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2022年8月29日(月)から9月1日(木)まで、スイスの文化的中心地にてジュネーブ・ウォッチ・デイズが開催された。HODINKEEでは今後何日かかけて、ブルガリ、MB&F、オリス、ウルベルクそのほかのブランドのトップリリースのすべてを詳細に取り扱っていく。
我々が知っていること
オリスはスイスで開催されたジュネーブ・ウォッチ・デイズの新作の一環として、とても素敵なツールウォッチを発表。この新作はメインコレクションであるダイバーズ65の一部で、自社設計のキャリバー400を搭載し、ベゼルには12個のアワーマーカーが付いた意外なフォーマットとなっている。
信じられないかもしれないが、発表されたモデルはキャリバー400を搭載したダイバーズ65のなかで、通常生産が開始された最初のモデルである。オリスは当初、この新しいムーブメントをアクイス デイトシリーズにのみ搭載していたが、昨年のダイバーズ65 キャリバー400 リミテッドエディション for HODINKEEを含む、ダイバーズシックスティファイブとビッグクラウンポインターデイトの限定モデルに徐々に同ムーブメントが搭載されるようになった。
ステンレススティール製のダイバーズ65 キャリバー400 12Hは、先日のコラボレーションモデルよりも若干大きめのサイズ(38mm×12.6mmに対して40mm×12.8mm)だが、特定の数に限定されないメインライン生産のリリースとなる。12時間ベゼルの選択は、ベンラス タイプIやホイヤー オータビア ref.2446などのヴィンテージ ツールウォッチを想起させる説得力と、高い機能性を備えている。12時間ベゼルは経験上ダイバーズベゼルではないが、GMTやワールドタイムのコンプリケーションを必要とせず、セカンドタイムゾーンを追跡するための控えめで便利な方法として有効なものだ。
120クリックのブラックのアルミニウム製ベゼルインサートは双方向に回転するため、現在いるタイムゾーン以外を選択し、ベゼル上のゼロマーカーをその差に合わせるだけでいいため、リューズを引き出して時刻を調整する必要はないのだ。例えば、私は今、スイスのジュネーブ・ウォッチ・デイズに滞在しているが、ニューヨークの同僚より6時間遅れている。ベゼルを12時位置から60クリックし、文字盤の6時位置と一致させる。そうすると、時針と分針の位置が文字盤のアワーマーカーに対応しているため、スイスの現地時刻がわかり、さらに時針と分針の位置がベゼルの位置に対応していることで、ニューヨークの時刻がわかるようになるのだ。なかなかのものでしょう?
ベゼル以外では、最新のダイバーズ65はシンプルなマットブラックダイヤル、ホワイトスーパールミノバで塗られたアプライドインデックス、そして6時位置にはカラーマッチした日付表示を備えており、そのスタイリングは極めてシンプル。ブラックレザーストラップ(46万2000円)、3連のステンレススティールブレスレット(48万4000円、どちらも税込価格)から好みのものを選べる。
我々が想うこと
キャリバー400がオリスのカタログに掲載されるようになってから約2年、あなたはそれを信じることができるだろうか?
