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Introducing バレルハンドのモノリスがついに登場した

6年の開発期間を経て誕生したモノリスは、次世代の宇宙時代を見据えたツールウォッチだ。

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6年の開発期間を経て、バレルハンドはモノリスを正式に発表した。この時計は、宇宙時代に向けて設計された新世代のツールウォッチを象徴する存在だ。これまで時計は、人類の宇宙飛行の歴史において重要な役割を果たしてきたが、航空宇宙規格(ISO)やNASAの材料ガイドライン、EVA/IVAの試験プロトコルといった有人の深宇宙探査で求められる水準を満たすように設計・製造されたものはほとんどなかった。だがモノリスはまさにそれを実現しており、バレルハンドは、現代ではツールウォッチにほとんど求められなくなった水準を満たすために、徹底的な取り組みを行っている。

barrelhand monolith

 NASAはアポロ計画の黎明期、ジェミニ計画で得た5年間の経験を活かし、標準仕様の腕時計が乗組員に必要だと説明した覚書を発行した。その後の経緯は時計史のなかでも広く知られており、オメガのスピードマスターは最終的に誰もが憧れる“飛行認定”の地位を獲得し、1968年から1972年までのアポロ計画のすべての有人飛行で採用された。NASAが策定した試験プロトコルでは、市販されていた複数の時計に対し、極端な温度、気圧、衝撃への曝露を含む一連の過酷な試験が課された。どの時計も完璧に試験をクリアしたわけではなかったが、そのなかでスピードマスターは、おそらく最も良好な状態で試験を生き残ったのである。

 重要なのは、NASAの調達・契約部門によって選定された時計のいずれも、こうした試験を想定して作られていたわけではないという点だ。スピードマスターとロレックス デイトナはどちらも自動車レースを念頭に置いて設計されており、ハミルトンは試練のために懐中時計を提供したため、その時点で審査対象から即座に外されている。つまり、これらはいずれも宇宙飛行のために設計されていなかったのだ。

 宇宙旅行と探査の新たな章が幕を開けようとしている今、そのような環境で真価を発揮するようにゼロから設計された時計はどのようなものになるのだろうか? バレルハンド モノリスはまさにその問いに対するひとつの回答を示している。そして優れた科学計測機器がそうであるように、この時計も学びと発展のための出発点として存在している。これはオープンソース設計であり、ブランドは現在、船外活動(EVA)チームやエンジニア、さらに現役・元宇宙飛行士たちに対して、このプラットフォームのさらなる検証と試験への協力を積極的に求めている。では、宇宙のために開発された次世代ツールウォッチとは、具体的にどのようなものか見ていこう。

barrelhand monolith

 バレルハンド モノリスは、38mm×45mm×11.8mmのケース構造が特徴だ。印象的なデザインは、大きな凹みと角張った面が特徴で、全体がスカルマロイ(Scalmalloy)という素材で3Dプリントされている。この素材は、3Dプリント用に特別に開発された改良型のアルミニウム合金で、高い引張強度、熱安定性、耐腐食性を備えることから、航空宇宙分野で広く使用されている。このような用途においてきわめて重要な特性に加え、チタンの降伏強度を上回りながら重量はほぼ半分という点も大きな利点だ。ちなみに、この時計の重量は(ストラップを除いて)わずか31gしかない。

barrelhand monolith
barrelhand monolith

 ケースには、極端な温度変化や圧力変化から内部を保護するためにエアコア(Aircore)断熱材が使用されているほか、理論上3000G以上の衝撃に耐えられる“エンジンマウント”式の衝撃吸収システムも搭載されている。そしてこれらすべてがセリタ SW300-1bをベースにした自動巻きのM1 Engineムーブメントを保護する。またこのムーブメントは、2万8800振動/時で振動するグリュシデール製のテンプと、ニッケルリン製のガンギ車およびアンクルを搭載し、ISO 764/DIN8309規格に準拠した耐磁性能を備え、6姿勢で日差平均±5秒に調整されている。

 この時計の名称は、船外活動(EVA)での使用を想定して設計され、−120℃から120℃までの温度に耐えられる夜光が一体成型されたエアロライト X2セラミックという特殊素材に由来する。この素材を用いた部品は、真鍮製のプレートによる溶接構造の内部に収められており、塗料や接着剤は一切使用されていない。視認性の高いダイヤル構成は、デザイン面でも奥行き感を感じさせる。もちろんそれ自体が主な目的ではないにせよ、魅力的なデザイン要素だ。なお、ダイヤル製作に携わったのは、ブラック・バジャー(Black Badger)ことジェームズ・トンプソン(James Thompson)氏だ。

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 さらに詳しく見ていくと、数々の興味深いディテールが見つかるが、これらはすべて高い耐久性を実現するために総合的に設計されている。ケースバックとストラップバーは、既存のISS(国際宇宙ステーション)用ツールセットと互換性のあるトルクスネジで固定されており、サファイアガラスには反射を抑えるマグネシウムフッ化物コーティングを施したラボグレードのCプレーンを採用。8mmのエアロック式リューズはグローブ着用時でも操作可能で、水中でも巻き上げと時刻合わせができる。特製のフックストラップには、船外活動(EVA)モードと船内活動(IVA)モードがそれぞれ用意されている。

