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Introducing タグ・ホイヤー カレラ プラズマは、これまでの同社で最もクレイジーな新作かもしれない

リューズにダイヤモンドを使用したカレラ プラズマのようなものは、ほかでは見たことがないと思う、以上。

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我々が知っていること

これらの写真をよく見ておいて欲しい。おそらく、ほとんどの人がタグ・ホイヤーのカレラ プラズマを実際に目にすることがないだろうから。タグ・ホイヤーのフレデリック・アルノーCEOによると「1本以上、12本以下」が製造される予定だ。これは時計製造における航空機のデモ機と同じようなものだ。価格は50万スイスフラン(約6615万円)近くだ。

 デモ機は、空気力学、材料、推進力の限界を試し、探求するために作られる。飛行方法を変えるような新技術が登場すると、そのコンセプトを試すために“デモンストレーター”機が開発される。ボーイング社のX-37Bを見れば、私が何を言いたいのかがわかると思う。このような機体は数機しか製造されないが、その目的は商業的な実用性を検証することではなく、エンジニアや設計者が重要なデータを取得し、何ができて何ができないかの限界を知るための実験台として機能することなのだ。

 タグ・ホイヤーのカレラ プラズマは、ほかの時計メーカーにはないラボグロウンダイヤモンドを使用するためのテストプラットフォームとして、そしてデモンストレーションウォッチとしての役割を担っている。また、クレイジーなホイヤーの自社製Cal.02Tをさらに押し進めることも可能にしている。

 「この時計には、カーボンにまつわるストーリーがあります。内側にはカーボンのヒゲゼンマイがあり、外側には天然のダイヤモンドでは決してできない方法により、ラボで育てたダイヤモンドをケースにセッティングしているのです。ラボグロウンダイヤモンドならではのシェイプが必要だと理解したとき、まったく新しいことをするための創造性が生まれました。これが、この時計を作るためにとったアプローチです」と、アルノー氏はZoom会議で語ってくれた。

 そして、まだ触れていないのが細かく砕いたダイヤモンドの“パウダー”を吹き付けるという、まったく新しい手法で新しい種類のダイヤモンドを表現したダイヤルだ。タグ・ホイヤーは、このきらびやかな全体を“ポリクリスタル・ダイヤモンド・ダイヤル”と呼んでいる。そして、リューズ。これは、一粒のダイヤモンドをリューズの形に成長させたものだ。もちろん多少の仕上げは必要だが、タグ・ホイヤーがこのラボグロウンダイヤモンドを使って行ったことは驚き以外の何物でもないだろう。

 特にアルミニウムのケースにダイヤモンドを埋め込む方法は魅力的だ。天然ダイヤモンドでは、ダイヤモンドの形状をコントロールすることができないため、このプロセスは決して実現できない。カレラ プラズマでは、エンジニアがケースの斜面にぴったりと沿うようにダイヤモンドを埋め込むことができるのだ。この方法でケースにセットされたラボグロウンダイヤモンドの視覚的効果は、目を見張るものがある。

我々が思うこと

カレラ プラズマには10ctのラボグロウンダイヤモンドが使用されているが、私の計算によると、その使用方法は全部で4通りある。ケースにセットし、粉砕してダイヤルに吹き付けて、インデックスとして使用し、そしてリューズに成長させる。これこそテクニーク・ダバンギャルド(Techniques d'Avant-Garde)の“アヴァンギャルド”たる所以である。ダイヤモンドは万人受けするものではないし、私にとってもそうではないが、このような作品に込められた思いには敬服せざるを得ない。国防高等研究計画局やGoogleのイノベーションラボ「X」で見られるような、限界のない姿勢が必要なのだ。

 新しいアイデアということでは、時計製造は全体的に古臭く、少なくとも遅々として進まないものだ。ある意味、それはいいことだと思う。1755年にトーマス・マッジ(Thomas Mudge)がレバー脱進機を発明して以来、時計の仕組みはほとんど変わっていないのだから。しかし技術革新は続いており、その方法は実にたくさんある。タグ・ホイヤーはカレラ プラズマで素材を選び、さまざまな意味で進化を遂げている。

 時計学的に言えば、何と比較すればいいだろう? 本当にこのようなものはほかにないのだ。デモ機の技術が実用化されれば、何年か後には量産機の設計に落とし込まれる。この時計が時計製造におけるラボグロウンダイヤモンドの導入において、タグ・ホイヤーが覇権を握るきっかけになったとしても、私は驚かないだろう。

 私にダイヤモンドウォッチを見直すきっかけを与えてくれたタグ・ホイヤーのチームには「栄光あれ」と言いたい。

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基本情報

ブランド:タグ・ホイヤー(TAG Heuer)
モデル名: カレラ プラズマ(Carrera Plasma)
型番: XCBN5A90.FC8315

直径: 44mm
ケース素材: サンドブラスト仕上げを施したブラックアルマイト製ケースにラボグロウンダイヤモンド48個(合計4.2ct)を配置。3時位置にラボグロウンダイヤモンド(合計2.5ct)製リューズ。サンドブラスト仕上げのプッシュボタンとプッシュカバーはブラックのADLC加工を施したスティール製
文字盤色: ロジウムメッキが施された真鍮製のベースダイヤルに、多結晶ダイヤモンドのプレートを装着
インデックス: ダイヤモンド
夜光: なし
ストラップ/ブレスレット: ブラックのカーフレザーにブラックの裏地が付いたストラップ。ADLC加工のグレード2チタンにブラックのサンドブラスト仕上げを施したクラスプ


ムーブメント情報

キャリバー: 自社製ホイヤー02T
機能: 時、分、秒、クロノグラフ、トゥールビヨン
直径: 31mm
パワーリザーブ: 65時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時(4 Hz)
石数: 33
クロノメーター: あり。COSC
追加情報: タグ・ホイヤーが発明・開発した特許取得のカーボンコンポジット製ヒゲゼンマイを搭載


価格 & 発売時期

価格: 非公式価格で50万スイスフラン(約6615万円)前後の見込み
発売時期: 2022年4月
限定: あり。正確な数は不明

詳細は、タグ・ホイヤーの公式サイトをクリック。

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