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Talking Watches ニューヨークのジュエラーにして時計コレクター、グレッグ・ユナと語る時計コレクション

ニューヨーク出身のこの人物は、ソーホーから47番街一帯を根城にしている。

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グレッグ・ユナ(Greg Yuna)氏は生まれも育ちもニューヨークである。正確にはクイーンズ区出身だ(動画でもそう主張していることが分かるだろう)。彼は、ニューヨークがその熱狂的な激しさのなかで変化し、息づき、存在することを助けるような人物だ。サフディ兄弟の映画『アンカット・ダイヤモンド(原題:Uncut Gems』で主演アダム・サンドラー(Adam Sandler)氏と並んで小さな役を演じるような、ニューヨーク/ダイヤモンド地区を代表するキャラクターである。エネルギーにあふれ、不敵な笑みを浮かべ、素早く言い返す、ユナ氏のような男はニューヨーク以外では生まれない。

 ユナ氏は47番街のカプランビルで、ジェイコブ・アラボ(Jacob Arabo)氏と同じブースで宝石と時計を販売することでキャリアをスタートした。ジェイコブ、ベン・ボーラー、アヴィ・ハイアイヴ(Avi&Co)、そしてダイヤモンド地区の同業者たちはみな、ユナ氏によれば“チョップ・ショップ(簡易的な店舗)”からスタートした。「そこから踏ん張って、セクシーにし、マーケット受けを狙うのは自分たち次第だった」

 そして彼は実際に大衆に売り込んだ。ユナ氏は過去10年間、ジュエリーや時計で多くの顧客を魅了し、ナイキとのコラボレーションや、幼なじみで同じくTalking Watchesに出演したロニー・ファイグ(Ronnie Fieg)氏のソーホーにあるKITHの旗艦店にショップ・イン・ショップを構えるなど、精力的に活動してきた。

 ユナ氏は生まれ故郷であるニューヨークの魅力をパッケージ化し、製品として仕上げ、適切な顧客に販売する方法を心得ている。リル・ヨッティ(Lil Yachty)氏やナイジェル・シルベスター(Nigel Sylvester)氏のような友人、マイケル・B・ジョーダン(Michael B. Jordan)氏、ドレイク(Drake)氏、フロイド・メイウェザー(Floyd Mayweather)氏のような有名人、あるいは見ず知らずの人々のためにデザインしているにせよ、ユナ氏の熱狂的なニューヨークのエネルギーを大衆に届けたいという願いは、ソーホーのマルベリーストリート215番地に新しくオープンした実店舗で実現する。

 新しい店舗でユナ氏にダイヤモンド地区の喧騒、工芸品としての宝石セッティング、そしてコレクションに対する彼自身の個人的なアプローチについて話を聞いた。今回それらをTalking Watchesに凝縮した。


パテック フィリップ ノーチラス Ref.5726 ダイヤモンドセット

 ユナ氏はアフターマーケットの改造について正直である。彼は時計界隈から非難される可能性からも逃げることはない。 「傷モノにしてしまっているのは分かっている」と、私が尋ねる前からこうコメントしてくれている。彼の率直な物言いは新鮮だ...とてもニューヨークらしい。このパテック フィリップ ノーチラス Ref.5726にはVS(ベリースライトリーインクル―デッド)ダイヤモンドがフラワーセッティングされている。

 彼はまた、このようにダイヤモンドがセッティングされた時計は、あまり深刻に捉えるべきではないと主張する。ユナ氏いわく 「ラスベガスにつけていく時計」だそう。 ノーチラス Ref.5726は、改造のためのホットな素材のようだ。ドレイク氏も故ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)も、MAD Parisによってカスタマイズされた、ブラックアウトされたエメラルドセッティングのモデルを着用していたことで有名である。


アヴィ&Co. ローズゴールド フロスト 40mm

 宝石セッティング技術は、非常に過小評価されている。アヴィ&Co.(Avi & Co.)のこのローズゴールドフロストの時計は、確かに気の弱い人には向かないが、バゲットカットの宝石(合計24.07カラット相当)細工は完璧だ。ダイヤルとベゼルの両方にこのようなインビジブルセッティングを施すにはハイレベルな職人技が必要だ。ユナ氏も私も、醜くくも美しいこの特別な時計には同意できる。


ロレックス GMTマスターII “レフティ”

 グリーンとブラックのロレックスGMTマスターII Ref.126720VTNRは、リューズとデイト表示が左側にあり、2022年に最も話題をさらった時計のひとつである。ユナ氏はそれを日常使いしている。確かにほかよりは少しカジュアルだ。


ロレックス デイデイト ターコイズダイヤル

 最近、バゲットダイヤモンド(アフターマーケットのトレンドのひとつで、彼もまた先鞭をつけたうちのひとり)について話すためにユナ氏に電話したとき、彼は2010年代に派手なスタイルは過去のものになったと主張した。「シャンデリア(バゲットをセッティングしたアフターマーケットの時計)は、誰が大物で誰が悪者か分からないような極端に派手なものだった。今、すべてが少し縮退し始めていて、誰もがプレーン・ジェーンズ(平凡なもの)を目指している。俺は今、36mmを愛用しているよ」


ロレックス デイデイト マラカイトダイヤル

 ユナ氏は今、ストーンダイヤルに夢中だ。ジュエラーとしては当然と言える。ニューヨーク生まれのラッパー、故ビギー・スモールズ(Biggie Smalls)がイエローゴールドのデイデイトにラピスダイヤルを着用していたことにあやかって、ストーンダイヤルのデイデイトを選んだのだ。


パテック フィリップ ノーチラス Ref.5980 ティファニーWネーム

 これはユナ氏のコレクションのなかでも大物だ(安全のためにラッピングして保管している)。ティファニーWネームのRef.5980に宝石をセッティングすることは考えないのかとユナ氏に尋ねた。「コレクターズアイテムには触れないよ」。どのような時計が宝石のセッティングに適しているかは、インタビューをご覧いただきたい。