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Historical Perspectives オメガ スピードマスター Ref.2915-1 、ブロードアローハンド、スティール製ベゼル、トロピカルダイヤルを備えた第1世代モデルを発見

初期のスピードマスターを探し求めるなかで見つけた、真に希少なモデルを紹介しよう。

本稿は2013年9月に執筆された本国版の翻訳です。

私は初期の個体を見つけることに異常な執着を持っている。私が手に入れた本当に素晴らしい最初の時計は1972年のロイヤル オーク Aシリーズ Ref.5402で、その特別な時計を時計趣味の早期の段階で見つけたこと(それは最初の200本のロイヤル オークのうちの1本である)によって、私はある種の病気にかかったようだ。以前ロレックスの初代コスモグラフ デイトナについて語ったことがあるが、今日はまた別の、クロノグラフにおける絶対的なアイコンのひとつであるオメガ スピードマスターについて簡潔に紹介したい。

 私は初期のスピードマスターを探し求めるなかで、この特別な時計を見つけた。これはRef.2915だが、今回の議論において特に重要なのはそのなかでもRef.2915-1にあたる個体だということだ。これは最初の、あるいは初期に作られたスピードマスターのひとつであることを意味する。似たような外観や特徴を持つRef.2915-2やRef.2915-3もあるが、この時計はRef.2915-1であり、それだけでもかなりクールだ。

 初期のスピードマスターで最も目を引くポイントは、大きな矢印の形をしたブロードアローハンドだ。オメガはこのディテールを復刻モデルにも採用している(ただし、以前に話したスピードマスター'57には不思議なことに採用されていない)。この針がのちのものより機能的か美的かという点については議論があるが、それは重要ではない。重要なのは、もしあなたがスピードマスター Ref.2915-1を買うならこれらの針が必須であるということだ。

 次に目に留まるのはRef.2915に特徴的なSS製タキメーターベゼルだ。計測の基準は1000mで、300km/時まで目盛りが刻まれていることがわかる。のちのスピードマスター Ref.2915-3は、Ref.2998に見られるような黒いアルミニウム製のベゼルを備えている場合もある(それは本当に過渡期のモデルだったのだ)が、Ref.2915-1とRef.2915-2にはこのSS製ベゼルが必須である。見た目の面ではのちの黒いベゼルを好む人が多いが、オリジナルのSS製ベゼルを備えたRef.2915-1は見つけること自体が難しい。この時計はもちろんそのベゼルが健在だ。

 初期のスピードマスターのダイヤルには、それが60年代以降の交換品ではなく1950年代のオリジナルであることを示す特徴がいくつかある。まあ、それについてはまた別の機会に説明しよう。このRef.2915-1のダイヤルは確かにオリジナルであり、驚くほどに素晴らしいブラウンの色合いに変化している。光の当たり方によって、見るたびに少しずつ違って見えるのがまた魅力的だ。元は真っ黒であったことを覚えておいて欲しい。

 この時計の裏側には“SPEEDMASTER”とオリジナルの署名が刻印されたケースバックがあり、中央にはヒッポカムポス(海馬)のエンブレムがない。

 ケースバックの内部には、もちろんインナーケースにレマニア2310キャリバーが収められている。これはオメガがいうところのCal.321として知られているムーブメントだ。これは史上最高のクロノグラフムーブメントのひとつであり、オメガの仕上げがパテックやヴァシュロンで見られるレベルには及ばないとはいえ、そのシンプルな構造は際立って優れている。

 ケースバックの内側には極めて重要な“2915-1”の刻印があり、この時計がどれほど希少な初期の個体であるかを裏付けている。 

 オメガ スピードマスターのRef.2915は極めて希少だ。間違いなく。販売されているものを探してみるといいが、見つからない(少なくともすべてオリジナルの状態のものは…)。私としてはこれは購入できるなかで最もレアなクロノグラフのひとつであり、ポール・ニューマン デイトナのようなものよりもはるかに珍しいと考えている。それどころか、驚異的なダブルスイス アンダーライン コスモグラフよりも希少かもしれない。価格もほぼ同じくらいだろう。

 もちろんこの個体をとりわけ特別なものとしているのは、ブラウンのトロピカルダイヤルだ。これを追い求める人もいれば、嫌う人もいる。私はケースバイケースだ。美しく経年変化したトロピカルダイヤルもあれば、ただただクレイジーなものもある。このスピードマスターは、極めて控えめな意見だがどちらのカテゴリーにも当てはまらない。このブラウンは非常に均一で、まるでダイヤルが元々ブラウンで作られたかのように見える。私にとっては、すでに驚くほどクールな時計にさらにもうひとつの魅力的な要素を加えているに過ぎない。このブラウンは私の好みではないが、もしかしたらあなたは気にいるかもしれない。

 さて、初期オメガ スピードマスターを求める私の旅は続いているが、今回はこの道中で見つけた非常にクールな例を共有したいと思ったのだ。この時計は偶然にもSheartimeのアンドリュー・シア(Andrew Shear)氏の所有物であり(記事執筆当時)、彼に連絡すれば売ってくれるかもしれないと信じている。

 私自身のRef.2915探しの旅については今後も報告していくつもりだし、この非常に希少な初期のオメガ スピードマスターについてさらに詳細なレビューをお届けするつもりだ。