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クイック解説
一部の例外を除いて、機械式時計は長持ちするように作られているが、未だに真新しい原材料を使って作られることが多い。今回、パネライは、重量比で98.6%のリサイクル素材を使用したサブマーシブル eLAB-IDで大きなブレークスルーを実現した。パネライは、サスティナブルな時計製造の手法を時計業界に適用するべく、本モデルの開発・製造に協力したサプライヤーたちのリストも同時に発表。パネライは、この時計を「これまでに製造された時計の中で、リサイクル素材の使用率が最も高い時計」と表現している。
サブマーシブル eLAB-IDは、ケース、サンドイッチダイヤル、ムーブメントのブリッジなど、多くの部分に「エコチタン」という素材を使用。このリサイクルチタン合金は、80%以上の純粋なリサイクル素材を使用した、軽量で航空宇宙グレードの金属である。また、サブマーシブル eLAB-IDは、文字盤と針に100%リサイクルされたスーパールミノバを、脱進機に100%リサイクルのシリコンを使用した初めての時計でもあり、ゴールドの針やサファイアクリスタル風防にもリサイクル素材が使用されている。
パネライは、このような徹底したリサイクル素材のウォッチを製造するため、新たなサプライチェーンを構築する必要があった。サプライヤーを公開することで、他の時計メーカーにも追随してもらい、サスティナブルな時計製造という取り組み自体の効果を倍増させる狙いだ。ここに掲載されている1本は、2022年に30本の限定版として発売される予定のコンセプトウォッチである。
ファースト・インプレッション
サスティナビリティ(持続可能性)は、特に若い消費者にとって(そして、地球にとっても)重要であり、ブランドはますます責任ある製品作りを目指している。パネライは、この分野でのイノベーションを推進するために、「パネライ・エコロジコ」という取り組みを行っている。このサブマーシブル eLAB-IDも、もちろんその一環だ。
何よりも素晴らしいのは、その構造に妥協が明らかに見られないことである。本機は、航空宇宙グレードのチタンをケースとダイヤルに採用した直径44mのサブマーシブルであり、視認性の高いサンドイッチダイヤルを備え、300m防水を確保している。
この時計を30本作ったところで世界が変わるわけではないが、サプライヤーを公開することでそうなる可能性はある。パネライは、自分たちの時計の未来だけでなく、他ブランドにも青写真を提供しているわけだ。これは、スケールする必要のあるアイデアだと思う。
注目すべきは、パネライがこのサブマーシブル eLAB-IDと同時に、より商業的な発表も行ったこと。ルミノール eSteel(500本限定の3モデル)については、記事「パネライ ルミノールマリーナ eSteel」をご覧ください。
サプライヤー一覧: Sil'tronix ST (リサイクルシリコン), Sigatech (シリコンについての専門性), Eramet subsidiary Aubert & Duval (エコチタン), Pro Cadrans (リサイクルダイヤル), Monyco (スーパールミノバの塗布とリサイクルのための素材回収), RC Tritec (蓄光顔料), Novo Cristal (リサイクルサファイヤ風防), Ugitec (リサイクルスティール), そしてMorellato (リサイクルプラスティックで作られたストラップ).
基本情報
ブランド: パネライ(Panerai)
モデル名: サブマーシブル eLAB-ID(Submersible eLAB-ID)
型番: PAM01225
直径: 44mm
ケース素材: サテン仕上げのエコチタン
文字盤色: エコチタン製のグレーのサンドイッチ文字盤、夜光の塗られたアワーマーカーとドットインデックス。9時位置にスモールセコンド
夜光: リサイクルされたスーパールミノバ
防水性能: 300m
ストラップ/ブレスレット: リサイクル素材のグリージョ・ロッチャにライトブルーのステッチを施し、台形のエコチタンTMバックルを採用
ムーブメント情報
キャリバー: Cal.P.900e
機能: 時、分、スモールセコンド
直径: 12 1/2リーニュ
厚さ: 4.2mm
パワーリザーブ: 情報あり次第アップデート
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 17個がリサイクル、5個は通常の人工ルビー
価格 & 発売時期
価格: 745万8000円(税込)
発売時期: 2022年
限定: 30本
詳細は、パネライ公式サイトへ。
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