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※本記事は2013年10月に執筆された本国版の翻訳です。
本日、僕らは皆さんに素敵な逸品をご用意しています。とてつもなくレアなパテック フィリップのスプリットセコンド クロノグラフです。リファレンスは1563。知られている限りではこの世に3本しかなく、その中で最も有名なのはかつてデューク・エリントンが所有し、現在はジュネーブのパテック フィリップ・ミュージアムにある1本です。この1563は、他の2本と比べて際立った特徴ももっており、それによって値段が吊り上がっています。もしご存じなければ、これから僕が喜んでご説明します。
Ref.1563は、一般的なRef.1463 クロノグラフのレアなバリエーションです。どちらも同じ防水スクリューバックケース(こちらは18Kイエローゴールド製)、同じ13リーニュキャリバーをベースにもち、ラウンドプッシャーをそれぞれ搭載していますが、1563の方は、クロノグラフにスプリットセコンド機構が追加されています。1563は現在3本しか存在が確認されておらず、このことが希少なパテックのクロノグラフであることの理由となっています。
姉妹モデルとは異なりますが、夜光付きのブレゲ数字とソード針という非常に珍しい2つの特徴がこのモデルを際立たせています。通常、パテック フィリップでは、SS製の1463にブレゲ数字を採用しますが、ゴールド製1463のダイヤルについては、12時と6時の部分に数字を、他はショートバトンのアワーマーカーを配していました。ラジウムは深い錆色に変化し、クリーンなダイヤルに対して際立っています。パテック フィリップのアーカイブによれば、実際にこれがオリジナルダイヤルであり、夜光付きのブレゲ数字が正式なものだと確認されています。
ほかにも、アーカイブ情報によって正式なものと確認されたもう1つの特異な点は、裏蓋の内部にあります。そこには1563ではなく、1463と記されています。裏蓋の外側には、“L. Estée”と“S.G.H.”の署名が見えます。どちらもも、以前のオーナーを示唆する刻印とされているものです。
エングレービングされたプッシャー、カーブしたラグ、そしてクロノグラフの秒針のアシンメトリーなカウンターウェイトといった、小さく美しいディテールがこの時計の魅力を高めています。この腕時計はもともと1950年6月30日に販売されたものですが、製造されたのは1947年です。3年間も持ち主がいなかったというのは、信じがたいことですね。
このパテック フィリップのRef.1563の推定落札価格は85万~150万ドル(約8840万〜約1億5560万円)。クリスティーズ・ジュネーブにおける11月11日のImportant Watchesオークションでのロットナンバーは193です。公式目録については、こちらをご覧ください。
※なお、この時計は144万5000スイスフラン(約1億6895万円)で落札されました。