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Introducing SEIKOブランド100周年記念。SEIKOの名を初めて冠した腕時計にオマージュを捧げる限定モデルが登場(編集部撮り下ろし)

SEIKOブランド100周年の幕開けにふさわしい1本だ。

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Hero Image by Masaharu Wada
そのほか、特別なクレジットがない画像はすべてセイコーウオッチ提供。


クイック解説

1924年に「SEIKO」の商標を初めて使用した腕時計が発売されてから、2024年で100周年を迎える。セイコーウォッチはこれを“SEIKOブランド100周年”として、数々のSEIKOブランド100周年記念モデルを発表するようだ。セイコー プレザージュから発表された本作は、まさに初めてSEIKOの名を冠して製作した腕時計にオマージュを捧げ、当時のデザインを再現した特別な限定モデルとなっている。

「SEIKO」の商標を初めて使用した腕時計(1924年)

 やはり真っ先に注目すべきは忠実に再現されたダイヤルだろう。12時位置にあしらわれた「SEIKO」ロゴは、当時の書体をわざわざ復刻したもの。たっぷり墨を含ませた筆で描いたようなアラビア数字や、デコラティブなカテドラル形状の針は、オリジナルのデザインを継承している。また、6時位置にインダイヤルを配置した新開発の自動巻きCal.6R5Hを採用することで、オリジナルに近いダイヤルレイアウトを実現した。

 忠実なのはデザインやレイアウトだけではない。オリジナルモデルにも使われていた琺瑯(ほうろう)ダイヤルを本作でも使用している。製作したのは、現代の琺瑯職人のひとりである横澤 満氏。横澤氏はこれまでにもセイコー プレザージュの琺瑯(ほうろう)ダイヤルモデルを手がけてきたベテラン職人だ。氏の技によって1枚1枚作られ、琺瑯ならではの艶やかな光沢と温かみのある質感を持ったダイヤルに仕上げられている。

 ケースは懐中時計を思わせる丸みを帯びた形状で、風防にはボックス型のサファイアガラスを採用することでクラシックな雰囲気が表現されている。大きなリューズもオリジナルを色濃く受け継いでいるディテールだ。なお、裏蓋とリューズトップには、商標である「丸角Sマーク」をデザイン。裏蓋のマークの周囲にはセイコー創業者である服部金太郎が掲げた信条“常に時代の1歩先を行く”を英語で表した“ONE STEP AHEAD OF THE REST”の文字と“KINTARO HATTORI”の文字もあしらう。

 オリジナルでは、元々懐中時計を転用したケースにストラップを通すためのラグが後付けされていたが、本作ではその雰囲気は感じさせつつも、時計本体とストラップを可動式パーツで接合。現代の品質基準をクリアしながらも、当時多く見られた可動式構造を伴う引き通しストラップを採用した。シボ革のストラップには、国際認証団体(※LWG)認証を受けたタンナーが供給するサステナブルなカーフレザーを使用。写真がないのが残念だが、尾錠とストラップの裏側にもSEIKOSロゴが刻印されている。

※ LWG(Leather Working Group)とは、持続可能なレザー生産を目指し、品質や安全性、環境問題等の啓蒙活動を行う非営利組織。

 オリジナルをほうふつとさせるこのSEIKOブランド100周年記念<セイコー プレザージュ>服部金太郎 限定モデルには、服部金太郎が1900年に登録したセイコーの前身である服部時計店の商標「丸角Sマーク」を立体的にかたどった特製ピンバッジも付属。これらを復刻ロゴが印象的なスペシャルボックスに収める。価格は25万3000 円(税込)。世界限定1000本(うち300本は国内限定)のリミテッドエディションで、発売時期はSEIKOブランド100周年を迎える2024年の1月12日(金)を予定している。


ファースト・インプレッション

Photo by Masaharu Wada

今に始まったことではないが、セイコーでは“〇〇周年”を謳って発売されるモデルが多い。そのため、“あれ? この周年モデルって前も出ていなかったっけ?”と思うことがよくある。セイコーは今年、セイコーの腕時計110周年を記念して、国産初の腕時計「ローレル」のデザインをオマージュした限定モデルを発売していたため、それと混同してしまったのだが、改めて強調しておくと、今回登場したのは“SEIKOブランドが誕生してから100周年”を記念したモデルだ。

