trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Found サザビーズ・ニューヨークに出品されたパテック フィリップ WG製Ref.3448(もしくはYG製Ref.3450?)– コンバーチブルな永久カレンダーの物語

1本で2度おいしい、誰も見たことがないパテック フィリップだ。

本稿は2015年12月に執筆された本国版の翻訳です。

Ref.3448は、私のお気に入りのヴィンテージリファレンスのひとつである。ケースが磨かれていない状態のシャープなラグと、シンプルな文字盤のレイアウトには非常に洗練された魅力がある。そのためサザビーズで非常に貴重なRef.3448が出品されると聞いたとき、私は実物を見に行かざるを得なかった。これからご覧いただくのは、おそらくあなたが1度も見たことがないであろうものだ。パテック フィリップ Ref.3448のWG製ケースに、後年のRef.3450に見られるYG製ケースが予備として付いている。さあ、これがコンバーチブル(変更可能)なパテック フィリップだ。

Patek Philippe 3448 Convertible

このWG製Ref.3448にはまったく異なるケースと文字盤、針、リューズが付属している。これらはすべてYG製だ。

 そう、言葉どおりだ。この時計はサザビーズ・ニューヨークでオークションに出品される予定(記事執筆当時)だが、1966年にWG製のRef.3448として誕生し、1967年に初代オーナーが購入した。その後YG製のバージョンが欲しいと思い立ったオーナーは、1986年にパテック フィリップに手紙を書いてYG製のケースとそのためのダイヤル、針を作ってもらい、気分によってムーブメントを入れ替えられるようにできないかと依頼した...…、 そしてパテック フィリップはこの要望に応じたのである。

Patek 3448 White
Patek perpetual 3448

 唯一違ったのは、パテック フィリップが提供したのがRef.3450のYG製ケースだったことである。Ref.3450は1981年に発表されたRef.3448の次世代機であった。パテック フィリップはまたYGのインデックスが付いたRef.3448用のダイヤル、それに付随する針とリューズも供給した。最も驚くべき点は、そのすべてが事細かく記録されていることだ。オリジナルのRef.3448にはオリジナルの証明書が付いており、追加のケースについては今年新たに入手したアーカイブの抜粋によって確認されている。サザビーズには顧客とパテック フィリップとのあいだでやり取りされていた複数の手紙もあり、それがこの一連の出来事を裏付けている。

Patek 3448 Convertible Sothebys

ひとつでふたつの時計が楽しめる!

 パテック フィリップが個別注文を受けることは非常にまれであるため、このようなことが実際に起こったという事実は非常に驚くべきことだ。さらにこの時計が非常に希有な出来事に関する完全な書類を伴い、良好な状態で残っているということもこの時計をいっそう驚くべきものにしている。

Patek 3448 wristshot

 このロットの推定価格は30万ドルから50万ドル(当時のレートで約3600万〜6000万円)である。一般的にWG製のRef.3448は25万ドルから45万ドル(当時のレートで約3000万〜5400万円)で販売されており、YG製のものは8万ドルから15万ドル(当時のレートで約960万〜1800万円)で販売されている。2014年にはジュネーブでWG製の特別なRef.3448が31万1000スイスフラン(当時のレートで約3920万円)で販売されているため、オークション当日の午後、これらの時計の評価がどうなるかは興味深いところである。 

 こちらでロットの詳細を確認し、明日のサザビーズ・ニューヨークでの入札をお忘れなく(編注:該当のオークションはすでに終了している)。