 また時計を裏返しても、一般的に想像されるようなムーブメントや刻印入りのソリットケースバックは現れない。代わりに現れるのは、どこか異質な印象すら与える不思議なホログラフィックディスクだ。これはメモリーディスクモジュールであり、1000年以上保存可能な3GBのナノフィッシュ(NanoFich™)“文化的ペイロード”を内蔵している。そこにはユネスコ憲章前文の286言語による翻訳、厳選された世界各国のアート作品、リチャード・D・ジェームズ(Richard D. James)による視覚音響作品、R.O.C.K.による子どもたちの絵画、そして『星の王子さま』のフランス語初版などが収録されている。このディスクはスタンパー技術を用いて製造され、薄いニッケルベースのフィルムに文字や画像を刻み込むことで作られている。これは情報の保存・アーカイブ化を目的とした技術であり、この時計が本来想定している用途を考えれば、きわめてふさわしい要素と言えるだろう。

 モノリスは特殊な用途に向けた明らかにニッチな存在であり、価格は9750ドル(日本円で約150万円)。そしてその実態は、歴史的・現代的な宇宙飛行基準を満たし、さらには上回ることを目的とした、綿密に考え抜かれた設計とエンジニアリングのソリューションの集合体だ。完成した時計のプロトタイプは精度、耐圧性、視認性、耐衝撃性、耐磁性、防水性、手巻きとリセット機能、そして信頼性という6つの柱に基づいて考案された無数の試験を受けている。 バレルハンドはこれら各項目を検証するため、社内で独自の試験を考案した。例えば圧力チャンバーを使用して時計を両端の極端な圧力にさらしたり、ケンモア 500シリーズの洗濯機を使用して加速試験を行ったりした。モノリスの最初の注文分はすでに初期ユーザーへ届けられており、現在は次回ロットの予約注文を受け付け中で、今年第4四半期の納品が予定されている。

 現時点で公開されている試験結果を見る限り、その成果は非常に良好だ。バレルハンドによれば、船外活動(EVA)試験の結果は社内想定を大きく上回り、歴史的な基準すら凌駕したという。今後のステップとしては、第三者機関による検証を行うとともに、クロノグラフのような追加機構にも対応可能な形へ、このコンセプトを拡張していく予定だ。そしてここからは読者自身もこのプロジェクトに関わることができる。モノリスの組立用CADファイルは一般公開される予定であり、コミュニティによる独立したレビューを促進し、最終的にはより堅牢なシステム開発へとつなげる狙いがある。またブランドは現在、船外活動(EVA)チーム、エンジニア、現役・元宇宙飛行士たちとの協業を積極的に求めており、このプラットフォームのさらなる評価と検証を進めようとしている。編集部注:つまりこれは、家庭用3Dプリンターでもモノリスのケース原型を出力できるということでもある。続報に期待したい。

 モノリスは、機能性を最優先に考えた古典的でありながら正真正銘のツールウォッチとしてのアプローチを体現している。これは、ツールウォッチを装った贅沢品や自己満足のためのプロジェクトではない。歴史的に偉大なモデルの多くは、現代では全く異なる領域に属しているため、現代のツールウォッチに懐疑的になるのは容易だ。ロレックス シードゥエラーやオメガ シーマスター プロプロフといった時計が今日でも多くの人々を魅了するのは、数十年前のその誕生の経緯が異例だったからだ。残念ながら、SEALABのようなプログラムはもはや存在しないが、近年の宇宙開発計画の活性化は、同じ基本原則を適用する新たな可能性を示しており、アナログの冗長性という概念は、新世代のツールウォッチへの道を開くものでもある。モノリスは、その新世代を初めて垣間見せる存在のように感じられる。

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 さらにこのプロジェクトがオープンソースであることは、確立された科学的手法に沿った長期的な成長軌道を保証する。バレルハンドは社内試験に加えて、より良い最終結果を生み出すために、独立した第三者機関による検証とピアレビューの重要性を引き続き認識している。

 メモリーディスクモジュールの搭載は、この時計に、現代の宇宙開発計画における単なる用途以上の深い意味を与えている。それはパイオニア10号と11号に搭載されて宇宙に送られたプレートや、今もなお太陽系の果てを旅し続けるボイジャー探査機に搭載されたゴールデンレコードとの比較を想起させる。故カール・セーガン氏が述べたように、「我々が生き延びる義務を負っているのは、自分たち自身に対してだけではない。我々を生み出した、古く広大な宇宙に対してでもある」。このようにモノリス(アーサー・C・クラークの『2001年宇宙の旅』へのオマージュはさておき)はいずれ星々へと進出し、そこへ到達できるという希望を象徴しているのだ。

 深宇宙探査の未来がどうなるかはともかく、モノリスのような時計が持つストーリーは時計というカテゴリー全体に新たな活力を与え、ツールウォッチとは何か、そして何であり得るのかという概念を、まさに必要とされていた形で刷新するものである。


基本情報

ブランド: バレルハンド(Barrelhand)
モデル名l: モノリス(Monolith)

直径 38mm
厚さ: 11.8mm
ラグ・トゥ・ラグ: 45mm
重さ: 31g(ストラップ除く)
ケース素材: スカルマロイ(Scalmalloy)(3Dプリント製)
文字盤色: ブラック
インデックス: アプライド
夜光: 針およびインデックス
防水性能: 200m(加えて0気圧=真空環境下での試験も実施)
ストラップ/ブレスレット: ファブリックストラップ、グレード5チタン製フッククロージャー付き


ムーブメント情報

キャリバー: M1 Engine(セリタ製SW300-1bをベース)
機能: 時・分表示、センターセコンド
パワーリザーブ: 50時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
クロノメーター認定: なし
追加情報: ISO 764/DIN 8309準拠の耐磁性能を備えるほか、全方向からの衝撃吸収に対応するムーブメントマウントを採用


価格&発売時期

価格: 9750ドル(日本円で約150万円)
発売: 予約受付中、納品は2026年第4四半期を予定

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