Introducing A.ランゲ&ゾーネ　オデュッセウス ブランド初のチタンモデルが登場

　サイズ、スペック、ムーブメントは前2作のオデュッセウスと共通だが、新たに“アイスブルー”ダイヤルが発表された。多層構造のダイヤルは、一見すると中央のテクスチャー部分を同心円状のギヨシェ彫りの装飾が取り囲んでいるように見える。典型的なアズラージュ装飾のように見えるが、実はこの線はアワーマーカーから伸びており（下の写真を参照）、ランゲが言うところの“埋め込まれたような外観”を生み出しているのだ。

　その結果、オリジナルのSS製オデュッセウスのダイヤルと非常によく似た外観となり、ホワイトゴールド製にあったエンボス加工の放射状の溝やマットな中央のダイヤルとは一線を画している。チタン製オデュッセウスは、素材の違いを除けば、SSやゴールドモデルと同じ5連のブレスレット構造を採用している。

　A.ランゲ&ゾーネが初めてチタンをケース素材として採用したモデルで、250本の限定生産となる（シリアルナンバー入り）。SS製のオデュッセウスと比較して43％軽量化されており、それが装着感に影響を与えるのは間違いない。チタン製オデュッセウスはブティック限定モデルで、定価は709万5000円（税込）だ。

　A.ランゲ&ゾーネがしのぎを削る高級時計メーカーたちは、チタンを使用するのは文字通り最も特別な時計に限られるという基準を設けている。パテック フィリップはチタンをユニークピースにのみ使用し（例えば、これやこれ、ほかにこれも）、オーデマ ピゲはもう少し自由に使用しているが、ロイヤル オーク コンセプト ブラックパンサー フライングトゥールビヨンやロイヤル オーク Ref. 15020 ジャンボの最終モデルなど、超レアで人気のある作品にはチタンを使用するようにしているのだ。

　A.ランゲ&ゾーネは、コンサバティブな時計メーカーとして有名だ。同社で最も話題を呼んだオデュッセウスをチタン製の250本限定モデルとして展開することで、明確なステートメントを打ち出している。チタンの採用は新しい試みを意図的に選択したことの表れだ。SSモデルやWGモデルのダイヤルを変えるということもできたはずだからだ。

　A.ランゲ&ゾーネは、Watches & Wonders 2022のスタートを飾る新作に軽量の変化球を投げてきた。これは非常に魅力的なモデルだ。

　しかし、A.ランゲ&ゾーネはカーブボールでホームランを飛ばすことができるのだろうか？　それは見てのお楽しみだ。

ブランド： A.ランゲ&ゾーネ（A. Lange & Söhne）
モデル名： オデュッセウス（Odysseus）
型番： 363.117

直径： 40.5mm
厚さ： 11.1mm
ケース素材： チタン
文字盤色： 真鍮、アイスブルー
インデックス： アプライドのバトン、ホワイトゴールド製
夜光： あり、針とアワーマーカー
防水性能： 120m
ストラップ/ブレスレット： チタン製ブレスレット

キャリバー： L155.1 DATOMATIC
機構： アウトサイズデイトと同様の曜日表示、時、分、スモールセコンド
直径： 32.9mm
厚さ： 6.2mm
パワーリザーブ： 最大50時間
巻き上げ方式： 自動巻き（手巻き付き）
振動数： 2万8800振動/時（4Hz）
石数： 31
クロノメーター認定： なし
追加情報： 5姿勢精度調整、プラチナ950製の両方向回転式ローター、ハンドエングレーブされたテンプ受け、4つの調整用ビスを備えた耐震機構付き偏心錘付きテンプ、自社製の高品質ヒゲゼンマイ、調整用偏心カムと調速スワンネック形バネを備えたフリースプラング式テンプ、ねじ込み式リューズ、日付・曜日修正のためのボタンがふたつ

価格： 709万5000円（税込）
発売時期： ブティック限定
限定： あり、250本限定

詳細は、A.ランゲ&ゾーネ公式サイトをクリック。