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Introducing ブローバ 人気機構のGMTを民主化した手頃な新作

ミヨタ初となるジャンピングアワー搭載ムーブメントを採用したウィルトン GMTを発表。

我々が知っていること

ブローバからビッグニュースだ。

 ブローバの新作クラシックモデル、ウィルトン GMTは、新しい機械式ムーブメントを搭載したことで、これまで高価で敷居の高かったデュアルタイム表示のカテゴリーに平等をもたらした。7月に正式に発表されたこのモデルは、ミヨタCal.9075を搭載し、ローカルジャンピングアワー針を搭載している。これだけの機能を備えながら、価格は900ドル(約12万円)以下に抑えられている。

Bulova Wilton GMT

ブローバの新作ウィルトン GMTは、ブルーダイヤルとスティールケースの組み合わせ(96B385)と、シルバートーンダイヤルとゴールドプレートスティールケース(97B210)から選ぶことが可能だ。

 なぜ、これが重要なのか。というのも、インターネット上で時計に関する記事を読んでいると、GMTに採用されている2種類のセカンドタイムゾーン表示をめぐる議論にすぐに出くわすからだ。GMTウォッチには、大きく分けてふたつのタイプがある。ジャンピングローカルアワー針とジャンピング24時間針だ。

 私生活であれ仕事であれ、セカンドタイムゾーンを把握するよりも、能動的にタイムゾーンを行き来する方のメリットが大きいことから一般的に時計愛好家には前者が好まれる(さまざまなGMTを紹介しているこの記事をご覧いただきたい)。その概念は、あなたが新しい場所に着陸したとき、“Flyer型GMT”に必要なのは、時計機能のほかの部分を煩うことなく、リューズ操作だけで到着地のどんなタイムゾーンに合わせることできるということだ。どちらのタイプも秒針を停止することなく独立して調整することができ、一般的にデイト表示と連動する。

 ロレックスのGMTマスターII、チューダーのブラックベイ GMT、グランドセイコーのSBGM221はすべて、この特定の機能を備えたGMTウォッチの典型である。どれも素晴らしい時計だが、価格帯もそれなりになる。ミヨタCal.9075が実現したのは、この機構の使い勝手をまったく変えてしまったことだ。

Bulova Wilton GMT

ケースサイズは43mm×12.7mmで、ラグからラグまでの数値は50mmをわずかに下回る。

 ブローバの新モデル、ウィルトン GMTに搭載されたデビューとなるミヨタCal.9075は、興味を持つサードパーティの時計メーカーやブランドがすぐに購入できるようになるはずだ。フランスのLIPやドイツのツェッペリンなど、手頃な価格帯で提供する時計メーカーから近々登場する新作GMTモデルにCal.9075を搭載することが知れ渡っている。

 Cal.9075は、ミヨタのハイエンドである9000系に連なるムーブメントだ。ミヨタの公式Webサイトはまだ更新されておらず、Cal.9075に関する追加情報はないが、ブローバが提供した最初のスペックは、ほかの9000系について判明していることと一致しているようだ。この新しい自動巻きキャリバーは、2万8800振動/時、24石、秒針停止機構、手巻き機能、42時間パワーリザーブを備えている。ムーブメントの仕上げは、提供されたウィルトン GMTのシースルーバックケースの画像からわかるように、比較的ベーシックなものに見えるが、Cal.9075はそれ以外の点では価格以上に素晴らしいものだ。

Bulova Wilton GMT

ミヨタの新ムーブメント、Cal.9075はクラシック ウィルトン GMTのシースルーバックケースから眺めることが可能だ。

 ブローバとミヨタは親会社(日本のシチズン時計)が同じなので、ブローバがCal.9075を最初に手に入れるのは理にかなっている。この新しいムーブメントを使って、ほかの時計メーカーがどんな時計を作るのか楽しみだが、今すぐ手にすることができるのはブローバだけだ。そこで、このムーブメントを搭載した最初の時計について知っておくべきことを紹介しよう。

 ブローバのクラシック ウィルトン GMTは、現在2種類のバリエーションで提供される。ブルーダイヤルにステンレススティールケース、シルバーダイヤルにゴールドプレートケースの2種類から選ぶことが可能だ。ゴールドプレートモデルは2200円高いが、機能的には同じである。ケースは43mm×12.7mmと大型で、ラグからラグまでの数値が50mm以下というシンプルな構造となっている。ポリッシュ仕上げとサテン仕上げが施されており、特に傾斜のあるポリッシュ仕上げベゼルが特徴的だ。

Bulova Wilton GMT

ダイヤルにはアプライドのローマ数字と、世界地図の方位図を模した繊細なレリーフが施されている。

 ダイヤルには、世界地図の方位図を模した繊細な浮き彫りデザインが施され、トラベルタイム機能を強調している。3時位置にはホワイトの日付表示を配し、ダイヤル外周にはバイカラーの24時間スケールを持つスリムな見返し(リハート。立体的なインナーリング)を配置している。スリムな時針と分針には夜光塗料を塗布し、伝統的なドーフィン型に仕上げられ、GMT針には夜光塗料の矢印が赤いフレームで囲まれている。ダイヤルには、ケースに合わせてSSまたはゴールドトーンとなるアプライドのローマ数字が配され、12時位置にはブローバの音叉型ロゴが配されている。それらを控えめに覆うのがドーム状のサファイアクリスタル風防である。

