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我々が知っていること
これがそう、新しいパテックフィリップのノーチラス Ref.5811/1G-001だ。パテックの言葉で"G "は、ホワイトゴールドを意味する。新しい5811/1Gは41mmのホワイトゴールドケースを備え、我々の親愛なる出発点であったスティール製のRef.5711よりも1mm拡大されての登場となった。新型ノーチラスは、このふたつの変更点(ひとつはかなりヘビー級だ)以外は、2021年の初めにお別れした古いブルーダイヤルのノーチラスとよく似ている。本機には、その他にもいくつかの美的アップデートと技術的アップグレードが施されている。そして、グリーンとティファニーブルーの短いビクトリーラップのあと、おなじみの(つまりブルーの)フェイスに対面することとなった。新しい5811/1Gは、ブラックグラデーションのサンバーストブルーダイヤルを備えている。
しかし、1976年に発表されたオリジナルのノーチラス "ジャンボ " Ref.3700を特別なものにしていた部分を評価する方なら、本機の微妙なニュアンスに気がつくだろう。新しい5811/1Gは、ノーチラス Ref.3700のモノブロックケースに倣い、2ピース構成のケースを採用している。
5711は、モダンな3ピース構造のケースだった。この2ピースケースというものにはケースバックがないため、ムーブメントをケースから出し入れする点において厄介だった。かつての3700では、巻き真を時計の他の部分から分離して、ムーブメント全体を時計の表側から取り出すことができる「スプリットステム」という方法でこれを解決していた。
パテックは今回、巻き真を文字盤側から引き出すことができる新しいシステムの導入によって、この問題を解決したという。この新しいケース構造は、オリジナルのジャンボだけでなく、ノーチラスのインスピレーションそのものへの歴史的なオマージュでもある。ジェラルド・ジェンタは、船の舷窓をモチーフにノーチラスをデザインしている。時計の内部に入るには舷窓を開けなければならないという発想から生まれたのであり、それから46年後、再び舷窓が唯一の入り口となったというわけだ。なお、この新しいケース構造でも、5811/1Gはサファイアケースバックを備えている。
新しいホワイトゴールドの5811/1Gに搭載されているムーブメントは、2019年から2021年まで、5711の最終バージョンに搭載されていたものと同じCal.26-330 S Cだ。また5711と同様に、5811/1Gは120m防水となっている。最後に、パテックはブレスレットのクラスプにもアップデートを与えた。フォールディングバックルは、ロック可能な新しい調整システムを採用し、2mmまたは4mm単位で簡単にブレスレットのサイズを調整することが可能となった。
ノーチラス5811/1Gの小売価格は938万3000円(税込)。昨年パテックが発表したオリーブグリーンのダイヤルを備えたスティール製の5711は、401万5000円だった(異なる素材かつ、日本は円安の影響も受けているだろう)。
我々が思うこと
正直に言うと、なんとなく予想していた通りだった。でも、それは悪いことではない。パテック フィリップが昨年5711を製造中止にして以来、私たちは皆、次は何が出るのだろうと遊び心に満ちた憶測をめぐらしてきた。この1ヵ月ほどで、今日のような日がすぐに来るかもしれないと感じ始め、憶測が過熱した。そして、私が耳にした情報に基づく推測のほとんどは、パテックに関して言えば「情報に基づく推測」という言葉が完全に矛盾しているわけではないのだが、ある潜在的なリファレンスに行き着いた。それが"5811G"だ。
パテックから何かクレイジーなものが出てきたのだろうか? 答えはノー、もちろんそんなことはない。ノーチラスをわずかに進化させたもので、いくつかの美的な微調整と、よりよい時計にするための技術的なアップデートが施されている。しかし、もしあなたがそれ以外のことを期待しているとしたら、それはあなたがクレイジーな人なのかもしれない。
新しい2ピースケース構造については パテックがやらなくてもよかったことであり、より愛着がわくというもの。このような技術的なアップデートや歴史へのオマージュは、時計好きにとって楽しいことであり、私たちを毎日飽きさせないディテールなのである。
ところで、ノーチラスコレクションの30周年を記念してスティール製の5711を正式に発表する数年前の2006年に、わずか2年間しか生産されなかったホワイトゴールド製のジャンボ Ref. 3711Gがあるのをご存知だろうか(これがブレスレットを採用した最後のホワイトゴールド製ノーチラスで、5711Gにブレスレットが付くことはなかった)。現在、3711Gはちょっとしたコレクターズアイテムとなっており、5711の「プレシリーズ」のようなものとも言える(5711の収集に関する記事は、明日をお楽しみに)。
さて、3700の50周年まであと数年となるわけだが、再び憶測を巡らせる前に、旧ノーチラスを進化させたホワイトゴールドの新型ノーチラスの登場をまずは楽しもう。
基本情報
ブランド: パテック フィリップ(Patek Philippe)
モデル名: ノーチラス(Nautilus)
型番: 5811/1G-001
直径: 41mm
厚さ: 8.3mm
ケース素材: ホワイトゴールド
文字盤色: ブルー
インデックス: ホワイトゴールド製アプライド
夜光: あり
防水性能: 120m
ストラップ/ブレスレット: ホワイトゴールドブレスレット
ムーブメント情報
キャリバー: 26-330 S C
機構: 時間と日付
直径: 27mm
厚さ: 3.3mm
パワーリザーブ: 35〜45時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時、ジャイロマックステンプ、シリコン製のスピロマックスヒゲゼンマイ
価格 & 発売時期
価格: 938万3000円(税込)
限定: N/A
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詳細はパテック フィリップ公式サイトへ。