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Introducing ロンジン スピリット Zulu Time、42mmの正統なGMTが30万円台で手に入る(編集部撮り下ろし)

ロンジンは、有名な翼の砂時計のロゴにふさわしい翼を取り戻した。

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我々が知っていること

半年ほど前、私はロンジンがひっそりとリリースしたチタン製で日付表示なしのスピリットを2021年の最高のパイロットウォッチだと発表した。最初の記事から数ヵ月後、ダニーがこのモデルをハンズオン記事で試し、「ヒット作」であることがわかったが、それはコメント欄の皆さんも同様だった。

A man wears the Longines Spirit GMT Zulu Time

新しいロンジン スピリットのGMTウォッチ “Zulu Time”

 HODINKEEコミュニティのメンバーである@Sdamico555氏は、ダニーの記事の下で、このモデルを自分用に購入したという熱いレビューを残している。500字にも及ぶ熱烈なコメントの最後には、こんな文言が。

「スピリット チタニウム(原文ママ)は、使うことに抵抗がなく、楽しむことができる究極のラグジュアリーツールウォッチだ。これは多くのスピリットラインの始まりとなり、GMTも間もなく登場すると思う」

 それから半年後、我々の親愛なる友人であり読者は、その正しさを証明することになった。ロンジンは新たにZulu Timeを発表したのだ。この時計は、まだ若いスピリットシリーズに加わる6つのモデルで、ジャンピングローカル12時間針(我らがジェームズ・ステイシーが命名)を搭載しており、重要で“flyer”GMT機能、あるいは“true”GMTとも呼ばれることもある(その代わり、ジャンピング24時間針はステイシー流に言うと“新しい”GMTとして知られる)。

A close-up on the dial of the Longines Spirit GMT Zulu Time

 ムーブメントはクロノメーター認定の自動巻きCal.L844.4で、シリコン製ヒゲゼンマイを採用し、72時間のパワーリザーブを実現している。24時間回転ベゼルにはカラーセラミックを使用しており、トリプルタイムゾーン表示、ねじ込み式リューズ、ねじ込み式のスティール製ケースバック、サファイアクリスタル風防など、多彩な機能を備えている。42mm×13.9mmの均整のとれたSSケースでマットブラック、サンレイブルー、サンドブラスト仕上げのアンスラサイト(グレー)の3色からダイヤルを選択でき、それとマッチするSS製ブレスレットは39万7100円、レザーストラップは38万2800円で提供され、通常の3針、40mmのSS製ロンジン スピリットと比較しても11万〜12万4300円のアップで済む(すべて税込)。

The caseback of the Longines Spirit GMT Zulu Time

 Zulu Timeはパテック フィリップ(1930年代)、グリシン(1953年)、ロレックス(1955年)のトラベルタイムモデルに先駆け、1925年に発売されたロンジンの同名デュアルタイムゾーンウォッチから名づけられたものだ。この時計は、私がその存在を知らなかった時計であり、ネット上で見つけることのできる唯一の実際の文献は、2010年のアンティコルムのオンライン販売に掲載されているものだ。しかし、Zulu Timeという言葉は航空界の世界標準であるグリニッジ標準時(UTC ±00:00)の代替表記として広く知られている。これはNATOの表音文字に由来し、“Zulu”が“Z”の代わりとなり、グリニッジ標準時の“ゼロ時”を表している。軍事や航海の場面でよく使われる言葉だ。

An angle of the Longines Spirit GMT Zulu Time

 ロンジンはもちろん、航空分野でも新型(そして古い)Zulu Timeを遥かに凌ぐ深い歴史を持っている。コールは(偶然にも)数日前、新しいビデオシリーズであるWatches In The Wild第2回目でこのテーマを深く掘り下げた。ロンジンのこの分野における歴史は、2月にサザビーズで行われた女性飛行士のパイオニアである、エイミー・ジョンソン(Amy Johnson)のロンジン/ウィットナー サイディリアル(Sidereal)のオークション(世界記録となったロレックス デイデイトのオークションと同じ)でも強調されている。

 ロンジンは、1908年にオスマン帝国向けに初のデュアルタイムゾーン懐中時計を製作し、その後はチャールズ・リンドバーグ(Charles Lindbergh)がデザインした有名なアワーアングルウォッチ(1931年)やフィリップ・ウィームス(Phillip Weems)のセカンドセッティングウォッチ(1927-29年)などにより、コックピットクロックや腕時計の専門メーカーとして発展してきた。アメリア・イアハート(Amelia Earhart)、ハワード・ヒューズ(Howard Hughes)、クライド・パングボーン(Clyde Pangborn)、ヒュー・ハーンドン(Hugh Herndon)など、数え上げればきりがないが、全員が飛行中にロンジンを着用していた。

A lifestyle shot of the Longines Spirit GMT Zulu Time
A soldier image of the Longines GMT Zulu Time with a black dial

Courtesy, Longines.

