時は共和暦9年メシドール7日(フランス共和暦になじみのない人のために言えば1801年6月26日)だった。長年にわたる徹底的な研究と実験を重ね、さらに1799年に亡くなる前に同じ構想を試みていた友人、ジョン・アーノルド(John Arnold)とも書簡を交わした末、アブラアン-ルイ・ブレゲ(Abraham-Louis Breguet)はトゥールビヨンに関する10年間の特許を取得した。1829年までに、アブラアン-ルイ・ブレゲとその工房がこの調速機構を備えて製作した時計はわずか40本にとどまった。この機構は、姿勢差による誤差を補正し、同じ場所にとどまって粘性を増しがちな油を行き渡らせることで、部品をより均一に潤滑するよう設計されたものだった。
ナチュラルエスケープメントを搭載したブレゲのフォーミニッツ(4分)トゥールビヨンウォッチ。昨年、サザビーズにて188万スイスフラン(日本円で約3億8000万円)で落札された。Photo courtesy Sotheby's.
さて、アブラアン-ルイ・ブレゲ、そしてジョン・アーノルドもまた、トゥールビヨンという概念がここまで発展したことを誇りに思うだろう。アルフレッド・ヘルヴィグ(Alfred Helwig)によるフライングトゥールビヨンの発明、ましてや初のトゥールビヨン腕時計の登場など、トゥールビヨンをめぐってその後起きた出来事の数々を目にしたなら、ブレゲ自身も天国でくるくる回ってしまうかもしれない。そしてそうしたアイデアの多くが、彼の名を冠する時計に取り入れられてきたことにも驚くはずだ。さらに現在のブレゲは、彼が生涯で製作した数の何倍ものトゥールビヨンを毎年生み出している。その事実や、この225年で時計づくりがどれほど進歩したのかを考えると、実に感慨深い。
昨年末に発表されたブレゲ エクスペリメンタル 1。10Hzで駆動するワンミニッツトゥールビヨンは、これまでにつくられたなかでも最も過激なトゥールビヨンのひとつだった。
前置きはこのくらいにして、ブレゲはトゥールビヨンの225周年を記念し(対象は特許取得であって、1795年ごろとされる発明でも、1805年の市販化でもない)、4つの新バリエーションを発表した。そのなかには、新ムーブメントを搭載した完全な新作も含まれる。ただし新作でありながら、その姿は非常になじみ深いものだ。ではそこから始めよう。今回の新作のなかで最も小さく、最も見慣れており、そしておそらく最も印象的なモデルである。ブレゲ 3350/3357が、ブレゲ 7357として帰ってきたのだ。
クラシック トゥールビヨン 7357(ロート時代への回帰。ただし新ケース、新素材、そして41%の新規パーツを採用)
北米での独占取材を控え、ブランドから新ムーブメントがあると聞かされたときの私の驚きを想像して欲しい。そして現地に着いてみると、そのムーブメントはCal.558.1の復活だったのだ。少なくとも大枠ではそう言っていい。このムーブメントの系譜は、ダニエル・ロート(Daniel Roth)氏がヌーベル・レマニアと3年にわたって協業し、Ref.3350を生み出した時代にまで遡る。その成果として誕生したのが、驚くべきCal.558(あるいはCal.558T)だった。今回ブレゲは、そのムーブメントの最新世代であるCal.187を、41%の新規部品によって刷新した。それでいて、サイズはオリジナルにぴたりと合うように仕立てられている。
これはブレゲゴールド(プラチナの用意もある)製ケースに手巻きトゥールビヨンを収めたモデルで、サイズは直径35mm、厚さ9.2mm、ラグ・トゥ・ラグは43mmである。オリジナルの寸法はおよそ直径36mm、厚さ9.5mmだったため、わずかに小さく薄くなっただけでなく、今回は30mの防水性能も備えている。写真を見ればわかるように、ブレゲゴールド(独自合金)はイエローゴールドとローズゴールドの中間に位置する色合いで、光の当たり方によって表情を変え、周囲の色味を取り込むようなニュアンスを見せる。
