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※本記事は2013年12月に執筆された本国版の翻訳です。
F.P.ジュルヌの熱狂的ファンたちの絶大な支持を受けているクロノメーター・レゾナンス。2000年に発表されたこのモデルは、F.P.ジュルヌ第2の量産モデルでした。オリジナルは2003年に製造終了となり、2010年のアニバーサリーに新モデルを発表。しかし今回ご紹介するのはそのどちらでもない、特別なレゾナンスです。2005年、東京のF.P.ジュルヌブティック2周年を記念し作られたこのレゾナンスは、12本のみ製造されました。チタン製で、ピンクゴールドのアクセントと針が特徴の、特別な時計の撮り下ろしをお見逃しなく。
クロノメーター・レゾナンスの基本的な構造について詳しくは解説しませんが、要するにCal.1499では2つのテンプが互いに共振し、より正確に時間を刻み、狂わないようになっています。2つのホイールは極めて近く設置されているため、互いの動きが影響を与え合い、どちらかがほんの少しでも狂うと、もう片方が正しいレートに引き戻します。少し単純化しすぎな説明ですが、これは非常に複雑な現象であり、議論が分かれるところなのです。
ともかく、ここにあるのは非常に特別なクロノメーター・レゾナンスです。ニューヨークを訪れたあるコレクターがこのレゾナンス を見せてくれました。これは東京にある世界で最初のF.P.ジュルヌブティックの2周年を記念して製作されたものです。わずか12本しか製造されておらず、またジュルヌのコレクターがなかなか手放さないこともあり、見つけ出すのは極めて困難です。このコレクターは何年もかけて本品を探し出したと話してくれました。
ケースはチタン製で、2つのリューズ、針、ダイアル上のネジは全てピンクゴールド。クロノメーター・レゾナンスの他のモデルはいずれも貴金属製でしたが、チタンも大いにアリです。レッドゴールドのムーブメントを搭載しているものの、このレゾナンスはとても軽い着け心地で、40mmのケースサイズも機能的。針は鏡面加工されているので、特定の角度でしかゴールドに見えず、華美さが抑えられています。
2つの文字盤が同じ時間にセットされているのにお気づきかもしれません。これを用いて異なるタイムゾーンを表示する人もいますが、このコレクターの方は同じにすることに意味があるといいます。クロノメーター・レゾナンスでは2つのレギュレーターが互いを助け合って正確な時間を刻んでいるため、彼は同じ時間を表示することがこの腕時計のミッションをより純粋に表現できると考えているそうです。
この腕時計には傷がありますが、それは普段から着用され、鑑賞されているからです。腕時計とはそうあるべきだと僕は思います。
その他詳細は、F.P.ジュルヌ公式サイトへ。