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我々が知っていること
G-SHOCKによると、2000年代のノスタルジーを取り入れる手法はまだトレンドらしい。それを示すように、G-SHOCKは2008年のオリジナル“クレイジーカラーズ”シリーズへのオマージュとして、ブラック、ピンク、ホワイトのDW-6900をリリースする。このセンチメンタルで回顧的なモデルは、時計とセレブリティカルチャーの交錯に紛れもなく巨大な影響を与えた時計の25周年を記念するものである。DW-6900は1990年代と2000年代を席巻した時計だ。そして、ファッションがその後に時計の世界で流行ること(たいていの場合、かなり後になる)の前触れとなっているとすれば、このクレイジーカラーの時計はまさに2000年代半ばごろのスタイルを見事に復活させたものだと言えるだろう。
新生クレイジーカラーズには非常に光沢が強い3つのパターンが用意されている。そのあまりの輝きに、思わずオリジナルのラインナップの写真を見返してしまった。1999年ごろに所有していたパテントピンクのウェリントンブーツのように見えてしまうほどのコーティングが全体に施されているのか、確認する必要があった。そのとき私は、クレイジーカラーズよりずっと前の曲である『ウップス!...アイ・ディド・イット・アゲイン(原題:Oops !… I Did It Again)』のMVでブリトニー・スピアーズがつけていた赤いPVCのカチューシャを思い出していた......。そして2008年ごろに思いを巡らせ、当時の若者文化を象徴するマイスペース全盛期に、ネオンや80年代的なものに夢中になっていた人々のことを想起した。マンモスサイズの派手な時計も、シャッターシェードをかけたカニエ・ウェスト(Kanye West)も、ファッションがあまり重要視されていなかった10年間に存在したトピックスだ。だからこそ、ピンクと黒のハイグロスという選択肢は非常に理にかなっている。
今回のコレクションの各色は、それぞれの先代モデルへのオマージュとなっている。DW-6900RCS-1JFはブラックにネオンイエローの文字盤。DW-6900RCS-4JFはホットピンクにシルバーの文字盤と、ピンクのデジタル表示。DW-6900RCS-7JFは、クールなクリスプホワイトにブルーの文字盤となっている。このコレクションはベゼルとバンドにバイオマスプラスチックを使用しており、G-SHOCKは今回のリリースで環境に配慮したパッケージも採用している。大量生産の代名詞のようなブランドなのに、こういうところはなかなかクールだ。
我々の考え
ファレルが創設したジュピター(Joopiter)の “サン・オブ・ファラオ(Son of a Pharaoh) “オークションが、DW6900のワイルドな一面への関心を高めるのにひと役買ったことは間違いない。ジェイコブ&コー(Jacob & Co)によってホワイトゴールドとダイヤモンドでフルカスタマイズされたG-SHOCK×ベイプの DW-6900は、7万3000ドル(当時のレートで約1040万円)で落札された。この時計はのちにキム・カーダシアン(Kim Kardashian)も身につけたことがわかっている。
ファレルとストリートウェアカルチャーの巨匠であるNIGO®氏は、ともにG-SHOCKの熱烈なプロモーターである。彼らは、腕時計の合理性、機能性、デジタルな実用性と、ヒップホップジュエリーの華麗な美学を融合させることに全力を注いできた。ダッパー・ダン(Dapper Dan)がハーレムのアトリエでマディソン・アベニューの象徴を再構築したのと同じように、これらの時計はリミックスカルチャーの遺産の一部となった。さらにこの時計は、ヒップホップの装いに常に存在するハイ&ローの美学、つまりバギージーンズとティンバーランドがダイヤモンドのチェーンと自然に調和する世界を表現している。
キッド・カディ(Kid Cudi)は2021年のメットガラでベン・バラー(Ben Baller)によってカスタマイズされたDW-6900を着用していたが、これはNIGO®氏とファレルへのオマージュだったのかもしれない。これらのカスタマイズウォッチのレガシーは、2000年のミュージックビデオに見られたノスタルジーの再現や、ネプチューンズやジェイコブ&コーで彩られたセレブリティの写真で溢れる、2000年代半ばをテーマとしたInstagramの投稿を通じて今も生き続けている。しかし、DW-6900はヒップホップカルチャーの外側でも成功を収めている。ジョン・メイヤー(John Mayer)とエド・シーラン(Ed Sheeran)がDW-6900の限定モデルを制作したことは、今さら言うまでもないだろう。
2000年代初頭は熱狂的なBaby-G信者であり、現在はファレル、NIGO®氏、ジェイコブ&コーのレガシーに取り憑かれているウォッチライターとして、このコレクションは当時の腕時計について誰でもいいから語りたいという私の願望に間違いなく合致している。2000年代をリアルタイムで生きてきたひとりであるが、私は(Z世代と彼らが選んだソーシャルメディアプラットフォームの助けを借りて)2000年代がいまだに“トレンド”であることを強く主張したい。そして、いつの日か来るド派手でビッグな時計の復権を約束しよう。どうか期待していて欲しい。
基本情報
ブランド: G-SHOCK
モデル名: DW-6900
型番: DW6900RCS-1JF、DW6900RCS-4JF、DW6900RCS-7JF
直径: 53.2mm
厚さ: 18.7mm
ケース素材: バイオマスプラスチック
文字盤色: LCD液晶
夜光: 有機EL
防水性能: 200m
ストラップ/ブレスレット: バイオマスプラスチック製バンド
価格 & 発売時期
価格: 1万4300円(税込)
発売時期: 発売中
限定: なし
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