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VINTAGE WATCHES 1979年製ロレックス デイトジャスト オイスタークォーツ、1970年代製ゼニス エル・プリメロ Ref. G7810、そして1991年製ロレックス GMTマスター

今回は試みに深夜のご紹介。素晴らしいヴィンテージウォッチは、私たちの眠気覚ましにもなる。

Hodinkee Shopで現在販売されているすべてのヴィンテージウォッチを見るには、こちらをクリックしてください。

前回の "ネオ・ヴィンテージ "をテーマにしたコレクションから一転、今回は基本路線に回帰する。ゼニスのエル・プリメロ Ref.G7810は、250本限定とされる希少性と、18KYGのケースに収められた魅力が見事に調和している。このゼニスのような時計こそ、ヴィンテージを特別なものにしてくれるのだ。つまり、常に新しい発見があり、実物を見るまで欲しいとは思わない時計があるのだ-ヴィンテージウォッチとは常に驚きを与えてくれる存在だ。

1960年代製ハミルトン ‘パンダ’クロノグラフ Ref.7823

 さて、スイスの名門ブランドが選んだ失敗作として見過ごされてきたオイスタークォーツが、ここ数年ルネッサンスを迎えている。オイスタークォーツの象徴的なフォルムであるジェンタ風の曲線、いや、直線的なエッジになぜコレクターが引かれるのか、サオリが教えてくれた。ショーンは金無垢のゼニス エル・プリメロを、リッチは化粧箱と保証書類一式が揃った1991年製ロレックス GMTマスターを紹介してくれる。Hodinkee Shopには、他にもたくさんのヴィンテージウォッチを取り揃えている。

1979年製ロレックス デイトジャスト オイスタークォーツ Ref. 17013 ツートン 付属品一式
By Saori Omura

 私が過去に買いそびれたと感じる時計があるとすれば、それはオイスタークォーツです。このモデルには何か親しみを感じるのです。それは、不思議さと心地よさが同居しているから。もうひとつは、しばらくのあいだ、目立たない存在であり続けたことです。スイスのヴィンテージクォーツ時計は、機械式時計の劣化版と見られていた時期がありました。この時計については、ロレックスらしくないファンキーなクリエーションのひとつであること、それこそが私が引かれる理由です。普段は伝統を重んじるロレックスにとって、機械式ムーブメントとは一線を画すものであり、1970年に重厚なRef.5100シリーズからベータ21を搭載したクオーツモデルを順次リリースしています。このシリーズは、ケースとブレスレットに重厚感を持たせた39mmの大口径のモデルです。このムーブメントは、スイス時計界に吹き荒れた“クォーツ危機”に、当時のスイス時計業界が共同開発して“応戦”したものだったのです。

 Ref.5100の直径で、より “装着感に優れている”のがオイスタークォーツです。ひと目で70年代のデイトジャスト(あるいはデイデイト)とわかる、お茶目なルックスのモデル。角張った太いケースデザインに、中央にリンクがある一体型ブレスレットは、同時期のロイヤル オークのブレスレットを彷彿とさせますよね。ロレックスはロレックスで、1977年にオイスタークォーツを発売する前に、まずデイトジャスト用の自社製ムーブメントCal.5035とデイデイト用のCal.5055を開発する必要がありました。ケースやブレスレットもさることながら、クラシカルなフルーテッドベゼルとシャンパンダイヤルによって、ロレックスの十八番へ回帰しています。私はどちらかというと伝統主義者ですが、たまには冒険して、普段とはまったく違うこのツートンカラーのオイスタークォーツに挑戦してみたいと思っています。

1970年代製ゼニス エル・プリメロ Ref.G7810 18KYGケース
By Sean Egan

 私はクロノグラフが大好きで、ヴィンテージウォッチ販売部門で時計を取り扱う上で、何か意味のあるものを言い出すが好きだ。そして実際のところ、ゴールドが嫌いな人はいないと思っている。今日は、これらすべての要素を簡単に満たしてくれる時計をご紹介したい。なぜ、私たちはクロノグラフにこだわるのだろうか? 私たちは、レーシングカーのドライバーでもなければ、卵焼きに10分の1秒の精度を求めるシェフでもない。私にとっては、私たちが長い時間をかけてこだわっている機械的な対象物と、私たちの間にさらに多くの関係性が生まれるからだ。チャイムを鳴らすコンプリケーションの時計も同様の関係性を持つことができると思うが、クロノグラフはもう少し親しみやすい価格帯になる傾向があるのだ。

 シャルル・ベルモがル・ロックルの工房の屋根裏部屋にエル・プリメロの工具や部品を隠し持っていたという話は、もうほとんどの読者が聞いたことがあるのではないだろうか。また、エル・プリメロがセイコーやモジュールムーブメントを採用したブライトリング、ハミルトン、ホイヤーの混戦を勝ち抜いたことも、自動巻きクロノグラフを語る上で避けて通ることはできないだろう。歴史と革新、そして史上最高のクロノグラフ・ムーブメントのひとつを守り続ける意義。これ以上、望むものはない。

 おぉゴールドよ-私たちはゴールドを追い求めている。この時計は、その最高の形であるゴールド無垢なのだ。忘れてはならないのは、A787やA788と共通する、やや八角形のケースを備えている点だ。この形は、この頃出てきたブレスレット一体型の時計と何かしら関係があるのではないだろうか。また、推測するに、当時の“デファイ”からヒントを得たのではないだろうか。ゴールドをふんだんに使っているにもかかわらず、「やりすぎ感」がないのは、サテン仕上げのシルバーダイヤルが、同じくサテン仕上げのケースと美しくマッチしていることが大きいだろう。このゼニスの魅力はまさにここにある。

1991年製ロレックス GMTマスター Ref.16700 付属品一式
By Rich Fordon

 ここ数年、私はロレックスの5桁レファレンスにますます引かれるようになってきている。多くのコレクターと話しているように、以前は私のなかで4桁が王道で、5桁は古いものに手を出したくないときの代用品という位置づけだった。このような力学は今でも私の心に残ってはいるが、時代は変わりつつある。80年代と90年代のロレックスは、HODINKEEで扱えば扱うほど、よりよい状態の個体が揃うようになってきている。そのなかでも、GMTマスター Ref.16700は、ロレックスが製造した最後のクラシカルなサイズのGMTとして、私にとっては傑出した存在である。Ref.1675や16750と比べると、面積はほとんど変わらないが、手や腕にしたときの全体的な感触は、よりがっしりかつ頑丈な印象で、自信を与えてくれる。Ref.16700は、当時発売されたばかりのGMTマスター IIに代わる手頃なモデルとして考えられたことが、とても魅力的だ。私にとっては、このチープなオプションこそが、間違いなく2モデルのなかでより優れた時計なのだ。

 今回ご紹介するのは、シリアルナンバーはX番台の1991年製だ。何度も言うが、古いGMTは色が勝負だ。GMTマスターは、色合いで勝負すると言う意味においてロレックスのカタログに掲載されている唯一のスポーツウォッチであり、“ペプシ”ベゼルの独特な褪色は、私が最初にチェックする部分だ。この部分が魅力的でなければ、私は見送っている。もちろん、私たちがShopで紹介する時計は、赤と青がはっきり残っていながらも、1991年製であることを窺わせるのにちょうどいい褪色の具合である-これぞ私たちが望むものだ。箱、保証書類など付属品一式が揃っており、熟練のヴィンテージロレックスコレクターから、ザ・クラウンの最初の一本を探している人まで、あらゆる時計愛好家にとって非常に魅力的なパッケージとなっている。このGMTマスターの全貌はこちらからご確認いただきたい。

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