ADVERTISEMENT
世界の一流店が集まる銀座でも、ひときわ華やかな中央通り沿いに威風堂々と正規時計店がそびえ立つ。エントランスに一歩足を踏み入れると、周囲の喧騒が一瞬にして消え去り、和やかな雰囲気とスタッフの温かい笑顔が出迎えてくれる。そう、ここは1892年創業の日新堂。現在と同じ銀座7丁目に時計店を構えた1948年から70年以上にわたり、数多くの顧客から愛されてきた老舗の名時計店である。
意外にもそのルーツは佐川久四郎氏が1892年に秋田の地で興した小さな時計店にある。ここで生まれ、のちに初代社長となる佐川久二氏は、ことのほか秋田への郷愁が強かったようだ。その思いは母校・日新小学校に由来する“日新堂”の名に受け継がれている。
1931年に上京した久二氏は、恵比寿駅前や大森駅前で時計店を開業し、第2次世界大戦が激しさを増していった1941年、日本航空計器株式会社を設立して社長に就任。航空計器や特殊時計など、時世に合わせた機器の製造と経営で苦難の時代を切り抜けた。
1945年に終戦を迎え、疎開先の山梨に移していた工場を大森に移転。やがて銀座に進出し、高級置時計の製作に着手した。そして1948年、銀座7丁目に日新堂時計店を開業。好評だった置時計の製造に加え、この店舗のオープンを機に、当時珍しかった舶来腕時計の取り扱いを始めたことが飛躍のきっかけとなった。
1950年代以降、多くの海外時計メーカーの日本総代理店となった日新堂は、ますます成長を遂げ、1954年に現在の銀座本店がある土地を購入して店舗を移転。1961年には地下1階、地上6階の鉄筋コンクリート建て本社ビルを竣工し、盛大に祝賀会を行った。そのモダンな日新堂のショーウィンドウに並んだ舶来時計や宝飾品は、銀座・中央通りを行きかう人々に華やかで豊かな夢の生活をイメージさせたに違いない。
こうして高級時計販売店として知名度を高める一方で、1975年に発表した高級置時計“マスター”が高評価を受けるなど、日新堂はメーカーとしての知見を併せ持つ希少な時計店として発展した。1997年には、世界の宝飾・時計専門店のリーディングメンバーで構成されるAIHH加盟により、名店の評価が国内外に知れ渡ることとなる。そして2011年、佐川義孝氏が4代目社長に就任。以来、積極的な店舗拡大と業務改善を推し進め、目覚ましい成果を上げている。
日本の時計文化の振興に寄与してきた日新堂の歴史は、さまざまな方面に深いつながりとなって、いまに続いている。地元・銀座との関わりは深く、“真心を込め、感謝の態度でお客様をお迎えすること”を社訓とする丁寧な接客は、何世代にもおよぶ顧客との信頼関係にもつながっている。「お客様のお子様だけでなく、お孫さんまでご来店いただけることは、当店として大きな喜びであり光栄なことです。それに長い歴史が培った時計ブランドとの広く深いつながりも、お客様のリクエストに対応するための力になっています」
日新堂の企業理念は“お客様とともに憧れと豊かな未来を創造する”こと。「いまは在庫が異常なまでに少ないのに需要は高まるばかり。私どもとしてはご来店くださったお客様に丁寧にご説明をして、できる限りご要望にお応えしていくのみと考えています」と、もどかしい現状を憂慮しているようだ。
それでも、“世界の960分の1をワクワクに!”という使命を果たすべく、日新堂スタッフは日々、来客者ひとりひとりと真摯に向き合っている。「人は1日に約90秒、時計を見るそうです。つまり、それは1日の960分の1。私たちはその時間をお客様にワクワクしてもらえるよう、誠心誠意のサポートをさせていただきます」
2016年、日新堂 銀座本店は大胆なリニューアルを行い、取り扱いブランドを舶来2社と国産2社のみに絞った。現在のフロア構成は1階がエントランス、2階と3階にパテック フィリップ、4階と5階にヴァシュロン・コンスタンタン、6階にグランドセイコー、ザ・シチズンなど国産2社の高級ラインが並ぶ。特に舶来2社は親から子へ、さらに孫へと受け継いでいくべき世界最高峰の時計を揃える名門ブランドだ。それぞれの世界観を表現した贅沢な2フロア展開で、じっくりとコレクションが吟味できる。
銀座本店に続くかたちで2018年には、大阪の店舗がヒルトンプラザ ウエストのグランドフロアに移転。こちらもブランドを絞り、パテック フィリップ、グラスヒュッテ・オリジナルを取り扱う。異なる個性を持つブランドを、洗練された1フロアでじっくりと比べることができる。
両店舗とも扱っているのは一生付き合っていける逸品ばかり。最高のホスピタリティのもと、めでたく運命の1本と出合うことができれば、その瞬間から日新堂との生涯にわたる信頼関係が始まり、人生の伴侶が時を刻む彩り豊かな生活がスタートするのだ。
【日新堂 銀座本店】
■住所:東京都中央区銀座7-9-13
■TEL:03-3571-5611
■営業:11:00~20:00 ※元日休
【日新堂 大坂ヒルトンプラザ店】
■住所:大阪府大阪市北区梅田2-2-2 ヒルトンプラザウエスト1F
■TEL:06-6345-2211
■営業:11:00~20:00 ※元日休
その他の店舗や、詳細については日新堂公式サイトへ。
Words: Takahiro Ono
話題の記事
Breaking News パテック フィリップ Ref.5711 ノーチラスがチャリティのための1点ものとして復活
日本の時計収集を支えた機械式時計ブームと、市場を牽引した時計ディーラーたち
Four + One カントリー歌手の時計コレクションが描く音楽キャリアの軌跡