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Hands-On ブレゲ クラシック 7225 —— 業界随一の驚異的なウォッチメイキング技術の結晶

技術と美しいデザインこそがブレゲのすべてであり、それは250年前と同じくらい今日も変わらない。


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最近、誰もが言っていることをあえて言わせてもらうが、ブレゲは今年絶好調だ。ブランドの250周年記念ということもあり素晴らしいタイミングだが、しかるべきところは評価しなければならない。真の時計愛好家にとって、ブレゲの画期的な10Hz(7万2000振動/時)で振動するムーブメントが、より歴史を意識したデザインで復活したことはまさにファンサービスだといえる。ブレゲ初の、マグネティック・ピボットを取り入れたムーブメントが登場してから15年が経過した今でも、それは信じられないほど印象的である。

Breguet Classique 7225

 パリのブレゲ美術館には、クラシック 7225のデザインにインスピレーションを与えた懐中時計が展示されている。これは最初に4分間トゥールビヨンを搭載した4本の時計のうちのひとつであり、ブレゲが販売したトゥールビヨンウォッチとしてはわずか5番目だ。フュゼ・チェーン機構を使用したコンスタントフォース脱進機を特徴としている。

 また、ピストンで作動する計測用スモールセコンドも備えていた。これについてはのちほど説明する。1800年代には精度が最も重要であり、クロノメトリー(精密計時)があらゆるものより優先され、ブレゲは常にその目的の追求において技術的な境界を押し広げていた。同様の時計の例は、主に王族のために1802年から1809年のあいだに作られ、そのうちのひとつはサザビーズのブレゲのテーマ別オークションに出品される予定で、推定価格は35万スイスフランから70万スイスフラン(日本円で約6750万から1億3500万円)だ。

 2016年、ベンは先代モデルのブレゲ クラシック クロノメトリー 7727についてWeek on the Wristで詳しくレビューし、それを高級時計製造における最高にお得な製品のひとつと呼んだ。しかしデザインは率直に言って少し散漫だった。マグネティック・ピボットがダイヤル前面に見えていることと、はるかに場違いな“10Hz”の斜体フォントがなければ、私はその時計を嫌うことはなかっただろう。それはブレゲのようなエレガントなダイヤルよりも、NASCARのボンネットのほうに似合っているように感じる。

Breguet 10Hz

 新しいブレゲ クラシック 7225は同じムーブメントと革新的な技術を継承しつつ、ブランド250周年記念の美学に合わせてデザインを調和させている。それはダイヤルからケースに至るまで、特別で柔らかな“ブレゲゴールド”(ピンクとイエローの中間)を多用することを意味する。しかし明らかに、アップデートは素材だけにとどまらない。

Breguet Classique 7225

 ダイヤルレイアウトは、初期の懐中時計で使用されていたスタイルに戻り、12時から6時までの中心線で分割された左右対称のダイヤルを特徴としている。また、ブランドはオリジナルの懐中時計のトーン・オン・トーンのスタイルに戻った。2時位置には常に動くスモールセコンド針があり、その反対側の10時位置にはフライバック式セコンドカウンターがある。これは厳密にはクロノグラフではなく、“計測”用スモールセコンドと呼ばれるものだ。8時〜10時位置のスライダーで瞬時に機能をリセットして再起動でき、停止することはできないが、経過時間を計測するために使用できる。6時位置にはパワーリザーブインジケーターが見える。しかし、ギヨシェ彫りが上下対称ではないことにも気づくかもしれない。代わりに、分針のリングは下部に向かって重みが付けられている。

 私の数え方ではダイヤルには3種類のギヨシェ彫りがあり、さらに時表示のためのローマ数字チャプターリング、分表示のためのドットチャプターリング、および補助的な秒表示がある。“ケ・ド・ロルロージュ(Quai de l'Horloge)”のメイン表面にあしらわれたギヨシェ彫りは、ケース側面にも続いている(これについては少しあとで詳しく調べる)。ベンは以前のレビュー(6種類のギヨシェパターンと類似した下部加重ダイヤルを持つ時計)でダイヤルのシークレットシグネチャーが少し目立ちすぎると述べていたが、同ブランドはそれを改善し、ダイヤルをより調和させている。“Régulateurà Pivot Magnétique”と読めるダイヤルプレートでさえ、思慮深いタッチのように感じられる。