Cal.558に見られた、骨のような形状でムーブメントを横断する1本のブリッジは、丸みを帯び、ポリッシュ仕上げされたダブルのアーチ型ブリッジへと再設計された。このブリッジは、表裏の双方で外周部まで伸びている。振動数は従来どおり1万8000振動/時(2.5Hz)で、トゥールビヨン上の3本の針が20秒ごとの経過を示す仕組みだ。パワーリザーブは現在約60時間となっている。またムーブメントは耐磁性を高めるべく再設計されており、ブレゲのニヴァクロン製ヒゲゼンマイとシリコン製パレットレバーを備える。ブレゲによれば、部品の41%が新規パーツだという。仕上げについて、ムーブメントには新たに考案された独自のギヨシェ装飾、ダン・ド・ヴォリオン(Dent de Vaulion)が施されている。この名称は、ブレゲの本拠地があるジュウ渓谷の北端にそびえる雄大なダン・ド・ヴォリオンから見下ろすラック・ド・ジュー(Lac de Joux、ジュー湖)の水面に現れる模様に由来するものだ。ムーブメントの外周には“Brevet du 7 Messidor An 9”および“Tourbillon 225e Anniversaire”の文字が刻まれている。
デザイン面でもいくつか大きな変更が加えられている。トゥールビヨンブリッジの変更に加え、文字盤にはブレゲのロゴとブレゲのナンバリング体系における個体番号を記したネームプレートが配されるようになった。これは現行ラインナップの自動巻きトゥールビヨン、Ref.5317から受け継がれたデザインである。文字盤はいずれもブレゲゴールド製で、ケース素材に応じてオパラインまたはアンスラサイト仕上げが施され、チャプターリングの中央にはクル・ド・パリ、外周にはグレンドルジュのギヨシェ装飾が、ワンミニッツトゥールビヨンの中心から放射状に広がるように刻まれている。針には耐磁性を考慮してゴールド製のブルー仕上げのブレゲ針を採用し、インデックスは非常に柔らかな印象のブレゲらしい書体でプリントされている。だが、より大きな変更点はケースかもしれない。
2025年にGPHGの最高賞である金の針賞を受賞したクラシック スースクリプション 2025では、ブレゲを象徴する意匠のひとつであり、同ブランドのエンパイアスタイルのケースとも深く結びついてきたケースサイドのコインエッジ装飾が省かれていた。ブレゲはコレクターからの声に耳を傾け、ブランドが意図していた現代的なケースシルエットとラグに、愛好家たちが価値を見出していた要素を組み合わせたのである。今回、ケースサイドには手彫りギヨシェによるコインエッジが施され、新しい形状を備えたラグは溶接で取り付けられている(ただし、私が見たプロトタイプでは溶接されていなかった)。個人的にはエンパイアラグがかなり恋しく、新しいラグ形状はやや汎用的に感じられるが、ケースサイドについては改善といえる。
アップデートされたラグは、現代的な装着感を実現するためのもので、より大きなサイズの時計では手首の上でのっぺりと見えすぎないよう意図されている。だが本作では、その必要性はそこまで高くない。なにしろ直径35mmしかないからだ。それでも、着けてみると小さすぎる感じはしない。手元を見下ろしてもこの時計が小さいとは思わなかった。ただし、私の7.25インチ(約18.4cm)の手首にのった写真を見ると、そう感じる人もいるかもしれない。残りの感想は、今後のハンズオンまで取っておくことにする。
この1年ほどブレゲの動きを追ってきた人にとって、今回の新作はそれほど意外なものではないかもしれない。ブレゲはコレクションの見直しを進めており、大きくふたつの方向性へと絞り込んでいるように見える。ひとつは愛好家たちがブランドの象徴と考えるもの(トゥールビヨン、タイプ XX、複雑機構搭載モデル)を現代的にアップデートすること。もうひとつは、かつてアブラアン-ルイ・ブレゲ自身がそうしていたように、複雑機構の限界を押し広げることだ。後者を示す存在が、昨年発表されたエクスペリメンタル 1のようなモデルである。そして前者については今回、ブランドの中核をなすネオヴィンテージのクラシック トゥールビヨンを、より敬意を込めたかたちで蘇らせたモデルが加わった。
これはブレゲにとって重要な新作であり、だからこそ本格的なハンズオンに値する。その記事では変更点や市場での比較、ムーブメントなどについて掘り下げるつもりだ。ブレゲにとって唯一のハードルとなるのは、ブレゲゴールドが2356万2000円、プラチナが2591万6000円(ともに税込)という価格だろう。だが興味深い判断として(率直に言って、これはいい判断だ)、この時計はコアコレクションに加えられている。ネオヴィンテージ個体に対する利点は、ムーブメントの信頼性、防水性能、より装着しやすいラグ形状など、実用性が全般的に高められている点にある。続報を楽しみにしていて欲しい。
