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Hero Image by Kyosuke Sato
クイック解説
新生キングセイコー第3の柱を担うVANACに、ケースとブレスレットにチタンを採用した新作3モデルが加わった。本作においても、かつて鮮やかなカラーリングと大胆な多面形状で異彩を放った、1972年に誕生したオリジナルVANACの精神を継承しつつ、現代的な解釈で再構築された点が特徴である。
既存モデル同様、新作もデザインコンセプトは、東京に広がる地平線の情景をケースとブレスレットの造形に落とし込んだ“Tokyo Horizon”をテーマとしているが、チタンモデルのダイヤルデザインは、地平線まで広がる東京の都市景観、そして都会に脈打つように張り巡らされた高速道路のスピード感にインスピレーションを得た。中央から放射状に広がるパターンと水平ストライプパターンを組み合わせることで、高速道路を駆け抜け、広大な地平線へと向かう際に感じる躍動感や疾走感を表現しているという。
そのダイヤルカラーもドライバーの目に映る情景に着想を得たものだといい、薄明の地平線を表現したパープル、無機質で都会的な高速道路の構造美をイメージしたグレー、そして夜の東京をクルマで駆け抜ける疾走感を表したブラックの3色が用意された。
ケース径は41mm、厚さは14.3mm。防水性は日常生活用強化防水(10気圧)であり、基本スペックは既存のSSモデルと同じだ。また、ムーブメントには自動巻きCal.8L45を搭載。日差+10秒〜−5秒の安定した精度と約72時間のパワーリザーブを誇り、優れた堅牢性も提供する。さらに回転錘や受けに施された波目模様をシースルーバックから鑑賞できる点など、これもSSモデルと変わらない。
Photo by Kyosuke Sato
最大の特徴は、やはりケースはもちろんのこと、ブレスレットに至るまで外装に純チタンを採用した点である。これにより、ステンレススティールに比べて約40%の軽量化を実現。一方でチタンという磨くのが難しい素材でありながらも、広範囲に施されたポリッシュ仕上げ、そしてアクセントとなるヘアライン仕上げを組み合わせ、軽やかな装着感とともに力強い輝きも演出している。なお、ブレスレットのバックルにはワンプッシュ三つ折れ方式を採用し、着脱のしやすさと確実な装着感を両立させた。発売日は7月10日(金)の予定で、価格は各47万3000円(税込)。限定モデルではなく、すべてレギュラーコレクションだ。
ファースト・インプレッション
Photo by Kyosuke Sato
“これは既存のSSブレスレットモデルの新バリエーションだろうか?” これが新作を初めて見た瞬間の感想だった。決してけなしているわけではない。これは褒め言葉だ。じっくり見るとSSモデルとは色味や質感が異なるためチタンモデルであるとわかるのだが、そう感じるほど、本作の仕上げや手にした時の感触が卓越していたのだ。
一般的にチタンは美しい鏡面を与えるのが難しい素材だ。それゆえ、コストがかけられる高級モデルを除いて、チタンウォッチの多くはケースの装飾的な仕上げを減らそうとするため、単調なケースフォルムに素材そのもののマットな質感を活かしたものが多い。しかし本作はSSモデル同様、ケースサイドからラグにかけて複雑な面構成を持ち、ケースの多面体形状を生かす平滑なポリッシュと繊細なヘアライン仕上げが施されている。そしてチタンモデルにおいてもシャープなエッジは光の当たり方によってダイナミックな陰影を生み出し、手首の上で立体的な存在感を放つ。
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そして最も感心したのは、“軽すぎない”というところだ。チタンはSSに比べて軽量だ。特にケースからブレスレットまでチタンを使用している場合、その軽量感はより顕著となる。もちろん、軽量であることは着け心地を軽快にするメリットとなるものの、反面、軽すぎることがチープに感じられる場合がある。VANACのケース設計において最も際立っているのは従来のベゼル(ガラス縁)を排した独自のベゼルレス構造だ。これによって、金属の塊から削り出したような力強くそしてモダンな造形を与えつつも、このケースの魅力を損なうことのない絶妙な重量感をチタンモデルでは維持している。ちなみに、数値としてはSSモデルが192g、新作のチタンモデルが約128g(※編集部調べ)。SSモデルよりも軽量化してはいるものの、腕に着けた時の適度な重量感は心地良いものに感じられた。
なお、VANACでは1970年代のサイケデリックな雰囲気と、現代の都会的なエレガンスを高い次元で融合したパープルダイヤルがラインナップの顔としてフォーカスされている。新作のチタンモデルでもパープルダイヤルが発表されたが、個人的に最も目を引いたのはブラックダイヤルだ。ホワイトやシルバーに並ぶ定番カラーだが、SSモデルのVANACではこれまで設定がなく、チタンモデルでようやくブラックダイヤルがラインナップに加わることとなった。その登場を待ち望んでいた人は結構多いのではないだろうか? もちろん、どれも魅力的なダイヤルに仕上がっているが、今のところチタンモデルだけの設定となるブラックダイヤルは注目しておくべきだ。
基本情報
ブランド: キングセイコー(KING SEIKO)
モデル名: VANAC フルチタンモデル
型番:HKF001J(パープル)、HKF002J(グレー)、HKF003J(ブラック)
直径: 41mm
厚さ: 14.3mm
ケース素材: チタン
文字盤色: パープル(HKF001J)、グレー(HKF002J)、ブラック(HKF003J)
インデックス: アプライド
夜光: あり。時・分針とアプライドインデックスにルミブライト
防水性能: 10気圧(日常生活用強化防水)
ストラップ/ブレスレット:チタン製ブレスレット、ワンプッシュ三つ折れ方式バックル
ムーブメント情報
キャリバー: 8L45
機能: 時分表示、センターセコンド、3時位置に日付表示
直径: 28.4mm
厚さ: 6mm
パワーリザーブ: 約72時間
巻き上げ方式: 自動巻き(手巻付き)
振動数: 2万8800振動/時(8振動/秒)
石数: 35
クロノメーター: なし(ただし、日差+10秒~-5秒の高精度)
追加情報: 回転錘や受けに美しい波目模様の装飾
価格&発売時期
価格: すべて47万3000円(税込)
発売時期: 2026年7月10日(金)
限定: なし。通常コレクション
詳細は、キングセイコー公式サイト、およびVANACチタンモデル特設ページをクリック。
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