着用していたが、今年は110試合に敗れ、野球界で最悪のチームとなってしまった。また、1990年以降、プレーオフで一度も勝てていないアメフトチームのシンシナティ・ベンガルズにも聞いてみてくれ。それにホッケーチームのフィラデルフィア・フライヤーズは、1974年以来、スタンレーカップを掲げていない。
確かに白文字盤のミルガウスも同じ色を採用している。しかし、その比率は適切なものとなっているように感じる。ニュートラルな色がキャンバスを支配し、明るい色がアクセントとなり、黒が境界線となる。シンプル。抑えるべきところを抑えている。それでいて、刺激的だ。秒針が稲妻なのだから、他に多くのことをする必要はないのだ。
私は白文字盤が大好きだ。オメガのホワイトサイド オブ ザ ムーンと呼ばれるスピードマスターや、ロレックスのポーラー エクスプローラーII が大好きだ。白文字盤の時計は、バニラアイスと同じように過小評価されがちだ。世の中にはもっとセクシーなものがたくさんあるため、見過ごしてしまいがちなのだ。その結果、10年も経たないうちに、愛されなかったこの時計たちは容赦なく製造中止となり、時計業界の『イカゲーム』から脱落してしまったのだ。現在では、黒文字盤のモデルに加え、青文字盤のモデルも発売されているが、どちらにもグリーンのサファイア風防が使われており、私の目にはハイネケンのボトルを溶かしたように見えてしまう。
ブラックの場合は、さらに一歩進んで、驚くべきことに、シルバーが加えられている。アワーマーカーを見てくれ。9個のホワイトと3個のオレンジで埋め尽くされているが、なぜか秒針や分針のオレンジとは違うオレンジなのだ。前者はタンジェリン、後者はアプリコットだ。全体的に無邪気な果物への攻撃のようだ。
私は白い方にするよ、ありがとう。アワーマーカーが桃色のシクラメンのように見え、スティール製のブレスレットでも、布製のストラップでも使える、むしろストラップの方が素敵かもしれない。
アイスクリーム王のライアン・フィッツジェラルド氏が白いミルガウスを身につけて、2種類のストラップを交互につけている。一つはハッピーなレインボー、もう一つはコミック柄がプリントされているもの。どちらも素敵だ。同じ時計をカーキ色のNATOに合わせてもいいだろう。あるいは、白黒のレーシングストライプ。あるいは、スポルディングのバスケットボールを模したようなハンサムなストラップだっていい。
重要なのは、選択肢があるということ。そして、こうした時計には汎用性が重要だ。星のきらめきを閉じ込めたようなランゲのドレスウォッチであれば、ブラックタイ(とプラネタリウムへの旅行)のときにだけ着用すればいい。しかし、この時計は、日常的につける時計だ。半世紀前には、科学者のための耐磁装置として使われていたそうだが、それはそれでいい。しかし、磁場のなかを一日中歩き回るような人でなければ、そのために身につけるのではないだろう。だからこそ、この文字盤論争は重要なのだ。少なくとも、インターネット上で高級時計をめぐって争うのと同じくらい重要なのだ。
多くのお金がかかっているのだから、正しい判断をしたほうがいいだろう。あなたのことを知らないし、おそらくあなたに会うこともないであろう私のアドバイスは、ダニーよりも私のセンスを信じて、白を買うことだ。生産中止になったことで、ますますコレクターが増えている。コレクターのなかには、技術的には正しくても道徳的には間違っている人もいて、黒とオレンジ(とグリーンとシルバー)のものがクラシックモデルで、将来のミルガウス(ミルガウイ)の基準になっていると主張し、白いモデルを勧めてくる。いいですね。彼らがそうするたびに、私たちの手に入るものが1つ増えることになるわけだ。
Photos by Brian Woodcock
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ロレックスのミルガウスについて詳しく知りたい方は、ロレックス公式サイトをご覧ください。