ブレゲ クラシック トゥールビヨン Ref.7357PTおよび7357BH。直径35mm、厚さ9.2mm、ラグ・トゥ・ラグ43mm。ケースはプラチナまたはブレゲゴールド製で、防水性能は30m。文字盤は18Kブレゲゴールド製で、電気メッキによるアンスラサイトまたはオパライン仕上げ、ギヨシェ装飾を施し、ブレゲ針の時・分針を備える。表示は時・分表示、トゥールビヨンによる秒表示。手巻きCal.187B搭載、パワーリザーブ約60時間、振動数は1万8000振動/時(2.5Hz)。ブレゲ ニヴァクロン製ヒゲゼンマイとシリコン製脱進機を採用。カーフスキンストラップで、3つ折り式デプロワイヤントバックル付き。価格はブレゲゴールドが2356万2000円、プラチナが2591万6000円(ともに税込)。
マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント(重量級モデル、そしてカスタマイズ可能な文字盤)
ブレゲからの次なる大きな発表は新ムーブメントではない。だが、間違いなく大きな発表ではある。ブレゲ マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント Ref.5887PTは、直径43.9mm、厚さ11.8mm、ラグ・トゥ・ラグ51.5mmという堂々たるサイズの、プラチナ製複雑機構モデルだ。はかりを持参しなかったのが悔やまれるが、この時計にはプラチナだけで118gも使われているという。それがケースのみの重量なのか、ケースとブレスレットを合わせたものなのかは定かではない。ブレスレット装着時(ラバーストラップも付属する)は、かなりの存在感を放つ。技術的な内容についても同じことが言える。
ここでのコンセプトは、均時差の把握と、安定性および精度を追求するためのトゥールビヨンが、初期のクロノメーターにおいてともに重要な役割を果たしたという点にある。そうしたクロノメーターは、帆船の時代に航海を行ううえで不可欠な存在だった。だからこそマリーンのケースなのである。だが2017年の初代モデルがフォーマルな印象を強く打ち出していたのに対し、この新作はブレゲ数字によってよりスポーティな表情を獲得している。加えて、サファイアダイヤルには夜空のミニアチュールペインティングを施すことができ、パーソナライズにも対応する。サファイアダイヤルの裏面には半透明のグラデーションブルーのグラン・フー エナメルが施され、夜空のミニアチュールペインティングは手作業で仕上げられる。この時計は25本限定で、夜空の描写は1本ごとにビスポークで制作される。顧客が日付、時刻、場所を指定し、それが文字盤上に表現されるのだ。
そのペインティング、インデックス、針のすべてに夜光が施されており、かなりクールな効果を生んでいる。さらに興味深いのは、ブレゲが均時差表示の針にイエローに発光する夜光塗料を用いていることだ。均時差表示用の追加の分針は透明なサファイア製で、先端には太陽のモチーフだけが配されている。そのため、太陽が文字盤上に浮遊しているように見える。標準の針が平均太陽時を示す一方で、もうひとつの針は真太陽時を表示する。この表示はトゥールビヨンを見せる窓内のカムによって制御されており、同じ窓には月表示用の回転ディスク(フランス語表記)も備わる。さらに文字盤外周に沿って弧を描く日付表示と、パワーリザーブインジケーターも搭載されている。
Cal.581DPEは2万8800振動/時(4Hz)のテンプと約80時間のパワーリザーブを備えるが、より重要なのは、トゥールビヨン、永久カレンダー、均時差を搭載したペリフェラルローター式の自動巻きムーブメントであるという点だ。このムーブメントについては、私たちが2017年に掲載した記事で詳しく紹介している。ムーブメントの仕上げも異なっており、18世紀の艦船ロイヤル・ルイを手彫りで描いた装飾にはブレゲゴールドが用いられ、その意匠を際立たせている。
