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Introducing ブルガリから3つのチャイミングウォッチ登場、それぞれがさらに高度な複雑機構を備えたモデル

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細かな音程(悪魔の音程)へのこだわりこそが肝心だ。

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我々が知っていること

ブルガリが3つの新しいチャイミングウォッチを発表した。新作ではなく再発明と言えるような代物だ。

 トリオのなかで最も複雑ではない(とはいえ決してシンプルでもない)モデルは、フルカーボン仕様で復活したオクト フィニッシモ ミニッツリピーターだ。このサイトを長く読んでいる方なら、2018年にブルガリがこのモデルの初版であるオクト フィニッシモ ミニッツリピーター カーボンを発表し、史上最も薄いミニッツリピーターとして記録を打ち立てたことを覚えているだろう。ただし、その時計は50本限定のエディションだった。そこでブルガリはこの記録破りの時計を、よく似た新しいエディションとして復活させた。見た目には、多くの要素がオリジナルと同じで、カーボン製のダイヤルにはインデックスのためのカットアウトがあり、フルカーボンのケースとブレスレット、そして6時位置にはスモールセコンドが配置されている。

of front
of back

 新モデルでの変更点は、すべて美観に関するものだ。ミニッツリピーターの黒いプッシュボタンとリューズは、オリジナルのマットなダークチタン仕上げからサテンとポリッシュ仕上げに変更され、リューズの側面にはブラックセラミックのインサートが追加されている。また、針はオリジナルモデルのマットなビードブラスト仕上げからサテンポリッシュ仕上げにアップデートされた。ただし40mmの多層構造CTP(Carbon Thin Ply)ケース、6.85mmの厚さ、そして記録を持つマニュファクチュールBVL362ムーブメントはそのまま引き継がれている。

 さらに複雑さを増す次のモデルはオクト ローマ カリヨン トゥールビヨンのアップデート版だ。今年のリリースではモダンでアヴァンギャルドなデザインを保ちつつ、サテンポリッシュ仕上げのローズゴールドケースを採用することで、わずかに伝統的な要素が取り入れられている。カリヨンリピーターになじみのない方のために説明すると、従来のミニッツリピーターがふたつのゴングとふたつのハンマーを使うのに対し、カリヨンは3つのゴングと3つのハンマーを使用する。ひとつのハンマーが時を打ち、3つのハンマーがクォーター(15分ごと)を打ち、ひとつのハンマーが分を打つため、より音楽的な響きを持っている。

carollion side profile

 この時計のケースは44mmで、厚さは12.6mmだ。ダイヤルは大部分がオープンワークで、マットなサンドブラスト仕上げのDLCコーティングが施され、ハンマーとゴングのためのカットアウトや、ダイヤル側に露出したトゥールビヨンブリッジが特徴である。ケースの側面を見ると、このモデルの象徴であるチタン製のミドルケースが引き続き使用されていることが分かる。時計を裏返すと、サファイアガラス越しにさらに多くのオープンワークが見られ、チャイミング機構が時間を機械的に読み取るためのラックやスネイルが確認できる。ムーブメントプレートのくぼんだ部分にはパワーリザーブインジケーターが配置されている。ムーブメントの部品はサテン仕上げとポリッシュ仕上げのメタルで構成されており、マットな質感のブリッジやプレートと対照的な仕上がりになっている。オクト ローマ カリヨン トゥールビヨンは34万ドル(約4960万円、正式な日本価格は要問合せ)で、30本限定のモデルだ。 

carillon caseback

 最後に、そして確実に目玉となるのが新しいオクト ローマ グランソヌリ トゥールビヨンである。この時計にはさらにもうひとつのハンマーとゴングが追加され、合計で4つのハンマーとゴングが搭載されている。過去数年間、ブルガリからは永久カレンダー機能を搭載したグランソヌリがいくつかリリースされてきたが、今回は“少し控えめ”に、4つのチャイムを持つグラン&プチソヌリ、ミニッツリピーター、そしてトゥールビヨン機構のみを備えている(とはいえ、それでも十分に複雑な仕掛けだ)。

