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Introducing ロンジン スピリット パイロット、よりクラシカルな新ラインが始動(編集部撮り下ろし)

ロンジン スピリットのスタートから5年。よりノスタルジックなデザインとデイリーユースに適したスペックを有する「ロンジン スピリット パイロット」が発表された。この度登場した2モデルのうちひとつは、フライバック クロノグラフモデルだ。

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クイック解説

ロンジンの航空・探検史を現代的に再解釈したコレクション、ロンジン スピリットから、新ラインのロンジン スピリット パイロットがデビューした。今回は、ブランドにとってアイコニックなコンプリケーションのひとつであるフライバック機能付きクロノグラフを搭載したロンジン スピリット パイロット フライバックと、ノンデイトのシンプルな3針モデルであるロンジン スピリット パイロットの2モデルでの展開となる。

 今回のリリースでとりわけ注目すべきは、やはりロンジン スピリット パイロット フライバックだろう。ロンジンのヘリテージにおいて重要な意味を持つフライバック クロノグラフが、2023年にロンジン スピリットコレクションに登場した際は、時計愛好家を中心に大きな話題を呼んだ。その歴史的価値と意義については、同僚の佐藤によるこちらの記事を参照して欲しい。それから2年を経た今年、モデル名にパイロットの言葉を冠し、オリジナルと同じ手巻き式のクロノグラフモデルとして登場した本作には、自然と期待が高まる。

 ロンジン スピリット パイロット フライバックは9時側にスモールセコンド、3時側に30分積算計を備えるバイコンパックスデザインの手巻き式クロノグラフウォッチである。ロンジン スピリット フライバック(自動巻き)が直径42mmに厚さ17mmと大振りで力強いパッケージであったのに対し、本作は直径39.5mmに厚さ13.4mmと特にケースの厚みにおいて大幅なサイズダウンが図られている。マットブラックのダイヤル上にはゴールド色の針とインデックスが配されており、ボックス型のサファイアクリスタル風防と合わせ、従来のロンジン パイロットコレクションと比較してよりクラシカルな雰囲気にまとめられている。なおベゼルには、セラミックのインサートがはめ込まれている。

 すでにロンジン スピリットコレクションを手に取ったことがある人なら気づいているかもしれないが、本作にはダイヤル6時側にあった5つの星が見当たらない。これは、手巻きのフライバックモデルというヘリテージをオマージュしたリリースにあたり、デザインにおいて現代的な解釈よりもルックスを優先させた結果かもしれない。また、3時と9時のサブダイヤルはミニッツトラックに近接しており、バランスとしてはより1930年代〜40年代ごろのヘリテージモデルを思わせるものとなっている。

 搭載されたCal.792.4は、自動巻きのロンジン エクスクルーシブ コラムホイール キャリバーであるCal.L791.4をベースとしている。スケルトンバックからムーブメントを確認するとわかるが、ローターが取り外され、あらわになったブリッジにコート・ド・ジュネーブを施しロンジンの銘が刻まれている。このCal.L791.4の手巻き化によって、ケース厚の削減が実現していることだろう。パワーリザーブは約68時間で、2万8800振動/時で駆動。10気圧防水を備える。

 今回はマイクロアジャスト機能付きのステンレススティールブレス、またはインターチェンジャブル機構、ダブルセーフティ フォールディングクラスプ付きのブラウンレザーストラップ仕様の2種類で展開される。価格は前者が77万7700円で、後者が74万3600円(ともに税込)となっている。

Cal.792.4

 そして、前述のとおり同じタイミングで3針のモデルも登場する。従来のロンジン スピリットの3針モデルを対象として比較すると、ケース径はこれまで40mm径、36mm径の展開であったが、本作はそのあいだをとった39mm径で設定されている。厚さは既存モデルの12.2mmに対し、本作は11.5mmと若干スリムになった。ラグ・トゥ・ラグは47.2mmと、長すぎず短すぎもしないちょうどいいところを押さえている。なお、ロンジン スピリット パイロット フライバック同様に5つ星が文字盤上から消えたことに加え、こちらではデイトも排されている。ダイヤルはマットブラック。インデックス、針もフライバックモデルと同じくギルト風の仕様である。素材こそ違うが、最も雰囲気が近いのはロンジン スピリットのチタンモデルだろうか。並べてみると、こちらの3針モデルにおいてはフライバックと比べてデザイン上の大きなアレンジは入っていないように見える。従来の3針モデルから、もう少しだけクラシックな雰囲気を求めている人にはぴったりのバリエーションになるだろう。

 ムーブメントはL888.4。約72時間のパワーリザーブに2万5200振動/時で駆動する、従来のロンジン スピリットにも搭載されてきた実績のあるものだ。

 ブレスレット/ストラップは3種類が用意されている。ステンレススティール製ブレスレットおよびブラウンレザーはフライバックモデルと同様で、3針モデルにはさらにグリーンのラバーストラップという選択肢もある。価格はブレスレットモデルが42万2400円、レザーストラップが38万8300円、ラバーストラップが37万1800円(以上すべて税込)となっている。ロンジン スピリット パイロット フライバック、ロンジン スピリット パイロットともに発売中だ。