サイズ、重量、そして価格のいずれにおいても、これは日常使いの時計とはほど遠い。ストラップ仕様で4918万1000円、ブレスレット仕様で6237万円(ともに税込)という目が飛び出るような価格である。とはいえ、これはまさにステートメントピースであり、登場から時間の経ったムーブメントであるとしても、その25人の購入者のひとりになるなら(あるいは単に自分の目で見てみたいだけでも)、ブレゲのウェブサイトには特別なツールが用意されている。文字盤に描く候補として検討している日時の夜空が、どのように見えていたのかを確認できるのだ。
ブレゲ マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント Ref.5887PT。直径43.9mm、厚さ11.8mm、ラグ・トゥ・ラグ51.5mmのプラチナケースを採用し、防水性能は100m。文字盤はブルーグラデーションの半透明グラン・フー エナメル仕上げを施したサファイア製で、星座と月を描いた夜光エナメルによる手描きのミニアチュールペインティングを備える。ムーブメントはCal.581DPEを搭載し、永久カレンダー、ワンミニッツトゥールビヨン、均時差表示を備える。パワーリザーブは約80時間。プラチナブレスレットまたはラバーストラップ仕様。25本限定。価格はストラップ仕様が4918万1000円、ブレスレット仕様が6237万円(ともに税込)。
クラシック トゥールビヨン シデラルが復活(ブラック、しかしグリーンのグラン・フー アベンチュリンダイヤルを携えて)
昨年発表されたばかりのモデルをベースにしたもうひとつのバリエーションとして、新しいクラシック トゥールビヨン シデラルが登場。ミステリーフライングトゥールビヨンを備え、今回はプラチナケースと、グリーンのハイライトを宿したブラックアベンチュリンエナメル文字盤を採用している。初代モデルはブレゲゴールドケースにブルーアベンチュリンエナメル文字盤という組み合わせだった。ブレゲはこれをブラックダイヤルとしているが、光が少しでも当たった瞬間、深く艶やかなグリーンへと変化するのがわかる。私なら、まずグリーン文字盤と呼んだだろう。
私は初代モデルを取り上げている(文字どおり今日からちょうど1年前のことだ)ので、技術的な詳細については、その当時の記事で詳しく確認できるはずだ。エンパイアスタイルのケースはそのまま残されており、これはうれしいポイントである。Cal.187M1ではサファイアの開口部内にトゥールビヨンケージが保持され、トゥールビヨンブリッジのアームがケージとサファイアディスクをつないでいる。このサファイアディスクは、外周の歯車リングを介して回転する仕組みだ。ムーブメントは約50時間のパワーリザーブを備え、1万8000振動/時(2.5Hz)で駆動する。今回の文字盤上のアプライドロゴはプラチナ製だ。
この時計のサイズは従来どおり直径38mm、厚さ10.2mm、ラグ・トゥ・ラグ47.6mmで、プラチナ製デプロワイヤントバックル付きのラージスケール ブラックアリゲーターストラップが組み合わされる。私の7.25インチ(約18.4cm)の手首にはかなりよく収まっている。ただこのラグ形状を見ると、ケースサイズがさらに大きくなった場合には、時計が手首から少し浮いて見えることも想像できるだろう。まあないものねだりはできない。私のようにエンパイアケースが好きなら、ケースが少し大きくなったとしても喜ぶべきなのだ。38mmなら、実にいいバランスである。
価格は3752万1000円(税込)と、ほとんどの人にとって手の届かないところにある。だが、白紙の小切手を渡されて今日の新作のなかから1本選べと言われたら、私はおそらくこれを選ぶだろう。フライングトゥールビヨンはかなり見応えがあり、デザインも多くの点でオリジナルの3350に近い。そして文字盤上のモデル名を筆記体で処理しているところも気に入っている(もっとも、これがHODINKEE編集部内では意見が分かれる点であることは承知している)。トゥールビヨンを取り除いてもよさそうではあるが、そうすると全体のバランスが崩れてしまうだろう。上部のサブダイヤルに“Breguet”の文字をプリントする案も、かなりうまくまとまりそうだ。考える余地はあるが、それでも力のある新作である。こちらは個別番号入りの50本限定だ。
