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オメガとスウォッチのコラボレーションが発売され、そのまま月へと向かっていってしまった。
数日前に紹介した記事「オメガとスウォッチによるスピードマスター ムーンスウォッチが登場」に1000件を超えるコメントが寄せられ、大きな話題になることが予想された。そして案の定、ロンドン、シンガポール、ニューヨークのスウォッチ販売店の前(日本でも渋谷、原宿、心斎橋に)には、税込3万3550円のこの時計が正式に発売されるよりもずっと前から列ができ始めていたのだ。オンラインでは購入できないため、コレクターたちは、今年最もホットな時計をいち早く手に入れようとテントを張ったわけだ。
昨日から、早くも各所で報道が出ている。メルボルンでは、10分足らずで完売し、大混雑のあまりに警察が出動したらしい。シンガポールでも、多くの熱心な未来のMoonSwatcherに対応するために警官が。ロンドンでは、健康と安全への懸念から、イベントの中止を余儀なくされた。トロントでは、このバイオセラミック・クロノグラフを手に入れるために、寒さと雨のなか、3ブロックにわたって1000人以上の人々が列を作った(日本も1500人を超える人々が集まった結果、警察が出動し店舗の営業自体が取り止めとなった)。
ニューヨークでは、ダウンタウンからタイムズスクエアまで、スウォッチの各店舗に人だかりができていた。HODINKEEの同僚は、グランド・セントラル・ターミナルが満員だったのを目撃している。我々のあるボードメンバーたちは、早朝に犬の散歩がてら(午前3時の話だ)、ロウワーマンハッタンにある近くのスウォッチストアに行き、夜が明けてからもずっとそこにいたそうだ。
需要と供給
どの店にも何本の時計が置いてあるのか、噂が飛び交った。5番街にある店舗では150個しかなく、行列を作るファンには到底足りないというのだ。そのため、どの店でも1人1個に制限されていた。そして、ニューヨークのスウォッチショップは、混雑を緩和するために朝8時に開店した。
注目すべきは、これが「ムーンスウォッチ」の最後ではないということだ。限定品でもなければ、本当に売り切れでもないのだ。各店舗には新たな出荷があり、スウォッチ自身も、数週間後にはコレクションのオンライン販売を開始すると言っている。しかし、店頭におけるローンチがもたらした興奮と、この人出は、時計収集のメインストリームがクロスオーバーする瞬間であることを示唆している。ナイキのジョーダンやシュプリームの新作発売でさえ、限定品でない商品の発売でこのような世界的興奮を見ることは非常に稀だ。ましてや、腕時計の発売がこのような盛り上がりを見せることはない。前例としては、2007年にiPhoneが発売されたときまで遡る必要があるかもしれない。
朝からタイムズスクエアに出向き、どれだけの人が集まるか見に行ったのだが、予想をはるかに上回る人出だった。しかし、現地にいたのは私一人ではなかった。HODINKEEは、今年、いや、史上最も期待される時計の発表を撮影するために、3大陸にフォトグラファーを派遣した。HODINKEEのジェームズ・ステイシーがスタンバイしていたトロントから、ロンドン、シンガポールに至るまで、私たちはその現場に居合わせた。
タイムズスクエア – ニューヨーク
ブロードウェイの劇場周辺には、2000人近いファンがひしめき合っているのを目撃した。その手に、自分の位置を示すステッカーが貼られている。
ムーンスウォッチがeBayなどの二次市場で、かなり非常識な価格で取引されていることは、もうご存知だろう(私が見た最高値は18万7000ドル、日本円で約2300万円)。しかし、売り物は時計だけではなかったと言ったらどうだろう? タイムズスクエアの行列では、熱狂的なファンが自分のステッカーに、つまり列に並んだ場所にキャッシュを差し出していたのだ。前日の夜中から並んでいたマイケルと名乗るファンは、「みんな適当に金額を提示して歩いて回っていました」と話した。「誰かが1000ドルと言ったのを聞きましたよ......それが相場なんだ」と、ジョン・スミスという名のファンは言い、それも自分の本名だと言い張った。
