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Introducing シャネル プルミエール ガロン、ガブリエル・シャネルの自立した精神が宿るウォッチコレクション

シャネルのクチュールコード、ガロンをまとったプルミエール ガロンが登場した。


クイック解説

1987年に誕生したプルミエールは、メゾン初のウォッチコレクションとしてブランドを象徴する存在。香水であるシャネル N°5のボトルストッパーと、パリ・ヴァンドーム広場の形に着想を得た八角形のケースがアイコニックだ。プルミエールをデザインしたのは、当時のアーティスティック・ディレクターであるジャック・エリュ(Jacques Helleu)。当時ウォッチメイキングの世界で主流だったマスキュリンな価値観に対し、革新的で洗練された視点を提示し、驚きをもたらした。

 2013年からはアルノー・シャスタン(Arnaud Chastaingt)氏がシャネル ウォッチメイキング クリエイション スタジオを率い、2022年には“プルミエール エディション オリジナル”として、原点の再発表を行った。そして今回、その伝統を継承しつつ新たな意匠をまとったプルミエール ガロンが誕生した。

1987年の発売当初のプルミエール。Image courtesy of Ad Patina

 本作に与えられた“ガロン”の名は、服飾の縁飾り(ブレード)を意味する仏語に由来。シャネルのスーツでおなじみである編み込みのトリムを、18Kイエローゴールドのツイストバングルに置き換えた解釈が新しい。ブレードは本来、軍服における階級や威厳を示す装飾帯であり、メンズファッションにおいても側章や制服の縁取りに用いられてきた。ガブリエル・シャネルはこのマスキュリンなデザインコードを取り入れ、1950年代にはツイードスーツにブレードを施した新たな女性像を提案。この装飾によってエッジを強調し、ポケットや袖口を彩ることで、独自のスタイルを確立した。ブレードは、実用性を備えたツイードスーツを生み出したガブリエル・シャネルの自由で自立した精神と、メゾンのクチュールの伝統が感じられる、シャネルらしいプルミエールの再解釈と言えよう。

プルミエール ガロン。

シャネル 2025/2026年秋冬。Image: Getty Images

 プルミエール ガロンは3モデルで展開。いずれも八角形ケースとブレードモチーフの18KYGブレスレットを組み合わせ、18Kイエローゴールドの気品をまとう。時・分表示のみのシンプルなダイヤルや、30m防水性能、高精度クォーツムーブメントという構成だ。ブラックラッカーダイヤル仕様のプルミエール ガロンはオニキスカボション付きリューズを配したモデルと、ベゼルやブレスレットにダイヤモンドをあしらったモデルの計2種類。またダイヤル、ブレスレットにダイヤモンドを敷き詰めたプルミエール ガロン ダイヤモンドも用意されている。

 ブラックラッカーダイヤル仕様のプルミエール ガロンは247万5000円、ダイヤモンドベゼルのモデルは453万2000円、そしてダイヤルにダイヤモンドをあしらったプルミエール ガロン ダイヤモンドは930万6000円(すべて税込)だ。


ファースト・インプレッション

私には、いつか必ず手にすると決めている時計がいくつかある。そのひとつが、シャネルのプルミエール リボン。“Male Gaze=男性のまなざし”に満ちた作品が少なくないとされる映像業界に対して、女性の内面に光を当ててきた映画監督兼女優のソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)氏が、2021年に『Vogue』のYouTubeチャンネルでシャネルを語る際にこの時計を着けていた姿を見て以来、プルミエールが心に残って離れない。

 プルミエールはシャネルにおけるファーストウォッチコレクションとして、J12などのモダンラインに対し、シャネルウォッチの源流をなす存在。そこから派生したシリーズ、アイコニック チェーン、リボン、メタル チェーン、そして最新作であるガロンは、いずれも女性のための実用性を追い求めたガブリエル・シャネル、そしてその志を受け継いだとジャック・エリュやアルノー・シャスタン氏のエンパワーメントなムードを醸す。今回シャネルは、ブレードというマスキュリズムの象徴である意匠をプルミエール ガロンに与えることで、その精神は現代のメゾンにも引き継がれていることを示したのだろうか。

 こうしたメゾンの理念、作品から感じられるコッポラ氏の女性への温かなまなざしと私の精神が共鳴したからこそ、当時、彼女のプルミエールが深く心を打ったのかもしれない。いずれにせよ、プルミエール ガロンには、既成概念にしばられないガブリエル・シャネルの精神がいっそう濃く宿っていると感じる。今私がこうして本稿を執筆できることも当たり前ではなかった時代がある。女性の社会参加におけるパイオニアのひとりとしての彼女の存在が、私の心をそっと強くしてくれるようで魅力的だ。そしてかつてあらゆる女性の権利のために戦ってくれた多くの人々へと思いを馳せることもできるのである。

 本作は20世紀初頭、女性を“女性らしいフォルム”から解放し、ファッションに革命を起こしたシャネルらしい1本だと言えるだろう。


基本情報

ブランド: シャネル(Chanel)
モデル名: プルミエール ガロン/プルミエール ガロン ダイヤモンド(Première Galon/Première Galon Diamonds)

幅: 19.7mm
厚さ: 7.5 mm
ラグ・トゥ・ラグ: 15.2mm
ケース素材: 18KYGケース(プルミエール ガロン)/18KYGケースにブリリアントカット ダイヤモンド52個(約0.24ct)
文字盤: ブラックラッカーダイヤル(プルミエール ガロン)/18KYGダイヤルにブリリアントカット ダイヤモンド108個(約0.49ct)と18KYG針(プルミエール ガロン ダイヤモンド)
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: 18KYGリュウズにオニキスカボションブレードモチーフの18KYG ブレスレット(プルミエール ガロン)/ブレードモチーフの18KYGブレスレットにブリリアントカット ダイヤモンド80個(約0.76ct/プルミエール ガロン ダイヤモンド仕様)/ブレードモチーフの18KYGブレスレットとクラスプにブリリアントカットダイヤモンド573個(約4.90ct/プルミエール ガロン ダイヤモンド)
追加情報: 18KYGリューズにオニキスカボション(プルミエール ガロン)/18KYGリューズにブリリアントカット ダイヤモンド1個(プルミエール ガロン ダイヤモンド仕様)/18KYGリューズにブリリアントカット ダイヤモンド1個(約0.04ct/プルミエール ガロン ダイヤモンド)


ムーブメント情報

機能: 時・分表示
駆動方式: 高精度クォーツムーブメント


価格&発売時期

価格: プルミエール ガロンのダイヤモンド仕様は453万2000円/プルミエール ガロンは247万5000円/プルミエール ガロン ダイヤモンドは930万6000円(税込)
発売時期: 2025年10月1日(水)発売開始

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