Breguet Classique 7225
Breguet Classique 7225
Breguet Classique 7225

 ブレゲがダイヤルで10Hz(7万2000振動/時)を強調したのは、意義のあるものを購入したという安心感を必要とする顧客に対して、Cal.574DRによって注意を引くためだった。それは、画期的なムーブメントを特徴とする業界にとって重要な時計だったが、平均的な時計愛好家でさえ理解が及ばないほど複雑なものだ。それを考えると、この時計はそれ自体で存在感を示すべきであり、実際そのとおりである。単に存在感を示すだけでなく、むしろ実際に(付け加えるなら、素早く)動き続けているのだ。

Breguet Classique 7225

 ブレゲの10Hz(あるいは、より印象的に言えば7万2000振動/時)で振動するムーブメントは、現在はCal.74SCであり、技術的な驚異だ。表示のレイアウトを除けば、原理は同じまま。マグネティック・ピボットテンプは、ふたつの軸石受けの上に浮遊するように配置され、ピボット端の最も小さな部分だけが石に触れている。磁場は耐衝撃装置としてテンプを所定の位置に維持するだけでなく、信じられないほど低摩擦の動きを可能にする。フラットなダブルヒゲゼンマイとアンクルはシリコン製で、注油なしで動作し慣性を大幅に減らすことができ、高速振動を可能にする。ガンギ車もシリコン製で、よく見ると、フェナキスティスコープ的なアニメーションによって1775年から2025年へと歯車の形状を変化させているのが見える。見にくいかもしれないが、率直に言ってきわめて創造的だ。

 ムーブメントは、ジュウ渓谷にあるブランドのマニュファクチュールの手彫りの景色で仕上げられている。ただしブレゲの新しい品質と精度の証である、手彫りの青いラッカーを施した様式化されたブレゲのフライング“B”のエンブレムにも気付くはずだ。マグネティック・ピボットの特許の日付は歯車に彫り込まれている。ムーブメントは手巻きで、60時間のパワーリザーブを特徴としている。最も印象的な部分は-1/+3から±1秒にアップグレードされた精度であり、実際には何よりも形式的なものだ。私はブランドのオリジナルの発表時のチャートを見せてもらったが、ムーブメントはその時すでに±1秒の仕様内で動作していた。しかしブレゲはより控えめな引用をすることに決めていた。今回ブレゲは、皆に対して少しだけ力を発揮している。

Breguet Classique 7225
Breguet Classique 7225

マグネティック・ピボット点と、珍しい三角形のサポート形状を持つシリコン製ヒゲゼンマイが見える。

Breguet Classique 7225

新しいムーブメントの脱進機。2025年という年がいくらか見える。

Magnetic piviot

2016年の記事で見たように、これはピボットの磁場を図式化したものだ。

 ケース自体は、私が批判できる唯一のものだ。直径41mm×厚さ10.7mmのブレゲゴールドケースはユニークなスライダーがあるにもかかわらず、信じられないほど快適に装着でき、30mの防水性も誇っている。ラグはわずかに垂れ下がり、ケース側面に手彫りで施したギヨシェ彫りが、それ以外は高度に研磨されたケースに素敵な視覚的な区切りを与えている。これは個人的な好みだが、私はより伝統的なブレゲのエンパイアケース、まっすぐなラグ、そしてフルーテッド加工を施したコインエッジケースバンドのファンだ。

Breguet Classique 7225
Breguet Classique 7225
Breguet Classique 7225

 新作は、ネイビーブルーの大きな鱗のアリゲーターレザーストラップと18K ブレゲゴールドのピンバックルで提供される。これは歴史的な赤いモロッコレザーのブレゲプレゼンテーションボックスに触発された、個別に番号が付けられた赤い革の250周年記念スペシャルエディションを特徴としている。この時計は驚くべきことに、限定版ではない。価格は1261万7000円(税込)で、2016年の最初のリリース時の438万円(税込)から大幅に増加している。しかしこれはブレゲが歴史的に常に主張してきたこと、つまり技術革新、クロノメーター、そして美しさ、それらすべてをひとつのパッケージにまとめ、完璧に表現したモデルであることに疑いの余地はない。

Breguet Classique 7225

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