 ブローバのクラシック ウィルトン GMTは、ブローバのeコマースサイトからオンラインで購入することが可能で、ブローバの広範な正規販売店ネットワークにまだないのであれば、すぐにでも店頭に並ぶことだろう(日本では10月発売予定)。

 ブルーダイヤルを持つステンレススティールのモデルは10万100円、ゴールドプレートモデルはそれよりやや高めの10万2300円(ともに税込)となっている。

我々が思うこと

ミヨタCal.9075の幅広いリリースは、手頃な価格の時計製造のファンにとって、今年の比較的重大なニュースのひとつとなる可能性が高い。ジャンピングアワー機構を搭載したGMTウォッチの普及に向けた最大の一歩となるだろう。近年では、スイスのケニッシ社が4000ドル以下の価格帯となるGMTムーブメントを発表し(現在はチューダーノルケインフォルティスが採用)、セイコーは数年前、プレザージュ“Sharp Edged”シリーズのように1000〜2000ドルの中級価格帯、プレサージュに“Flyer型GMT”モデルをデビューさせた。

Bulova Wilton GMT

時針、分針、GMT針のすべてに夜光塗料が塗布されている。

 ミヨタCal.9075が発表される以前、最も財布に優しい“Flyer型GMT”は、スウォッチグループの中堅時計メーカーだけが専売していた。現在、ミドー、ロンジン、サーチナ、ティソ、ハミルトンのコレクションには、ティソで数万円台、ロンジンの40万円台まで、さまざまな“本物の”GMTウォッチが展開される。これらの時計はすべて、ETA社(スウォッチグループ傘下)製のスイス製ムーブメントを使用しており、その構成と仕様は、ミヨタCal.9075よりも進んでいることは容易に認めることができる。

 しかし、これらの素晴らしいムーブメントが長らくスウォッチグループだけのものだったゆえにミヨタCal.9075は大きな進化を遂げたのだ。サードパーティの時計メーカーがミヨタを訪ねれば、リーズナブルな価格の“Flyer型GMT”を注文できるようになる。

 現在、スイス・セリタのSW330-1やソプロッドのC125など“Caller(デュアルタイムゾーン)型GMT”ムーブメントを採用している小規模な独立時計ブランドの多くが、ミヨタCal.9075に移行していくのは妥当な流れだろう。ミヨタCal.9075とSW330-1の正確な単価を比較することはできないが、ミヨタの新型ムーブメントは同程度のコストと、より需要の高いジャンピングアワー機能を提供し、多くの価値重視の直販時計ブランドを納得させることは想像に難くない。

Bulova Wilton GMT

ポリッシュ仕上げとサテン仕上げを施しらケースに、リューズガードは存在しない。レザーストラップにはアリゲーターレザーを思わせるエンボス加工が施され、クラスプにはツイントリガーのSS製デプロワイヤントフォールディングバックルが採用される。またリューズには、ブローバの伝統的な音叉のロゴが刻印されている。

 日本の時計メーカーで最近GMTムーブメントを発表したのは、もちろんミヨタだけではない。セイコー5 スポーツ GMTシリーズには自動巻きの新型ムーブメントCal.4R34が搭載され、話題となったのは1ヵ月余り前の最近のことだ。セイコーはこの新しい低価格のトラベルタイムキャリバーをNH35の商品名でサードパーティーメーカーに提供するようだが、残念ながら“Caller型GMT”方式である。

 ブローバは世界にミヨタCal.9075の販路を拡げる一助となりうるだろうか? クラシック ウィルトン GMTは、今後数ヵ月から数年のあいだ、ブローバにとって良好なパフォーマンスを発揮する素晴らしい時計になるだろう。43mmというケース径にダイヤルが占めるスペースが大きいため、腕につけると少し大きく感じるかもしれない(外付けベゼルがあれば、同じケース径でも少しは小さくなるものだ)。

 しかし、ブローバには今後もミヨタCal.9075を使った新しいデザインに挑戦してほしいし、ブローバの豊富なアーカイブからインスピレーションを得たモデルも作ってほしいと思う。ブローバの時計は何年にも渡り私の個人的なコレクションを豊かに彩ってきたが、将来的にはまた新しい時計を迎えたいと考えている。特に、このようにエキサイティングで重要なムーブメントを内蔵した時計を。


基本情報

ブランド: ブローバ(Bulova)
モデル: クラシック ウィルトン GMT(Classic Wilton GMT)
リファレンス: 96B385(ブルーダイヤル)、97B210(ゴールドプレートケース)

直径: 43mm (ラグからラグまでの縦幅:約49.5mm)
厚さ: 12.7mm
ケース素材: ステンレススティール、ゴールドプレートステンレススティール
ダイヤルカラー: ブルー、シルバー
インデックス: アプライド、ローマ数字
夜光塗料: 時針、分針、GMT針に塗布
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ブラックレザー(ブルーダイヤル)、ブラウンレザー(ゴールドプレート)


ムーブメント情報

キャリバー: ミヨタ 9075
機能: 時・分表示、センターセコンド、GMT(ローカルジャンピングアワー)、日付表示
直径: 29.2mm
厚さ: 3.9mm
パワーリザーブ: 42時間
巻上げ方式: 自動巻き(手巻き機能付き)
振動数: 2万8800振動/時
石数: 24
その他の機能詳細: ハック機能(秒針停止機能)、ラグ幅22mm


価格 & 発売時期

価格: 96B385は10万100円、97B210は10万2300円(ともに税込)
発売日: 日本は10月発売予定。

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