 まず最初にこの時計を見て驚かされたのは、その高い再現度だ。つい先日、2023年に発表された新作を一堂に見せてもらう機会があったのだが、“オリジナルがなぜここに?”と思ってしまうほど、ディテールへのこだわりは高い。それはオリジナルの写真と見比べて見れば一目瞭然だろう。なかでも特に驚いたのは、そのサイズ感だった。本作の35mm(ラグトゥラグは37mm)と非常に小ぶりなのだ。オリジナルは30mmを切る28mmほどの大きさだが、小振りな機械式ムーブメントがほとんど作られていない現在のセイコーにあって、このサイズ感の時計に仕立てるという選択をしたところには製作陣の意気込みが感じられる。

 ただし、単純な復刻版ではないというところから察するに、本作は単なるマニア向けの製品ではなく、今後の展開も見据えた製品なのだろう。

Photo by Masaharu Wada

 マニアであれば、6時位置のインダイヤルはオリジナルと同様、スモールセコンドであって欲しい思うのではないだろうか? だが、本作で提供されるのは、あくまでも“オリジナルに近いレイアウト”であって機能ではない。6時位置のインダイヤルにあるのは、スモールセコンドではなく24時間表示なのだ。中3針に24時間表示という組み合わせは、セイコー プレザージュでは以前から見られたもの。スペックから推測する限り、新開発の自動巻きCal.6R5Hは以前から使用されているCal.6R5Jをベースにしていると思われる。サイズこそ違うが、機能はどちらもほぼ同じだ。ムーヴメント開発には資金が必要になる。需要の大半がマニアとなるであろうニッチなスモールセコンドではなく、さまざま製品としてアレンジしやすい中3針に24時間表示という選択は、メーカーとしては当然と言える。

Photo by Masaharu Wada

 ムーブメントこそ使い勝手のいいマス向け仕様だが、オリジナルをオマージュしたデザインやディテールは、決して多くの人が手を取るような一般的なものではないだろう。特に時計本体とストラップを可動式パーツで接合した引き通しストラップのスタイルは、サイズは小振りながらも、つけてみると意外に主張が強く、決してどんな装いにもマッチするといった類のものではない。一方で本作は、時計としてのつけ心地やバランスは担保しつつも、存在感があり、人の目と引きつけるところが大きな魅力だ。それゆえ、日常的に使うというよりも、何か特別なタイミングやシーンで話題を提供したり、意図的に非日常を演出するのにふさわしい時計なのだと筆者は思っている。

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基本情報

ブランド: セイコー プレザージュ(Seiko Presage)
モデル名: SEIKOブランド100周年記念<セイコー プレザージュ>服部金太郎 限定モデル(Seiko Brand 100th Anniversary Seiko Presage Kintaro Hattori Limited Edition)
型番:SART001

直径: 35mm(ラグトゥラグは37mm)
厚さ: 12.3mm
ケース素材: ステンレススティール(ダイヤシールド加工)
文字盤色: 琺瑯(ほうろう)
インデックス: アラビア数字
夜光: なし
防水性能: 5気圧(日常生活用強化防水)
ストラップ/ブレスレット: 引き通し式カーフストラップ、 SS製美錠


ムーブメント情報

キャリバー: 6R5H
機能: 時・分表示、センターセコンド、6時位置に24時間表示
パワーリザーブ: 約72時間
巻き上げ方式: 自動巻き(手巻つき)
振動数: 2万1600振動/時
石数: 24
精度: 日差+25秒~−15秒(気温5℃~ 35℃において腕につけた場合)
追加情報: 秒針停止機能


価格 & 発売時期

価格: 25万3000 円(税込)
発売時期: 2024年1月12日(金)
限定:世界限定1000本(うち300本は国内限定)

詳細は、セイコーのウェブサイト、もしくはSEIKOブランド100周年記念 特設ページをクリック。