grand sonnerie

 グランソヌリって何? と思う方もいるかもしれない。この時計にはミニッツリピーターの複雑機構に加えて、いくつかのモードがあるのだ。そのうちのひとつがグランソヌリモードで、このモードでは手巻き式のCal.VV 800が1時間、15分が経過するごとに自動的に時報を鳴らすのである。また1時間、15分、1分単位で任意の時間に繰り返し鳴らすことも可能だ。4つのゴングとハンマーで4分の1拍子が鳴らされ、単純な“チン”という音ではなく、ちょっとした音楽のようなフレーズを奏でる。一方、プチソヌリモードでは毎正時だけが鳴る。まったく鳴らさないモードもあり、これはカシオのアラーム音を消すような感じで、控えめな機能だ。

grand sonnerie caseback

 今回のモデルでは、これまでのバージョンとは異なり、ダイヤルが弟分であるカリヨン トゥールビヨンと非常に似たデザインになっている。グレーPVD仕上げのダイヤルは、同じオープンワークデザインが施されていて、フライングトゥールビヨンは10時位置に配置されている。4つのゴングは7時位置にあり、オープンワークダイヤルのスリットの背後には、ムーブメントとパワーリザーブの残量を示すふたつの赤いセグメントが見える。これらをすべてまとめているのは、45mmのサテンポリッシュ仕上げのチタンケースで、厚さは11.85mm。価格は“要お問い合わせ”となっており、限定5本のモデルである。

lorenzo viotti

ル・サンティエにあるブルガリのマニュファクチュールでのロレンツォ・ヴィオッティ(左)。

listening to a watch

 ここで注目すべきは、ふたつのオクト ローマモデルにおける新たなチャイム音の再解釈だ。ブルガリはこれまでもユニークなチャイム音で知られており、2021年にはカリヨンのチャイムがウェストミンスターの鐘を反映していたこともあった。今回ブルガリはさらに斬新なアプローチを取り、イタリア・スイスの指揮者ロレンツォ・ヴィオッティに協力を求めた。これらふたつのオクト ローマでは、ブランドと指揮者がトライトーンを採用している。これは増4度または減5度としても知られ、特に“悪魔の音程”としても有名な不協和音的な響きを持つ音程だ。

 このコンセプトを深く掘り下げるには別の記事が必要となるが、ブルガリはこのアイデアについて、デザインの調和とチャイム音の緊張感とのあいだに聴覚的なコントラストを作り出したかったと述べている。多くのチャイミングウォッチは顧客にとって最も心地よい音を作り出そうとするものだが、この時計の録音を聞いた限りではこの新しいアプローチは非常に興味深いものだと思う。この音は決して不快でもなく、衝撃的でもないが、この業界ではあまり耳にしない音だ。ウルトラモダンでアグレッシブなデザインが特徴のこのふたつのオクト ローマモデルにおいては、確かにこの音調が手首につけた際の見た目と調和するかもしれない。

bvl800 movement

我々が考えること

もしどれかひとつを選ぶとしたら、私のお気に入りはオクト フィニッシモ ミニッツリピーターだ。確かに今日紹介された3モデルを見比べると、ゴングをふたつ持つこのモデルを選ぶのは正気の沙汰ではないように思えるかもしれないが、ときには薄さという要素自体がひとつの複雑機構としてもっと評価されるべきだと思うことがある。この3つのなかで、実際に一番身につけたいと思うのはこのモデルだ。しかし忘れてはならないのは、オクト フィニッシモ ミニッツリピーターが22万4000ドルで再登場していることだ。2018年に50本限定で16万ドルだったこの時計が、今では40%値上がりしているわけだ。正直なところ、定価に対してコストパフォーマンスを語るのはもはや意味がない領域に達していると思う。そのため、ブルガリが22万4000ドルで売れる市場があると考えているなら、それについては彼らのほうが私より詳しいに違いない。