私は店内に入り、この街で最も明るく騒々しい地区でひと晩を過ごした幸運な数人が、2組ずつ聖域に入るのを目撃することができた。店長に何本あるか聞いてみた。答えは 287本だけだった。確かに全員分はない。そして、私も買えなかった。
その瞬間は目を奪われ、人ごみのなかでの興奮を身をもって体験することになる。ムーンスウォッチのオーナーには、その場にいるだけで大変な苦労をしている方もいた。
お金を払って、ひと晩中、自分の居場所を確保している紳士にも会った。ムーンスウォッチのためなら何でもする。
そして、時計そのものについてだ。店内に滑り込んだ私は、この小さなイケメンを初めて手にすることができたのだ。そして、期待に違わず、とてもエキサイティングだった。プラスチック製で軽く、ストラップはマジックテープ式。しかし、ムーンウォッチのクラシックなデザインエスプリによって、その魅力がにじみ出ていたのだから、それはそれでいいのだ。
実物の時計で印象に残ったのはMission to Mars(火星へのミッション)、次いで定番のMission to the Moon(月へのミッション)だった。どちらもプレス写真で見て気に入っていたので、実際に手にしてよかったと思う。全体がブルーで統一されたデザインは、まさに「ネプチューン」(海王星)だった。
しかし、ムーンスウォッチの神話のこの章を閉じる前に、タイムズスクエアで徹夜でMission to Uranus(天王星へのミッション)を手に入れるために並んでいた一人、ザオ・ダビッディー氏(Zhao Daviddy)にエールを送らなければならない。おめでとう。誰も天王星に関するくだらないジョークで、この瞬間を台無しにしないでくれ。私もしないよ。
それでは、世界の他の都市から観光スポットをご紹介しよう。
ニューヨークの写真: カシア・ミルトン (@kwmilt)
世界各国の行列
マイアミ
マイアミはいつも楽しいところなのだが、リンカーン ロード店の行列は素晴らしい時計と笑顔でいっぱいで、新しくムーンスウォッチのオーナーになった人も少なくなかった。行列に並ぶならマイアミビーチで、と思うのは当然のことだろう。
マイアミの写真: Ysa Perez (@ysaperez)
ラスベガス
砂漠の乾燥した暑さにも負けず、彼らはラスベガスのスウォッチショップに足を運んだ。時差があるので、混雑は覚悟の上だったのだろう。ニューヨークやマイアミの春先の寒さに比べれば、献身的といえるだろう。ラスベガスの太陽の下でのムーンスウォッチは格別である。
ラスベガスの写真: Joe Buglewicz (@joebuglewicz)
ロンドン
ロンドンのカーナビー・ストリートにあるスウォッチブティックには500人以上の人が集まり、48時間以上前から行列ができていたそう。特に午前9時の開店が近づくにつれ、増え続ける群衆を管理するのに警察は苦労していた。店は一度に一人の客を受け入れたが、その後、だんご状態になった行列のあまり「健康と安全」を理由に閉店した。巷の噂では、この店の入荷本数は100本にも満たなかったという。
ロンドンの写真: Jide Smith (@spottedbymrsmith).
シンガポール
ロンドンと同じように、イオン オーチャードには開店を前に大勢の人が集まった。警察官も駆けつけ、ムーンスウォッチの新作を待ち写真に収める客たちの秩序を守っていた。
シンガポールの写真: Ore Huiying (@orehuiying).
トロント
トロントのイートンセンターの行列は、ヤング・ストリートをぐるりと囲み、ショッピングセンター全体の長さを超えて進んでいた。スウォッチブティックでは、スタッフが今後の在庫状況を問い合わせるためのリストを作っていた。今朝の開店時には、100本もなかったということだ。ジェームス・ステイシーは、「寒くて、じめじめ、希望に満ちている」と表現した。
トロントの写真: ジェームズ・ステイシー (@jestacey)
HODINKEEでは、引き続き「ムーンスウォッチ」のローンチの様子をお伝えしていく。
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