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Photo Report HODINKEE.jp × ジラール・ペルゴ エクスクルーシブナイト “Laureato in Time” in 大阪 2026

世界に先駆けて、話題の新作ロレアート フィフティが公開された特別な一夜の様子をレポート。

2026年5月24日、大阪で開催されたジラール・ペルゴ(Girard-Perregaux)の“Laureato in time”イベント。その中心となったのは、ブランドを代表する名作のひとつであるロレアートの新作、ロレアート フィフティの新バリエーションの先行お披露目だが、メインイベントを前に参加者たちは続々とジラール・ペルゴ ブティック 大阪に集合。まずはブティックツアーを通じて、ジラール・ペルゴの世界観を堪能した。

ジラール・ペルゴ ブティック 大阪


ロレアート フィフティの新作を世界に先駆けて披露
Introducing: ジラール・ペルゴ ロレアート フィフティ 39mm&36mm、SSモデルが生産本数限定で登場(編集部撮り下ろし)

ロレアート フィフティの新たなバリエーションとして登場した39mm&36mmのSSモデルの詳細について知りたい方は、こちらの記事も併せて読んで欲しい。

 メインイベントは会場をラグジュアリー・ライフスタイルホテル、W大阪へ移して実施された。この日披露された新作のロレアート フィフティは、単なるアニバーサリーモデルではない。1975年に誕生したロレアートのデザインDNAを受け継ぎながら、エナメルダイヤルや新たなサイズ展開、新ムーブメント、そしてよりドレッシーなケースプロポーションを備えた、現行ロレアートとは明確に異なる解釈を与えたモデルだ。トークセッションでは、その背景にあるジラール・ペルゴの歴史、技術、デザイン哲学、そして独立ブランドとしての姿勢について多角的に語られた。

 イベント冒頭、ジラール・ペルゴ ジャパンの代表取締役社長でありブランドマネージャーでもある安田幸充氏が挨拶した。2025年にはロレアート誕生50周年を記念し、スティール&ゴールドのコンビモデルが発表されている。今回のイベントで披露されたのは、その第2弾。正式発表を前に、参加者が世界に先駆けて実機に触れることができる貴重な機会となった。

ジラール・ペルゴ ジャパン代表取締役社長兼ブランドマネージャー、安田幸充氏。

 トークセッションではジラール・ペルゴのPresident Europe, Japan & Koreaのリュック・デュクロワ氏とHODINKEE Japan編集長・関口が登壇。その中心となったのは、6月4日に正式発表となった話題作ロレアート フィフティだ。今回の新作では39mmと36mmという新しいサイズが採用されたが、これはジラール・ペルゴにとって新たなサイズレンジであり、従来のロレアートとは異なる顧客層に訴求する意図が込められている。特に36mmサイズは、女性や、パートナーのための時計を探す顧客へのアプローチとして位置づけられた。これまで同ブランドではメンズサイズの印象が強かったが、36mmモデルはコレクションの幅を広げ、より多様なユーザーにロレアートの魅力を届けるための第1歩となる。

ジラール・ペルゴ President Europe, Japan & Koreaのリュック・デュクロワ氏。

リュック氏の手首には、ロレアート スケルトンの姿が!

登壇したリュック氏とHODINKEE Japan編集長・関口の手で新作をアンベール。

ロレアート フィフティ 39mm ブルーエナメルダイヤル

ロレアート フィフティ 39mm 18Kソリッドゴールドダイヤル

ロレアート フィフティ 36mm シルバーカラーダイヤル

 今回、最も強調されたのはダイヤルだ。新作では、クル・ド・パリ装飾を施したダイヤルの上にエナメルを重ねるという、ロレアートとしては初の試みが採用された。エナメルを採用した理由について、リュック氏はロレアートの“スポーツシック”という性格と結びつけて説明した。ロレアートは一体型ブレスレットを備えるスポーティな時計でありながら、ジラール・ペルゴらしいオートオルロジュリー(高級時計製造)の美意識を宿したコレクションだ。エナメルは自然光の下で独特の輝きを見せ、その美しさが、ロレアートが持つ“シック”な側面を際立たせるものだと語った。