シンプルな造形だがベゼル横、ラグのエッジ部分などにはポリッシュが施され、メリハリのある仕上げ分けにより高級感が生まれている。

テキスタイル調のラバーストラップが最も好みであった。シンプルなミリタリーテイストの顔に対し、特にマッチしている。


ファースト・インプレッション

2023年のロンジン スピリット フライバックから今年の本作へと、ロンジンはヘリテージを志向する熱心なファンにかなり歩み寄ってきている。今回は既存ムーブメントをベースに手巻き化という選択を取り、これにより自動巻きモデルとの価格差を最小限に抑えつつ、フライバック クロノグラフというカテゴリで明確な選択肢を提示したように見える。佐藤も自動巻きモデルのHands-Onで記したとおり、Cal.L791.4はCOSC認定を取得し、操作感にも優れる秀逸なムーブメントである。今回の手巻き式モデルの登場により、同等のスペックを前提に、モダンかクラシックかという嗜好で選べるようになった。

 なお、今回のリリースに際して、実際に手首に乗せて試す機会を得た。特にフライバック クロノグラフは、そのサイズや機能など既存のフライバックモデルからの変更点が多かったので、きちんと触る必要があると思っていた。そして新作を装着してまず感じたのは、実用性の底上げである。直径が40mmを切ったことも効いているが、厚みが3.6mm抑えられたことで重心が下がり、装着バランスは格段に良くなった。本作の小型化は、ゴールド色のインデックスやボックスクリスタルの採用と同様、手巻き化に伴うクラシックデザインの一環だと思われるが、その結果が装着性の向上に直結している。また、手巻き式の時計としての巻き心地も僕の好みだった。チキチキと確実に巻き上げている感触はあるものの、主張は強くなく、わざとらしさがない。実際に装着していた時間は10分にも満たないものだったが、あくまで本作をロンジンがデイリーユースの時計として仕上げているように感じられた点に好感が持てた。

ブレスレットモデル。マイクロアジャスト機構はスムースで扱いやすく、1日のなかでの手首のむくみにも簡単に対応してくれるだろう。僕の個人的な好みであるが、多連ブレスレットも似合いそうだ。

 今回のリリース、なかでもフライバックモデルで示されたのは、ロンジン スピリットにおけるクラシックテイストの提案だ。アイコニックなパイロットウォッチを現代的に解釈するロンジン スピリットは、豊富なアーカイブに着想を得るロンジン ヘリテージとは異なる文脈にある。現代における実用時計であること(価格設定も含む)が前提であり、その点でロンジン スピリット パイロットのラインは、情緒性のある意匠とツールとしての信頼性を高い次元で両立させる存在だ。

 それにしても、ロンジン スピリットコレクションのひとつとしてではなく、スピリット “パイロット”としてわざわざ新たに立ち上げたのだ。今回、最もアイコニックなフライバックモデルを端緒として、ブランドがこれまで積み重ねてきた航空分野にまつわる要素が現代的な観点でプロダクトに落とし込まれることが期待される。ロンジンによる次のアプローチに、早くも期待が高まる。

レザーストラップモデル。使用されている牛革はオイルの含有量が多く、しっとりとしなやかで肌馴染みもいい。傷がついても、少し擦れば馴染んでくれるので長い付き合いが期待できる。

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基本情報

ブランド: ロンジン(Longines)
モデル名: ロンジン スピリット パイロット(Longines Spirit Pilot)
型番:フライバックモデル L3.721.4.53.6(ブレスレット)、L3.721.4.53.2(レザーストラップ)/3針モデル L3.809.4.53.6(ブレスレット)、L3.809.4.53.2(レザーストラップ)、L3.809.4.53.9(グリーンラバーストラップ)

直径: フライバックモデル 39.5mm/3針モデル 39mm
厚さ: フライバックモデル 13.4mm/3針モデル 11.5mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: ブラック
インデックス: アプライド、スーパールミノバ®加工を施したアラビア数字
夜光: スーパールミノバ®
防水性能: 10気圧防水
ストラップ/ブレスレット: マイクロアジャストメント機能付きステンレススティール製ブレスレット、マイクロアジャストメント機能とインターチェンジャブル機能付きブラウンレザーストラップ(フライバックモデル)/マイクロアジャストメント機能付きステンレススティールブレスレット、マイクロアジャストメント機能とインターチェンジャブル機能付きブラウンレザーストラップ、インターチェンジャブル機能付きグリーンラバーストラップ(3針モデル)


ムーブメント情報

キャリバー: L792.4(フライバックモデル)/L888.4(3針モデル)
機構: 時・分表示、スモールセコンド、フライバック機能付きクロノグラフ(フライバックモデル)/時・分表示、センターセコンド(3針モデル)
直径: 13 4分の1リーニュ(フライバックモデル)/11 1/2リーニュ(3針モデル)
パワーリザーブ: 約68時間(フライバックモデル)/約72時間(3針モデル)
巻き上げ方式: 手巻き(フライバックモデル)/自動巻き(3針モデル)
振動数: 2万8800振動/時(フライバックモデル)/2万5200振動/時(3針モデル)
石数: 23石(フライバックモデル)/21石(3針モデル)
クロノメーター認定: COSCクロノメーター公式認定


価格 & 発売時期

価格: フライバックモデル 77万7700円(ブレスレット)、74万3600円(レザーストラップ)/3針モデル 42万2400円(ブレスレット)、38万8300円(レザーストラップ)、37万1800円(グリーンラバーストラップ)
発売時期: 2025年10月4日(土)
限定:なし

詳細は、こちらをクリック

Photographs by Yusuke Mutagami