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よく探してみると、アニメ、マンガ、コミック、カートゥーンのなかにコレクターズウォッチを見つけることができる。2014年に放送されたアニメ『残響のテロル』には、ロレックスのGMTマスターをモチーフにした時計が登場している。現代の人気アニメ・漫画シリーズのひとつである『DEATH NOTE』では、主人公の月(ライト)が、父親からプレゼントされたスピードマスターによく似た時計を身につけている。アニメ『アーチャー』では、アーチャーの母親が、裏蓋に "To Sterling, Love Mother "(スターリングへ、母より)と刻印されたオミクロンのスパイマスターをプレゼントしている。
マンガやアニメに注目の時計が登場することがあるが、さらに興味深いのは、アニメの世界で愛されているキャラクターが時計の文字盤になっていること。これらの時計は、マーベル・フランチャイズの人気に便乗したものではなく、まったく別のものだ。キャラクターウォッチの収集には、アニメや現代のマンガのキャラクターをテーマにした時計を集めるというニッチなカテゴリがある。日本のマンガやアニメといえば、セイコーがリードしているのは当然ではあるがそれだけではない。スイスの著名なメーカーにも、この分野のモデルが数多くある。ここでは、アニメやマンガをモチーフにした注目の腕時計をご紹介する。
サルパネヴァ x ムーミン
ムーミンは、トーベ・ヤンソンによるフィンランドのコミックシリーズに登場する主人公だ。ヘルシンキに拠点を置くサルパネヴァ社は、国宝に敬意を表して、森の中で寝そべっているムーミンを手彫りで描かれた文字盤を備える75本の限定版ウォッチを発売した。
オメガ スピードマスター"ウルトラマン"
円谷プロダクションが所有・制作しているウルトラマンの世界は、清水栄一氏が執筆したマンガと、60年代に始まったテレビシリーズで構成されている。1968年に発売されたスピードマスター(Ref.ST 145.012)は、1971年のエピソードで番組に登場した。そして2012年、オメガはフラテロ・ウォッチズと共同で、オレンジのアクセントや紫外線の下でのみ見えるウルトラマンのシルエットなど、オリジナルの精神を再現したスピードマスターの限定版を発売した。
ウニマティック U1-SS
1999年に放映されたニコロデオン(TVチャンネル)の人気番組『スポンジ・ボブ』を記念した、ウニマティック社の50本限定モデルだ。HODINKEEのローガン・ベイカーが、ウニマティックのジョヴァンニ・モーロ氏とシモーネ・ヌンツィアート氏にインタビューした際に、この突拍子もない限定版の裏話を聞いていた。ジョヴァンニ氏はスポンジ・ボブの熱心なファンで、ある日、自分の好きなキャラクターを称える時計を作りたいとバイアコム社にメールし、時計を作って送った。すると驚いたことに、「数日後、イタリアのバイアコム社のゼネラルディレクターから電話がかかってきたんです。彼は私のアイデアを見て気に入り、何か一緒にできないかと興味を示してくれたのです」。このようにして、大きなアイデアから少量生産の時計へと急速に変化していった。
セイコー 5スポーツ NARUTO & BORUTO コラボレーション限定モデル
2002年に放映された『NARUTO-ナルト-』と、その後継作品である『BORUTO-ボルト-』の7本の時計コレクションだ。ナルトは欧米でも根強い人気があり、ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)のアニメーション専門家チャールズ・ソロモン氏のインタビューによると、「USAトゥデイのベストセラーリストに載った最初のマンガですよ。単行本の発行部数は8500万部にものぼります。アニメシリーズが2本、長編映画が3本、そして関連グッズも充実しています」と語った。そのためか、セイコーの他のマンガにインスパイアされた限定モデルのように、アジア限定ではなくグローバル向けに発売されている。
セイコーセレクション ソーラー ポケットモンスター スペシャルモデル
1996年に発売されたゲームボーイカラーで、子供の頃にポケモンを遊んだことを覚えている。小学校6年生のランチテーブルでは、「ポケットモンスター赤」と「ポケットモンスター青」のどちらを持っているかが話題になった。任天堂からは2種類のゲームが発売されていて、どちらを買ったかによってゲームを始めるポケモンのキャラクターが違っていたのだ。私は青を持っていたので、"ゼニガメ "でスタートした。そして25年後の今、私たちは皆、同じようにヒトカゲ、ゼニガメ、そしてフシギダネの3種類を選ぶことができるのだ。この時計には、選んだポケモンの3つの姿がすべて描かれており、初期の姿はサブレジスターに、最終的な姿はケースバックに刻印されている。この3種類の限定モデルは、今年の8月にセイコージャパンのWebサイトで公開された。
ゼニス クロノマスター リバイバル ルパン三世
ゼニスは、フランスのSF作家モーリス・ルブランのキャラクターであるアルセーヌ・ルパンに着想を得た、加藤和彦氏(モンキー・パンチ)による日本のマンガ『ルパン三世』(書籍、テレビ番組、映画を含む)にインスパイアされた2つのモデルを発表した。マンガのなかで、ルパン三世の相棒である次元大介がゼニスのA384に酷似した時計を身につけていたことから、ゼニスはその架空の時計を実現させ、まず2020年にグレーと黒の文字盤で、続いてパンダモデルの第2弾を発表した。このシリーズにはどちらの時計も登場している。第1弾の限定版は日本限定だったが、第2弾はグローバル市場に公開された。
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セーラームーン x Baby-G
90年代の子供たちは、アニメシリーズの『セーラームーン』を懐かしく思い出すことだろう。92年から97年まで放送され、2014年時点で全世界で130億ドル(1兆4270億円)の収益を上げた、最も人気のあるマンガシリーズのひとつだ。同じく90年代のアイコンであるBaby-Gが、2015年にセーラームーンとタッグを組んで限定版を発売したのは当然のことだろう唯一の驚きは、この2つの日本のアイコンが一緒になるまでにどれだけの時間がかかったかということだ。
タグ・ホイヤー アクアレーサー ファントム ワンピース スペシャルエディション
日本のマンガシリーズ『ワンピース』のキャラクターシルエットを文字盤にあしらったアクアレーサーが、2016年に日本市場向けに500本発売されたが、ほとんど話題にならなかった。ワンピースは、モンキー・D・ルフィの財宝探しと海賊の世界での試練を描いた作品だ。時計はブラックチタニウムカーバイドコーティングが施されフルブラック仕様になっており、インデックスは淡いブルーの色合いを纏っている。奇抜な時計だが、作品に夢中な日本のコレクターの世界にぴったりの時計だ。