Photograph by Kyosuke Sato

 このエナメルダイヤルが、ジラール・ペルゴ社内で製作されている点も重要だと話す。リュック氏はブランドがウォッチメイキングに関する多くの工程を自社内で行うマニュファクチュールであることを強調。ヒゲゼンマイのような部品まで自社製造していることに触れながら、ダイヤルのエナメル加工もまた、ブランドが持つクラフツマンシップを象徴する要素のひとつである。

 もうひとつの文字盤仕様として紹介されたのが、ゴールドダイヤルだ。これはソリッドゴールドを素材としながらローズゴールドカラーを重ねた仕様で、単にゴールドの文字盤という以上に手の込んだ作りになっている。クル・ド・パリ装飾の細かさやパターンの大きさも、モデルごとに調整されており、光の反射や見え方を最大限に引き出すため、ダイヤルごとに装飾のスケールを変えるという作り分けが行われている。

Photograph by Kyosuke Sato

 リュック氏はこの点がインハウス体制の強みだと語る。デザインからムーブメント設計、ダイヤル製作、仕上げまでを内部で行えるため、細部の微調整が可能になる。通常、外部サプライヤーに依頼すれば非常に高額になったり、そもそも実現が難しかったりするような仕様でも、自社内でノウハウを持っているからこそ、小ロットでの作り分けができる。限定本数が200本や150本といった規模であっても、それぞれに異なる表情を与えられる点が、マニュファクチュールとしての強みということだ。

 ケースとブレスレットのデザインについても、既存のロレアートとの違いが詳しく語られた。ロレアート フィフティは、既存のロレアートに取って代わるモデルではない。リュック氏はロレアートは、時代ごとに形を変えながらも核となるDNAを保ち続けている存在として説明した。同じデザインコードを持ちながら時代に応じて解釈を変えていくコレクションだと位置づけられている。

  “スポーツシック”という言葉についても、ブランドの考えが示された。ジラール・ペルゴにとってスポーツシックとは、日常のあらゆる場面に対応できる時計を意味する。Tシャツのようなカジュアルな装いにも、スポーティな服装にも、ビジネススタイルにも合わせられる。特定のシーンに限定されない“エブリデイウォッチ”であることが重要だとリュック氏は話す。ただし、それは単に便利な時計という意味ではない。ブランドの根底にはオートオルロジュリーの歴史があり、ロレアートにはその技術と仕上げが反映されていることが重要だと強調した。

 トークセッションの後半では、ブランドの未来像にも話が及んだ。ジラール・ペルゴの年間生産本数は約4000本だが、これを大きく増やす考えはないという。大規模グループに属するブランドではなく、エクスクルーシブでオーセンティックな姿勢を守ることが同社の方針。たとえばロレアート スケルトンは、製作できる時計師が3人しかおらず、年間生産は約100本に限られるという。効率や生産規模の拡大よりもクラフツマンシップと希少性を守ることを優先しているという。

トークセッション終了後は、新作ロレアート フィフティのタッチ&トライが実施され、イベント参加者はいち早く新作を手に取ることができた。

ジラール・ペルゴ ブティック 大阪のスタッフもイベントに立ち会い、細かな点まで新作の魅力を参加者に伝えた。

トークセッション後は参加者たちが皆、気さくに会話を交わし、終始和やかな雰囲気のなかでイベントを楽しんだ。

 ロレアート フィフティの本質は、既存のロレアートの上位版でも、単なる記念モデルでもない。ロレアートという50年続くデザインDNAを、現代の感性とジラール・ペルゴの高度な手仕事によって再解釈したモデルだ。このモデルを通じて語られたブランドの本質は、流行に迎合せず、歴史と技術を背景に、自分たちの美意識を守る独立系マニュファクチュールとしての姿勢だ。今回のイベントを通じ、ブランドが今後も“量”ではなく“質”で存在感を示していくことをユーザーに印象づけるものとなった。

特に表記のない画像は、Photographs by Azusa Todoroki(Bowplus Kyoto)