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映画『コンドル(Three Days of the Condor )』(1975年)は、シドニー・ポラックがメガホンをとった70年代のスリラーのなかでも、素晴らしく面白い作品だ。ロバート・レッドフォードが厄介な事態に巻き込まれるCIAの書籍分析員を演じている。昼食から戻ると、暗殺集団によってオフィスが全滅していて、次の標的が自分だったとしたらどうする?
注目する理由
先日、ドクサはカーボンを使用したダイバーズウォッチの全コレクションを発表した。カーボンは、同社が昨年末に初めてケース素材として発表したものだ。今日現在、クラシックでカラフルなダイバーズウォッチはすべて、この漆黒の超モダンな素材で提供されている(ただし、そのスピリットは紛れもなくレトロなままだ)。
ドクサほど、シャギーカーペットを敷き詰めたオレンジとブラウンの1970年代を象徴するツールウォッチはないだろうし、レッドフォードほど、シャギーなゴールデンボーイ時代を表現できる俳優もいないだろう。
その10年間、レッドフォードは彼のシグネチャーである赤いサブマリーナーをよく身につけていた(この時計はスクリーンでも何度か着用された)。しかし、『コンドル』では、もうひとつの私物時計とされるものをつけていたのだ。ここで登場するのは、ブラックの太いブンドストラップにつけられたドクサ シャークハンターだ。これは間違いなく王道のチョイスからは外れているが、完璧な選択だ。
この時計は、レッドフォードの大胆不敵なスタイルを物語っている。ブンドストラップはダイバーズウォッチにはあまりない組み合わせであり、特別な意図が感じられる。そして、この時計に合わせたワードローブが実にイカしているのだ。アビエーター・サングラス、ワイドカラーのシャツ、ツイードジャケット、ピーコート、そしてハイキングブーツ。ここに面白い事実がある。クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・インハリウッド』では、このレッドフォードの美学にオマージュを捧げ、ブラッド・ピット演じる役に同様のヘアスタイルと、ブンドストラップに取り付けた重厚なツールウォッチが与えられている。
見るべきシーン
シャークハンターは、ふたつの重要なシーンで最もよく映し出されている。
オープニング・クレジットの直後(時代を反映した完璧な音楽がかかっている)、レッドフォード演じるCIAの書籍分析官がデスクで仕事をしている姿が映し出される。これはオフィスで大虐殺が行われる前だ。4分55秒あたりから、シャツやセーターの袖に収まらないスティール製の黒い塊がはっきりと映っている。
この時計は、レッドフォードと彼の相手役であるフェイ・ダナウェイが彼女のアパートに引きこもったときの、ホットな場面でも登場。ベッドルームでのラブシーン(1:07:31)では、カメラが2人の手の上に移動し、時計が唯一アップで映し出される。続くシーンでは、レッドフォードがキッチンカウンターに立ち、袖をまくり上げているため、ドクサの全体像が見えるのだ。
映画『コンドル』は今見ても驚くほど面白い映画だが、この時計もそうだ。レッドフォード、ダナウェイ、そして故マックス・フォン・シドーによる名演技が光る。きっかけはドクサを見るためでもいいが、ぜひ映画のすべてを見て欲しい。
映画『コンドル』は、Amazon、iTunesでレンタル可能。ドクサ シャークハンターはこちらから購入できる。そして、トップ画像を提供してくれたミネソタ・レッドフォード氏本人とジェイソン・ヒートンに心から感謝する。
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