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我々が知っていること
アウトドローモの新作を目にするのは久しぶりだ。モータースポーツに着想を得たこのブティックブランドは、Hodinkeeでも長年愛用されている。実際2023年には、グループBクロノグラフのスペシャルエディションシリーズをベースにしたかなりクールな限定コラボモデルを製作した。そして同年、同ブランドはグループCを発表。これは80年代のデジタルウォッチの精神を見事に捉えた時計だった。
そして今回、アウトドローモはそれ以来初めてとなる全く新しいモデルを発表した。その名もグループC ターボ スポーツ。かつて数十年前、ドライバーたちがサーキットやステアリングのうしろで愛用していた、ティソ ツータイマー、ホイヤー クロノスプリット マンハッタン GMT、そしてもちろんブライトリング エアロスペースやプルトンといった実用的なアナデジ時計を現代的に再解釈したモデルである。
ケースの直径は38.5mmで、陽極酸化処理を施したアルミニウム製だ。少なくとも私のバイクはそうだったが、これは、かつてBMXバイクのパーツに使われていた合金だ。新作のグループC ターボは、クリア、グレー、ゴールドの3種類の陽極酸化処理を施したアルミニウム製で、それぞれステンレススティール製のケースバックを備えている。グリッドダイヤルが採用されており、1980年代初頭から1993年頃まで続いたグループCレース時代のレーシングカーに搭載されていたタキメーターを想起させるデザインとなっている。この時代は、ル・マン24時間レースをはじめとするヨーロッパの耐久レースによって特徴づけられた時代でもあった。またこれらの時計のインスピレーションとなった当時のグループCカーは、無駄のない流麗なボディラインと、高いダウンフォースを生み出すグラウンドエフェクト、そしてターボチャージャーを搭載していた。その結果、並外れたパワーを発揮すると同時に、長時間に及ぶ耐久レースを走り切るにはドライバーは相当な体力が求められた。
グループC ターボのアナログ表示部分は、鮮やかな色彩と蓄光塗料が施されたシリンジ針が特徴で、そのクォーツムーブメントによって駆動される針が、コントラストの効いた色合いの目盛りを指し示す。インデックスは4時位置と8時位置まで伸びており、そのあいだのスペースには実用的なデジタル表示画面が配置されている。デジタルディスプレイの上には、レトロな書体で記された“TURBOSPORTCHRONO”のロゴがあしらわれている。
デジタル表示ウィンドウは、実用性と機能性を飛躍的に向上させている。デュアルタイムゾーン(合計3つのタイムゾーン表示が可能)、アラーム機能、1/100秒単位のクロノグラフを搭載。加えて、便利なバックライト機能も備わる。ケース左右に2個ずつのプッシャーを配置し、アナログ/デジタル表示を操作・設定する。各モデルの右下ボタンは色が異なり、グレーモデルは陽極酸化処理された赤、ゴールドモデルとクリアモデルは青となっている。
特筆すべきは、この時計はアナログとデジタル表示を一体化した専用ムーブメントではなく、内部にふたつのムーブメントが搭載されている点だ。ミヨタ製のクォーツムーブメントがアナログ表示を、別のモジュールがデジタル表示を担当し、それぞれに独立した電池が使用されている。グループC ターボ スポーツは、ナイロンをインレイしたFKMラバーストラップを採用し、価格は450ドル(日本円で約7万2000円)となっている。
我々の考え
アウトドローモから新しい時計が登場するのは実に喜ばしい。アナログとデジタルを融合させた時計はこれまであまり注目されてこなかったが、復活に値するカテゴリーだ。そして現代はアナログとデジタルの融合が楽しめる時代である。アルミニウムはケース素材としてあまり使われていないが、グループC ターボはグループC デジタルの約72gに比べて、比較的軽量な58gとなっている。
50m防水と、3つのタイムゾーンを表示するアナデジ表示を備えたこの実用的な時計なら、6月に着用して9月まで外し忘れていても、旅行、ドライブ、そしてほとんどの水上アクティビティを何の心配もなく乗り切ることができる。
本作は500ドル(日本円で約8万円)以下の価格設定で、ポルシェやメルセデスがル・マンでランチア、プジョー、日産、ジャガー、マツダといったライバルに挑まれた時代を彷彿とさせる存在だ。丸みを帯びたミニマルなケースに、陽極酸化処理を施したアルミニウムを採用したのも、その時代感を表現するうえで実に巧みな選択と言えるだろう。実用的で手ごろな価格、そして軽快なデザインを持つ本作は、ブランドにとってきわめて好感の持てる復帰作だ。個人的にはクリアモデルも捨てがたいが、インデックスに夜光がないため、私ならゴールドモデルを選ぶ。アウトドローモ、おかえりなさい。そして素晴らしいアナデジ時計を作ってくれたことに感謝したい。
基本情報
ブランド: アウトドローモ(Autodromo)
モデル名: グループC ターボ スポーツ(Group C Turbo Sport)
直径: 38.4mm
厚さ: 11.4mm
ケース素材: 陽極酸化処理を施したアルミニウム
文字盤色: ブラックまたはシルバー
インデックス: アプライド
夜光: 針(また2モデルはインデックスにも夜光塗料を塗布)、デジタル表示用バックライト
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: FKMラバーストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: アナログ表示はミヨタ製クオーツムーブメント、デジタル表示は専用電子モジュール
機能: アナログ時刻表示、デジタルによるデュアルタイムゾーン表示、1/100秒クロノグラフ、デイリーアラーム、デジタル表示用バックライト
価格&発売時期
価格: 450ドル(日本円で約7万2000円)
限定: なし
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