ブレゲ クラシック トゥールビヨン シデラル Ref.7255PT。直径38mm、厚さ10.2mm、ラグ・トゥ・ラグ47.6mmのプラチナケースを採用し、防水性能は30m。文字盤はグリーンのハイライトを宿したブラックアベンチュリン グラン・フー エナメルで、ブレゲ針を備える。表示は時・分、ワンミニッツトゥールビヨン。手巻き式Cal.187M1搭載、1万8000振動/時(2.5Hz)で駆動、パワーリザーブは約50時間。ストラップはブラックのラージスケールアリゲーターレザーで、ライニングにはブラックのスモールスケールアリゲーターレザーを用いる。個別番号入りの50本限定。価格は3752万1000円(税込)。
トラディション トゥールビヨン 7047(フュゼ・チェーン、今度はブルーで)
最後を飾るのは、トラディション トゥールビヨン 7047PTである。こちらもまた複雑機構を備えたプラチナ製リミテッドエディションだ。今日、フュゼ・チェーン機構を手がけるブランドはごくわずかだが、かつては主ゼンマイを収めた香箱から輪列へと動力を伝えるための一般的な方法だった。またこれはコンスタントフォース機構でもあり、ゼンマイの巻き上げ状態にかかわらず、自然に均一な動力を供給する。ブレゲは、この機構をトゥールビヨンと組み合わせているブランドのひとつである。ほかに思い浮かぶのはA.ランゲ&ゾーネとフェルディナント・ベルトゥーくらいだ。だがブレゲは、それをいかにもブレゲらしい方法で実現している。
オリジナルのブレゲ 7047は2007年に登場し、その後いくつものバリエーションを重ねてきた(シリコン製ヒゲゼンマイやチタン製トゥールビヨンケージへのアップグレードも含まれる)。今回のモデルはこれまでで最もスポーティな仕上がりで、ブリッジとチェーンにはブルー・ド・フランスの原子層堆積処理が施され、サンドブラスト仕上げの地板にはグレイシャーブルーの色調を採用。さらにグラン・フー エナメルによるブルー・ド・フランス文字盤には、アラビア数字のブレゲ数字を配しており、トゥールビヨンのバーにはブルースピネルをセットする。そしてチェーンは合計232個のリンクで構成され、そのうち77個にブルー・ド・フランスの処理が施されている。
裏側の仕上げも同様だが、こちらでは色のコントラストがいっそう幾何学的に見え、どこか現代アートのような趣がある。手巻きムーブメントは1万8000振動/時(2.5Hz)で駆動し、パワーリザーブは約55時間。ここで紹介しているモデルのなかでケース径が最大というわけではないが、最も厚い。プラチナケースのサイズは直径41mm、厚さ16mm、ラグ・トゥ・ラグ50.5mm。その厚みの一部は背の高いボックス型サファイアクリスタルによるもので、ミドルケースを小さく抑えながら、表示機構と文字盤側の複雑機構を収めるスペースを確保している。
このサイズと厚さになると、長く直線的なエンパイアラグの弱点が見え始める。ただこの厚みがあり、しかもケースバックがわずかにドーム状になっている時計であれば、どのみち手首の上では腰高に見えるだろう。装着感はかなりいいが、私自身のスタイルには少し鮮やかすぎる。ほかのリミテッドエディションと同じくこちらも25本限定で、価格は4143万7000円(税込)である。
ブレゲ トラディション トゥールビヨン Ref.7047PT。直径41mm、厚さ16mm、ラグ・トゥ・ラグ50.5mmのプラチナケースを採用し、防水性能は30m。セミオープン仕様の文字盤はパラジウムゴールド製で、ブルー・ド・フランスのグラン・フー エナメルが施されている。表示は時・分表示、フュゼ・チェーン機構を備えたワンミニッツトゥールビヨン。ムーブメントは手巻き式キャリバー569で、1万8000振動/時(2.5Hz)のテンプと約55時間のパワーリザーブを備える。ストラップはブルー・ド・フランスのラバー製で、グレイシャーブルーのトップステッチとプラチナ製デプロワイヤントバックルが組み合わされる。25本限定で、1/25から25/25までの個別番号が手彫りで刻まれる。価格は4143万7000円(税込)。
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