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もし、時計に自分を合わせるのではなく、時計を作らせる男がいるとしたら、それはイアン・フレミングが描いた冒険好きなジェームズ・ボンドしかないだろう。ボンドの腕には、いつでも特別な1本がある。このイギリスのスパイが上質な時計を好むのはフレミング自身の非の打ちどころのない趣味を反映している。彼はボンド小説の執筆時にロレックスのエクスプローラー 1016を着用していたのだから。
先日公開された『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、ボンドは最新のオメガ(発音はO-mee-ga)を身につけており、新しいチタン製のシーマスター ダイバー 300Mが登場する。ボンドといえばオメガのイメージが強いが、ボンドが身につけた時計はオメガだけでない。刻々と変化するエキゾチックな場所や美しい女性たちと同じように、ボンドもまた、さまざまな時計を好む傾向がある。
この週末は、ジェームズ・ボンドの時計が持つ長年の遺産を探ってみよう。ショーン・コネリーのスリムなロレックス サブマリーナ 6538から、ガイガーカウンターを搭載した特別仕様のブライトリング トップタイム クロノグラフ、そしてボンドにとって初めてのセイコーであり、 として広く認められているセイコー M354 メモリーバンクカレンダーまで、ボンドウオッチの数々をご紹介する。
ボンドとテクノロジー、そして時計との関係は複雑だ。一方で、テクノロジーは任務に不可欠であり、ボンドが常にピンチから抜け出すのに役立つ。しばしば時計の技術的機能にも助けられるが、言うまでもなくボンドシリーズで中心となる対立構図は、悪役が地球規模でテクノロジーを利用して人類の滅亡をもたらそうとすることのようだ。
しかし、ボンドにはもうひとつの顔がある。キャブレター付きのDB-5に乗り、趣味の良い機械式時計を身につけ、秘密情報部Q課の創造物を古き良き時代のウィットと決断力に置き換えているという面だ。映画『007/スカイフォール』でボンドは、伝統的なカミソリで髭を剃っていることをイヴに指摘されて、「まあ、昔ながらのやり方が好きなんだ」と答えている。
そしてHODINKEE周辺では、我々もそうだ。ジェームズ・ボンド ウィークエンドへようこそ。我々はボンドと彼の時計にまつわる長年のお気に入りのストーリーを再訪し、週明けにはボンドをテーマにした特別な「Watch of the Week」で締めくくろうと思う。
“クリスマスは1年に1度だけだと思っていた。”
– –ジェームズ・ボンド,映画『ワールド・イズ・ノット・イナフ』
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