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我々が知っていること
現代のオリスファンに“最も重要なモデルは?”と尋ねても、ブランドの運命を変えたその1本を思い出せる人は多くないかもしれない。今回オリスはその歴史を改めて提示し、新時代の幕開けが1966年にあったことを思い出させる。その時計こそオリス スターであり、長らく停滞していた同ブランドにとって初のレバー脱進機を搭載したモデルだった。そして60年の時を経て、オリス スターが再び登場する。
ご存じのとおり、スイスレバー脱進機は、現在の機械式時計のほぼすべてを支える中核的存在である。しかし、もしその機構が業界の大半にとって使用できないものだったとしたらどうだろうか。
1934年3月12日に制定されたスイス時計法は、反競争的行為への対抗措置として導入されたが、その結果、各ブランドはたとえ他社がすでに採用している技術であっても、自社にとって新規である場合には導入が認められなかった。そのため、オリスを含む多くのブランドはピンレバー(ロスコフ)脱進機の使用を余儀なくされていた。
そこで登場するのが、2022年に詳しく取り上げたロルフ・ポートマン博士だ。弁護士であった彼は、父が勤めていたオリスに入社し、本社のあるヘルシュタインに戻り、スイス政府を相手にこの法律の撤廃を目指して闘い続けた。そして勝利を収めると、その翌年にオリス スターが市場に投入されたのだ。今回の再登場は、新たな基準を掲げ、その勝利から60年を記念するものである。
本作はヴィンテージらしいサイズ感であり、ステンレススティール製のケースは直径35mm×厚さ11.1mm、ラグ・トゥ・ラグは41.5mmだ。コレクターに“Star Twen(スター トゥエン)”として知られるオリジナルも、同じく35mm径だった。シルバーダイヤル(アプライドインデックスとファセット加工されたインデックス、日付表示窓、クロスハッチ模様のセクターダイヤルを備える)が踏襲されているが、新作では当然ながらムーブメントが更新されている。内部にはセリタSW200をベースとした自動巻きムーブメント、オリス製Cal.733を搭載し、パワーリザーブは41時間、防水性能は50m。サンバースト仕上げのダイヤルと面取りされた傾斜のあるエッジが特徴だ。
オリス スター エディションは2026年5月より発売予定で、価格は36万3000円(税込)だ。
我々の考え
時計ライターとしてのキャリアのなかでも、特に印象深い出来事のひとつが、初めてスイスを訪れた際にロルフ・ポートマン博士に会ったことだった。私は、オリスがその故郷にとっていかに重要な存在であるかを書いたが、滞在中のある日、博士は本社を訪れてインタビューに応じてくれた。当時92歳(もうすぐ93歳)だった彼は、誰にも迷惑をかけたくないと自宅からバスに乗り、そこから歩いてやって来た。そしてその後、ブランドの新作を見るためにしばらく滞在を延ばしたのだった。
2022年、スイス・ヘルシュタインのブランド本社で撮影された、オリス名誉会長ロルフ・ポートマン博士。
私は素晴らしいストーリーに惹かれる。そしてそうしたストーリーとの個人的な結びつきがあるからこそ、時計が大好きなのだ。ポートマン博士と過ごしたあの時間は決して忘れないし、彼がスイスのウォッチメイキングの歴史に与えた影響の大きさは過小評価できない。もしクォーツショックで業界が壊滅的な打撃を受けていたなかで、時計メーカーがさらに10年間も不利な状況に置かれていたとしたら、どうなっていただろうか。本作は、初代オリス スターへの素晴らしいオマージュであり、サイズにこだわる人にとっては小さすぎるかもしれないが、オリジナルのヴィンテージモデルより高い信頼性と防水性を備えたものを求めるヴィンテージ志向の層にとっては、好評を博すだろう。
基本情報
ブランド: オリス(Oris)
モデル名: スター エディション(Star Edition)
型番: 733 7813 4151-07 5 17 02
直径: 35mm
ラグ・トゥ・ラグ: 41.5mm
厚さ: 11.1mm
ケース素材: マルチピース構造のステンレススティール
文字盤色: シルバートーン
インデックス: アプライド
夜光: 針とインデックスにスーパールミノバ®
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: ブラックレザーストラップ、ピンバックル付き
ムーブメント情報
キャリバー: オリス 733
機能: 時・分表示、センターセコンド、日付表示、瞬時日送り、日付修正、ファインタイムチューニング、ストップセコンド機能
直径: 25.6mm
厚さ: 4.6mm
パワーリザーブ:
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時(4Hz)
石数: 26
クロノメーター認定: なし
価格&発売時期
価格: 36万3000円(税込)
発売: 2026年5月
限定: なし
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