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Hands-On ピアジェの最新ポセション ウォッチは、回るダイヤモンドベゼルとデコ パレス(パレス装飾)が主役

ピアジェのジュエリーコレクション、ポセションをベースにしたポセション ウォッチに、メゾン伝統の装飾を取り入れた新作が加わった。回転するダイヤモンドベゼルの内側に、メゾンの金細工技法であるデコ パレス(パレス装飾)を組み合わせた時計である。

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Watches and Wonders 2026でこのモデルが登場すると知ったとき、まず思ったのは、なんてかわいらしい時計なのだろうということだった。ダイヤモンドをまとった小ぶりなケースに、鮮やかなブルーのストラップ。それだけでも十分に目を引くのだが、さらにベゼル内側にはピアジェの得意とする金細工である、デコ パレス(パレス装飾)が取り入れられている。調べてみると、このポセション ウォッチに装飾があしらわれるのは今回が初めてだという。宝石の華やかさと、ゴールドに施された細かな装飾。その両方を楽しめるこの時計は一体どんなモデルなのか、強く惹かれた。

 まずはピアジェというメゾンについて整理しておきたい。このメゾンは1874年、スイス・ジュラ山脈の小さな村、ラ・コート・オ・フェで始まった。創業者のジョルジュ=エドワール・ピアジェは、19歳で一族の農場内に最初の工房を構え、高精度なムーブメントと部品の製作に取り組んでいた。1943年にはピアジェとして商標を登録し、その2年後にはラ・コート・オ・フェにより大規模なマニュファクチュールを新設している。

ラ・コート・オ・フェに建てられた最初の工房

 時計好きにとってピアジェといえば、やはり薄型ムーブメントのイメージが強い。1957年には手巻きのCal.9P、1960年にはマイクロローターを備えた自動巻きCal.12Pを発表。薄型時計の分野で、早くから存在感を示してきたブランドである。

 ただ、今回のポセション ウォッチで注目したいのは、薄型ムーブメントの話よりもピアジェのジュエラーとしての顔である。1959年にはジュネーブで初の“サロン ピアジェ”を開き、時計とジュエリーを同時に展示。1963年にはオーナメンタルストーンを文字盤に使ったウォッチを発表したり、1979年にはゴールドを大胆に使ったピアジェ ポロも登場した。薄い時計を作る技術があり、ゴールドやカラーストーンを使った華やかな表現も得意とする。この振れ幅こそ、ピアジェらしさといえる。

ピアジェ ポセションのリング。細かな筋状のデコ パレスと、ライン状に配されたダイヤモンドは、新作ポセション ウォッチのベゼルデザインと同じだ。

 ポセションは1990年に誕生した、ピアジェを代表するコレクションのひとつ。ピアジェの公式サイトでは、デコ パレス、鮮やかなカラー、遊び心のある回転機構を特徴とするコレクションとして紹介されている。特に大事なのは、回転するパーツによってジュエリーに動きを与えたことだ。

 ポセション ウォッチは、その考え方を腕時計にしたモデルである。ダイヤモンドを配したリングをくるくる回す感覚は、ウォッチでは回転ベゼルで表現されている。時計としては2針のシンプルな構成だが、文字盤の外側に触れて楽しめるパーツがあるのだ。

12時位置付近に見える大きめのダイヤモンドを目印にすると、外周のダイヤモンドベゼルが回転していることがわかる。内側のデコ パレスは固定されており、動くのはその外側のリング部分だ。

G0A46062。

 すでに展開されているG0A46062は、29mmの18Kピンクゴールドケースにダイヤモンドベゼルを合わせ、文字盤にも11個のダイヤモンドインデックスを配したモデルである。ラピスブルーのアリゲーターストラップ、Cal.358P自社製クォーツムーブメントを備え、価格は325万6000円(税込)だ。

 そこに今回、デコ パレスを取り入れたG0A51080がラインナップに加わった。29mmケース、ブルーのアリゲーターストラップ、Cal.358P自社製クォーツムーブメントという基本仕様は従来モデルと同様。大きく違うのは、ベゼル内側にデコ パレスが入ったことで、外周のダイヤモンドに加えて、ゴールドの細かな表情も楽しめるようになった。価格は327万8000円(税込)である。

 差額は2万2000円。スペック上は小さな違いに見えるかもしれないが、実物の印象はかなり変わる。従来モデルはダイヤモンドの華やかさが前に出た1本だったのに対し、新作はデコ パレスによってゴールドの表情も楽しめる。従来モデルを置き換えるというより、ポセション ウォッチの家族に新しい表情が加わった、というほうが近い。資料でも、今回の変更点は“ラインダイヤモンドのゴールドベゼルからデコ パレスへと整理”とある。

ポセション ウォッチはすべてノンリューズ。時刻調整は専用の工具を使用して、裏蓋にある真ん中のボタンから行う(クォーツなのであまり触ることはないだろうが)。

 とくに印象に残ったのはやはり回転ベゼルの動きだ。ダイヤモンドをセットしたベゼルに指を添えると、思っていたよりも軽い力ですっと動く。回転ベゼルのような、クリック感のある操作感ではなく、手持ちぶさたのときにリングを指で回すあの感覚(私はよくやる)が、そのまま腕時計でもできるような動きだ。少し指先が触れただけでも回るため、常に同じ位置でぴたっと整えておきたい人は気になるかもしれない。

 文字盤は、2針にダイヤモンドインデックスというかなり潔い構成である。秒針がないぶん手首の印象は静かで、視線は自然と外周のダイヤモンドベゼルや内側のパレス装飾へ向かう。ポセション ウォッチは、時間を急いで確認するためというより、ダイヤモンドの動きとデコ パレスを手元で楽しむための時計なのだ。

 もうひとつ、ネイルをしている身としてうれしかったのが、リューズのないケースである。ジュエリーウォッチとして見ると、ケースサイドに突起がないことのメリットは大きい。腕にのせたときの丸いフォルムがきれいに見えるし、小ぶりな時計ほどリューズも小さく、爪が長いとそれを引き出すだけでも少し気を使う。その点、この時計ではリューズ操作がないため、爪やネイルを傷めにくいのがありがたかった。地味だけれどかなりうれしいポイントである。

 もちろん、29mmのジュエリーウォッチに収める現実的な選択として、クォーツが採用されている面もあるはずだ。ただ、実際に触ってみると、この仕様はこの時計に合っていると感じた。秒針のない2針だからクォーツの動きは目立たず、リューズレスのケースは見た目にも扱いやすさにも効いている。中身のスペックというより、ジュエリーウォッチとしてきれいに着けるための選択として、自分には納得感があった。

 ピアジェの時計と聞くと、まずポロやアルティプラノを思い浮かべる人は多いと思う。もちろんそれらはピアジェを語るうえで欠かせないモデルだが、ポセション ウォッチのように、ジュエリー的感覚から時計を作るというアプローチもまた、このメゾンらしさのひとつである。最初は素直にかわいい時計だと思った。けれど実際に見て、触って、調べていくと、回転するベゼルやパレス装飾、リューズのないケースなど、かわいいだけでは終わらない要素がいくつもあった。小さくて、華やかで、そして触って楽しい。ピアジェには、こんな時計もあるのだ。

ピアジェ ポセション ウォッチ。Ref.G0A51080。ピンクゴールドケース、3気圧防水、直径29mm、厚さ7.57mm。サンレイホワイト仕上げのダイヤル、11個のポイントダイヤインデックス。ムーブメントはCal.358P、自社製クォーツムーブメント。レザーストラップ、ピンクゴールド製バックル。327万8000円(税込)。

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