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我々が知っていること
パルミジャーニ・フルリエは昨年8月に発表したばかりのトンダ PFコレクションに、デュアルタイムウォッチという興味深いテイストを加えたモデルを発表した。トンダ PFは、新しいデザインコードとブレスレット一体型の流行に影響された美的感覚を特徴とし、デビュー以来、明確な成功を収めている。約1年前にブルガリから移籍したグイド・テレーニ(Guido Terreni)CEOは、2022年の生産分についてはすでにすべて予約済みで、2023年の第1四半期から新しい注文の受付を開始する予定であると述べているほどだ。
最近の需要について聞かれたテレーニ氏は「生産を加速させるのに時間がかかるため、すぐに全員に提供することはできません」と答えた。「欲しいという気持ちを加速させたり、活性化させたりするよりも時間がかかるのです。戦略として人為的に品薄にするようなブランドはいりません。私はパルミジャーニを楽しみたいすべての人を喜ばせたいのです」
パルミジャーニの新作トンダ PF GMT ラトラパンテは、昨年夏の終わりに発表された日付表示つき3針モデルのトンダ PFと共通点が多いモデルだ。しかし、日付窓を削除し、ローズゴールドの12時間針と3時と8時位置にプッシュボタンを追加。流れるようなケースデザインに仕上がっている。モデル名にラトラパンテと銘打っているが、期待されるようなクロノグラフではなく、セカンドタイムゾーン機能のオプション的な存在のことだ。
このコンプリケーションはRGの時針がホワイトゴールドの時針と同軸上にセットされている。7時位置のプッシュボタンを押すとWGの時針が1時間単位でジャンプし、旅先のタイムゾーンに合わせる。一方、RGの時針は、元の位置に留まり、ホームタイムに連動する。旅行が終わり、新しいタイムゾーンの表示が消えたら、3時位置のリューズにセットされたプッシュボタンを押すとWGの針がダイヤルを回り、RGの針の上にある元の位置に戻り、“ホーム”タイムになるのだ。
テレーニ氏が「ラトラパンテ機構を初めてクロノグラフの外に適用しました」と語る、トラベルウォッチの巧妙な解釈である。
「“rattrapante”の英訳は、フランス語の意味とまったく逆なので英訳しないことにしました。スプリットというのはラトラパンテの機能における翻訳で、フランス語のラトラパンテは追いつく、つまり再会するという意味ですから、まったく違うのです。スプリットGMTは、まったく逆の意味になります。ふたつのタイムゾーンのあいだに距離ができてしまうのです。ラトラパンテのよさは、あなたとホームをつなぐこと。だから、“ラトラパンテ”という名前を残したのです」
パルミジャーニ トンダ PF GMT ラトラパンテは、スタンダードなタイム&デイトのトンダ PFからわずか2.8mm増となる40mm×10.4mmのポリッシュ&サテン仕上げのステンレススティールケースに、同じローレット加工のプラチナベゼルを搭載している。発売当初は、これまでのトンダ PFと同じグレインドルジュ装飾が施されたミラノブルーダイヤルのみで展開される。ムーブメントには18KRG製マイクロローターを備えた自社製自動巻きCal.PF051を搭載し、最長48時間の駆動が可能だ。
発売時の価格は328万9000円(税込)で、小売店には2022年の夏の終りに入荷する予定だ。
我々が思うこと
テレーニ氏のもとでの最初のコレクションが正式に発表されてから7ヵ月、パルミジャーニにとってトンダ PFコレクションがいかに成功したかを聞き、正直言って感激している。新しいGMT ラトラパンテは、オリジナルのコンセプトを発展させたもので、トラベルタイムという分野で非常に洗練されたオプションを提供するものだと考えている。
この時計の全体的な外観はとても気に入っているし、機能面も(文字どおり)簡単に使えてわかりやすい。実用的な旅行者の観点からすると、日付とAM/PMインジケーターがないことに異議を唱える妥当な余地があることは認める。また、両時針が12時間周期で作動するのは、コンプリケーションの完成度を考えれば理解できるが、GMTファンが慣れ親しんだ表示とはタッチが異なる。とはいえ、美的観点からはパルミジャーニがGMT表示をいかにシンプルかつオーセンティックに解釈しているかを高く評価したいところだ。
テレーニ氏は、昨年の今ごろパルミジャーニに入社してから、GMTラトラパンテのコンセプトと実行が非常に早くまとまったという。
「これは私が入社して3〜4日目にブレインストーミングをしているときに出てきたアイデアで、パンデミック後の時計が欲しいと思っていたんです」と彼は言う。「2本の針が重なり合うデュアルタイムゾーンというアイデアもありました。開発責任者と社内で話していると、ラトラパンテはどうだろうと提案されたのです。私はすぐさまとても美しいと思いました。ブレストは5分もかからなかったと思います」
GMT ラトラパンテは、まったく新しい時計であり、会社のまったく新しい未来を描く、まったく新しいコレクションの一部なのだ。しかし、私はここにパルミジャーニの過去からのディテールを見ることができる。同社が初めて手がけたトリック・メモリータイムは、ダイヤルの12時位置に独自のデジタルジャンピングアワーを配置し、第二時間帯を表示する極めて繊細なデュアルタイム表示を実現した時計だ。
ミシェル・パルミジャーニ氏が、サンド・ファミリー財団の支援を受けてスイスの小さな町フルリエで独立してから25年、彼の洗練された時計づくりのビジョンに基づき、会社は拡大し、発展し続けているのはすばらしいことだ。
基本情報
ブランド: パルミジャーニ・フルリエ(Parmigiani Fleurier)
モデル名: トンダ PF GMT ラトラパンテ(Tonda PF GMT Rattrapante)
型番: PFC905-102000B-100182
直径: 40mm
厚さ: 10.4mm
ケース素材: ステンレススティール、プラチナローレットベゼル、3時位置のリューズにローズゴールド製プッシャー、ケース8時位置にSS製スプリットGMTプッシャー
文字盤色: グランドルジュ装飾が施されたミラノブルー
夜光: なし
防水性能: 60m
ストラップ/ブレスレット: SS製3連ブレスレット
ムーブメント情報
キャリバー: PF051
機能: 時、分、秒、GMT、スプリット/リターンファンクション
直径: 30mm
厚さ: 4.93mm
パワーリザーブ: 48時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時(3Hz)
石数: 31
クロノメーター認定: なし
追加情報: 18KRG製マイクロローター、総部品数207個、世界初のセカンドタイムゾーン/ラトラパンテ機能付き
価格 & 発売時期
価格: 328万9000円(税込)
発売時期: 2022年8月
限定:なし
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詳細は、パルミジャーニ・フルリエ公式サイトへ。