A soldier image of the Longines GMT Zulu Time with a blue dial

 このリリースで、ロンジンはミドー、ハミルトン、サーチナなどのスウォッチ グループの兄弟たちとともに“flyer & true”GMTを、価値ある提案と近しい価格で提供することになった。Cal.80/パワーマティック 80のバリエーションはミドーのオーシャンスター GMT(私が崇拝し、所有している時計)、サーチナのアクション  DS GMTハミルトンのカーキ アビエーション コンバーター GMTで提供されているが、ロンジンが今回発表したモデルでは43mmのケースサイズに、クロノメーター認定、シリコン製ヒゲゼンマイの両方を備えている。

 これらの技術的な改良と、ロンジンの紛れもない航空分野での歴史を考えると、50万円以下のカテゴリーにおけるGMTのハードルが公式に引き上げられたということができる。

我々が思うこと

さて、ここで衝撃的な発言をしておこう。ロンジンから発売されたこのモデルは本当にすばらしいものだ。実を言うと私はスピリットシリーズの最初のモデルについては少し冷めた見方をしていたが、チタン製のノンデイトモデルが発表されたときに、完全に公にその考えを改めた。また、今年初めに登場した37mmのミッドサイズスピリットの(比較的静かな)追加は高く評価している。

 スピリットコレクションは、ヴィンテージのデザイン言語に過度に依存しない、スポーツに適した非常に汎用性の高い腕時計のシリーズだ。ここ15年ほどのあいだ、ロンジンは時計業界の異なるふたつの分野で成功を収めてきた。ひとつは時計業界の多くの地域で飛ぶように売れている、一般的な(多少汎用的な)3針の自動巻きウォッチやクォーツウォッチで、ロンジンはスイス製高級時計の代名詞となっている。そして、ロンジンが誇るヴィンテージウォッチのアーカイブを強調するヘリテージコレクションは、愛好家たちにとって魅力的な存在として受け入れられている。

 スピリットは、ロンジンがこのふたつをうまく融合させたコレクションだと思っている。Zulu Time GMTは多くの人にとってなじみのない1920年代の時計を参考としているが、ロンジンの航空カテゴリーにおける強みをさらに強化するものでもある。その一方で、コンテンポラリーなデザインは時計初心者から熱心なコレクターまで魅了することだろう。

The bezel of the Longines Spirit GMT Zulu Time

 1960年代のロンジンのアドミラルコレクションから続くデザイン要素であるダイヤルの5つ星マークについては、UberやAmazonの評価を連想させる不要な演出という批判が当然ながら続くと思う。私はどちらかというと中立的な立場だ。スピリットがどのように見えるかは気にしていないが、私のなかで非常に印象的な一連のリリースとライン拡張を評価することに影響を与えない。

The bracelet clasp of the Longines Spirit GMT Zulu Time

 昨年の秋、自身の最善の判断に反して(私は直接比較することを避ける傾向にあるのだが)、ロンジンのスピリット チタニウムをチューダーの大ヒットモデル、ブラックベイ フィフティ-エイトに似た時計だと評した。この比較は今でも納得のいくものだ。比較を続けると、ロンジンのZulu Time GMTは、チューダーのブラックベイ GMTの対抗モデルとして認められる可能性があると思う。機能性はもちろん、独自のデザイン言語(ソーダ缶カラーは不要)や、ベゼルインサート、クロノメーター認定のムーブメントなど、素材の改良も施されている。

A close-up of the dial on the Longines Spirit GMT Zulu Time

 ロンジンの新しい時計の紹介を他社製品との無意味な比較で脱線させるつもりはないが、Zulu TimeはGMTカテゴリーにおける真剣な競争相手として、すべての時計愛好家のレーダーに映るべきだと本当に思っている。この時計には、注目すべき印象的なディテールがたくさんある。皆さんもぜひ実物を見て判断して欲しい。特にマルチレイヤーダイヤルのディテールや、ポリッシュ仕上げとサテン仕上げをミックスしたケースのデザインはすばらしいものだ。ネット上のスペック表では読み飛ばしてしまいがちな要素だが、こうしたディテールが時計の所有感を左右するのだ。

 ロンジン スピリット Zulu Timeは、このようなディテールを十分に備えており、私の率直な意見だが、今年度最高の“パイロット/トラベル”ウォッチとして、再び候補に挙がることになりそうだ。

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基本情報

ブランド: ロンジン(Longines)
モデル名: スピリット Zulu Time(Spirit Zulu Time)
型番: L3.812.4.53.2(マットブラックダイヤル、レザーストラップ)、L3.812.4.53.6(matte black dial on bracelet)、L3.812.4.63.6(アンスラサイトダイヤル、ブレスレット)、L3.812.4.63.2(アンスラサイトダイヤル、レザーストラップ)、L3.812.4.93.6(ブルーダイヤル、ブレスレット)、L3.812.4.93.2(ブルーダイヤル、レザーストラップ)

直径: 42mm
厚さ: 13.9mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: マットブラック、アンスラサイトグレー、サンレイブルー
インデックス: アプライドのアラビア数字
夜光: あり。スーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: SS製ブレスレット、トリプルセーフティフォールディングクラスプとプッシュボタン式開閉機構、インターチェンジャブルシステム。またはブラウン、ベージュ、ブルーのレザーストラップ、フォールディングバックルとマイクロアジャストメントシステムを備えたインターチェンジャブルシステム。ラグ幅22mm

A rendering of a lifestyle image of the Longines Spirit Zulu Time GMT

Courtesy, Longines.


ムーヴメント情報

キャリバー: L844.4(ETA A31.411ベース)
機能: 時・分表示、センターセコンド、6時位置に日付表示。セカンドタイムゾーン表示
直径: 25.6mm
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万5200振動/時(3.5Hz)
石数: 21
クロノメーター: あり。COSC
追加情報: シリコン製ヒゲゼンマイ


価格 & 発売時期

価格: レザーストラップ仕様が38万2800円、ブレスレット仕様が39万7100円(ともに税込)
発売時期: ロンジンのEコマースプラットフォームとロンジンブティックで直ちに販売され、一部の小売店は2022年4月末に追随する予定
限定: なし。通常モデル

Images by Tiffany Wade unless noted.

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