 結局のところ、これらの時計は一般の顧客をターゲットにしているわけではなく、製造数も非常に限られている。だから、これらのリリースを機械的な芸術作品として捉え、その文脈で見てみるべきだと思う。私はこれらの時計を、時計というよりも彫刻作品のように扱っている。オクト ローマのラインナップは、ここ最近ブランドからかなりの注目を集めており、過去1年ほどで幅広いリフレッシュが行われ、オクト ローマ ストライキング パピヨン トゥールビヨンのような複雑機構が追加されている。この流れを続けるのは当然のことであり、ブルガリが超複雑なグランソヌリやカリヨンの機構を自社工房で存続させ続け、時計製造の技術力を示していることを嬉しく思う。これができるブランドはそう多くないのだ。


詳細

オクト フィニッシモ ミニッツリピーター カーボン

型番 103986。40mm カーボンTPケース(厚さ6.85mm)。ポリッシュ仕上げのチタン製リューズにブラックセラミックのインサート、サテンポリッシュ仕上げのチタン製プッシュボタン、シースルーバックが特徴。防水性能は1気圧。カーボン製ダイヤル、サテンポリッシュ仕上げとロジウムコーティングが施された真鍮製の針を採用。カーボン製ブレスレットには一体型のフォールディングバックルが付属。

BVL362は、超薄型の手巻きメカニカルムーブメントで、ミニッツリピーターとスモールセコンドを搭載。パワーリザーブは42時間で、振動数は2万1600振動/時(3Hz)だ。

オクト ローマ カリヨン トゥールビヨン

型番 103933。 44mmのローズゴールドケース(厚さ12.6mm)。サテンポリッシュ仕上げのローズゴールド製リューズにはブラックセラミックのインサート、サテンポリッシュ仕上げのローズゴールド製プッシュボタンとシースルーバックが特徴。防水性能は3気圧。ダイヤルは真鍮製で、ブラックDLC処理が施されたサンドブラスト仕上げのオープンワークデザイン。ブラックアリゲーターストラップにはローズゴールド製のフォールディングバックルが付属。

BVL428マニュファクチュール製の手巻き式メカニカルムーブメントで、オープンワークのブリッジ、ミニッツリピーター、3ハンマーのカリヨン、トゥールビヨン、パワーリザーブインジケーターを搭載。パワーリザーブは75時間で、振動数は2万1600振動/時(3Hz)。

オクト ローマ グランソヌリ トゥールビヨン

型番 103962。45mmのチタンケース(厚さ11.85mm)。サテンポリッシュ仕上げのチタン製リューズにはブラックセラミックのインサート、サテンポリッシュ仕上げのチタン製プッシュボタンと トランスパレントケースバックが特徴。防水性能は3気圧。ダイヤルは真鍮製で、グレーDLC処理が施されたサンドブラスト仕上げのオープンワークデザイン。ブラックアリゲーターストラップはチタン製のフォールディングバックル付き。

BVV800は、マニュファクチュール製の手巻き式メカニカルムーブメントで、グランソヌリとプチソヌリ、ミニッツリピーター、4ハンマーのチャイム、ムーブメントおよびチャイム機構のパワーリザーブインジケーター、トゥールビヨンを搭載。パワーリザーブは72時間で、振動数は2万1600振動/時(3Hz)。


価格 & 発売時期

価格: オクト ローマ カリヨン トゥールビヨン、16万4000ドル(日本価格は要問い合わせ)。 オクト ローマ カリヨン トゥールビヨン、34万ドル(日本価格は要問い合わせ)。オクト ローマ グランソヌリ トゥールビヨン、要問い合わせ。
限定: オクト フィニッシモ ミニッツリピーター カーボン、なし。オクト ローマ カリヨン トゥールビヨン、30本。オクト ローマ グランソヌリ トゥールビヨン、5本

詳細はブルガリ公式サイトへ。