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間違いなく、映画ファンや時計愛好家たちはこのショーのために力を入れている。そして、アカデミー賞のシネマパートナーであり、オスカー・グリーンルームのスポンサーでもあるロレックスは、その歴史をスクリーンで祝う方法を熟知している(なぜならロレックスは…グリーンが…もうおわかりいただけただろう)。そしてロレックスが、過去1世紀近くにわたり映画に登場してきたのはとてもユニークな事実だ。というのもロレックスは、プロダクトプレイスメント(広告主の商品を使って、認知度を広めること)をせず、その時計が登場する映画と直接的に関わらないのである。それは時計と映画の理想的なマリアージュだ。
クラウン(ロレックス)はそのマリアージュを祝した方法のひとつとして、ビデオクリップ集を製作した。これは数々のクラシックな映画に、ロレックスのさまざまなモデルが登場する様子を映したビデオだ。昨日、アカデミー賞授賞式を目前にして、ロレックスはこの新しいビデオを発表したである。言うまでもなく、私はそのためにそこにいたし、あなた方の多くもそうだったと思う。その動画を下に貼っておくのでご覧いただきたい。
身勝手ながら、この動画には個人的な意味があったと言わざるを得ない。このリールに収録されている映画のひとつ、『フレッチ/死体のいる迷路(原題:Confess Fletch)』に登場したジョン・ハム(Jon Hamm)が着用していたロレックス サブマリーナー Ref.1680は、私が個人的に時計を調達した映画であった。ハムがどうしてもヴィンテージロレックスをつけたいとのことだったので、私は小道具を担当したキャサリン・ミラー(Catherine Miller)とともに、ハムのキャラクターに合う時計を探した。その時計が選ばれるなんて、何か特別な感じがしてくる…話が逸れた。
動画の最後は、PGA(全米プロゴルフ協会)やテニスのCMで見かけるロレックスの広告のように、フレームのなかにロレックスの時計が浮かんでいた。この場合は大抵、最後に表示された時計であるデイデイトの、簡単なショーケースとしてみなすだろう。それはエバーローズゴールド(ERG)、40mm、ローマンインデックスのバリエーションで、オンブレまたはシャドーロジウムタイプのグレー文字盤と思われるものだった。
そこで熱狂が最高潮に達した。そんな時計、存在しないのだ。ERGのオンブレ文字盤デイデイトなんてないだろう? ロレックス公式サイトで提供しているカスタマイズツールを使ってみたところ、私の疑念は確かなものとなった。このソフトローンチは、18KERG製ケースにオンブレスレート文字盤を備えた、アカデミー賞 2024用の特別なデイデイトであった。ロレックスのウェブサイトでこのことについて言及されているのは、イベントのランディングページだけで、そこには前述したビデオクリップ集に収録されている全作品の情報が掲載されている。ページには時計の画像があるのみで、それが新作であること、特別なものであること、そしてその時計に関するスペックは一切書かれていない。
そのため、我々は見たものに基づいてそれを記事にするしかない。昨年、ダニエル・クレイグ(Daniel Craig)が当時発売されていなかった時計をつけて、ニューヨークに現れたときのように。このロレックスで見られるのは、40mmのローマンインデックスバージョンにおける、ひとつの素晴らしい出来栄えである。グレーからブラックへと影が落ちるような変化は、ERGの外観とうまくマッチしている。昨夜のショーで幸運にもロレックスのグリーンルーム前を通った人は、この時計が展示されているのを見かけただろう。多少いじわるなことを言わせてもらえば、この時計はイエローゴールドのスペシャルエディションのようなものにして欲しかったと思う。そのほうがオスカー像とマッチするからだ。
さて、ロレックスのシークレットリリースはこれが今年初ではない。数カ月前、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を祝う、ユニークで遊び心のある文字盤を持つ特別なデイデイトをひっそりと発表している。これは、2022年後半のディープシーチャレンジから昨年のル・マン デイトナまで、記憶に新しいいくつかの“季節外れ”のサプライズ発表を受けてのことだ。2024年はまだ始まったばかりで、Watches & Wondersは目前に迫っている。ロレックスが次に何を用意しているのか、楽しみだ。