2020年10月の自社設計ムーブメントの導入は、オリスにとって大きなできごとであり、スイスの時計メーカーを高度な技術を追求する時計製造を新たな領域へと押し上げるものだった。数十年にわたり、主にETAやセリタから調達したエボーシュムーブメントに頼ってきたオリスにとって、キャリバー400は会社の未来への大きな投資となった。
私は個人的に大ファンだ。複数のHODINKEEの同僚が、私をキャリバー400の伝道師と表現するくらいである。ETA、セリタ、ケニッシ、ラ・ジュー・ペレなどの類似ムーブメントよりも、優れた設計と技術的な面白さ、そして価値ある提案だと思うのだ。120時間のパワーリザーブ、シリコン製のガンギ車とアンクル、耐磁性、10年保証と10年間のメンテナンス期間の推奨など、スペックがそれを物語っている。
発売されたばかりのキャリバー、特に新しい構造を持つキャリバーにはつきものだが、私の理解では、それらはすべて解決されたとのこと。参考までに、私が所有するダイバーズ65 キャリバー400 リミテッドエディション for HODINKEEは、1年以上経過しているが、一度も不具合は発生していない。
そして、昨年のHODINKEEとのコラボレーションと同様に、今回の新作のオフビートなベゼルフォーマットに引かれた。私はすでにカウントダウンベゼルの熱烈な支持者であることは述べたが、12時間表示のフォーマットもずっと好きなものだ。カウントダウンベゼルは最近でも十分珍しいのだが、12時間ベゼルはさらに珍しいかもしれない。ダマスコやジンがかなり頻繁に使っているのは知っているし、タグ・ホイヤーが2017年のオータヴィアのリニューアルで復活させたのは有名な話だ。また、ニバダ・グレンヒェンやオレヒ & ヴァイズなど、最近のヴィンテージブランドの復活でも、このデザインを呼び寄せて大成功を収めている。他にもいくつか例があるかもしれないが、現時点では本当にかなり限定されたものだけであり、オリスが実験に前向きなのは嬉しいですね。
また、コレクション名に“ダイバーズ”を冠していながら、新しい12時間モデルは逆回転防止ベゼルを備えていないため、本格的なダイビングには使用できないことも特に気にはならない(100m防水であることは言うまでもない)。私はこれまで、ダイバーズ65を純粋にプロフェッショナルなダイバーズウォッチと考えたことはない。結局、本当に必要ならアクイスのラインナップを使えばいいのだから。個人的な意見だが、ダイバーズ65はオリスが1960年代半ばに発表したオリス スターコレクションをプラットフォームとして、ヴィンテージツールウォッチのデザインを探求したものだと思う。
その観点からすると、今日のリリースに欠点を見いだすのは難しい。ブラックダイヤルとホワイトインデックスのコントラストは秀逸だ。内部のムーブメントは勝者である。そして、セカンドタイムゾーン表示や長時間の経過時間を記録するために使用できるマルチファンクションベゼルの形式を備えている。
オリスが徐々に高級化していること、そしてそれが長年の愛用者を遠ざける可能性があることについてお話したが(詳しくは記事「時計メーカーの新興ミドルレンジを理解する」参照)、私はこのような時計はブランドの真の成長と成熟を表していると考えている。ダイバーズ65 キャリバー400 12Hは、オリスの歴史に忠実な認知度の高いデザインをアップデートしつつ、多くの改良と特徴を備えているのである。
私はというと、ダイバーズ65 キャリバー 400 リミテッドエディション for HODINKEEを使い続けようと思っている。少し小さめのケースと日付のない文字盤が気に入っているのだが、それでも今日発表されたモデルは、私の目を少しそちらに向かわせてしまったようだ。
基本情報
ブランド: オリス(Oris)
モデル名: ダイバーズ65 12H キャリバー400(Divers Sixty-Five 12H Caliber 400)
型番: 01 400 7772 4054-07 5 20 82; 01 400 7772 4054-07 8 20 18
直径: 40mm (全長: 48mm)
厚さ: 12.8mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: ブラック
インデックス: アプライド
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 100 m
ストラップ/ブレスレット: ブラックレザーストラップ、ステンレススティール製バックル、またはマルチピースステンレススティールブレスレット、フォールディングクラスプ付き
ムーブメント情報
キャリバー: キャリバー 400
機能: 時、分、秒、日付、12時間両方向回転ベゼル
直径: 30mm
厚さ: 4.75mm
パワーリザーブ: 120時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 4 Hz / 2万8800振動/時
石数: 24
クロノメーター認定: N/A
価格 & 発売時期
価格: レザーストラップ 46万2000円、ブレスレット48万4000円(すべて税込)
限定: なし
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