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6月6日、大阪・心斎橋のA.ランゲ&ゾーネ ブティック 大阪心斎橋にて、「HODINKEE.jp × A.ランゲ&ゾーネ エクスクルーシブ イベント in 大阪 2026」を開催した。会場には事前応募で選ばれた15名の読者が集まり、Watches & Wonders Geneva 2026で発表された新作を実際に手に取りながら、A.ランゲ&ゾーネの時計づくりについて理解を深めた。
A.ランゲ&ゾーネ ブティック 大阪心斎橋
イベント前半は、HODINKEE Japan編集長の関口 優と副編集長の和田将治によるトークセッションからスタートした。まずは今年4月に開催されたWatches & Wonders Geneva 2026での現地取材をもとに、今年の時計業界全体の動向について振り返った。
話題の中心となったのは、時計市場で進む小径化だ。かつては存在感のある大型ケースが支持を集めた一方、近年はよりコンパクトなサイズと快適な装着感への関心が高まりつつある。会場では各ブランドの新作を例に挙げながら、小径化は単なる流行ではなく、時計に求められる価値観そのものの変化の表れであることを解説した。
なかでも大きな注目を集めたのが、Watches & Wonders Geneva 2026で発表された新作のサクソニア・アニュアルカレンダーである。
記事「A.ランゲ&ゾーネがサクソニア・アニュアルカレンダーを36mmにサイズダウン」も併せてご覧ください。
この新作は近年の小径化を象徴するモデルのひとつとして受け止められているが、トークセッションでは、その背景にある開発思想が紹介された。A.ランゲ&ゾーネの商品開発責任者であるアントニー・デ・ハス氏によれば、サクソニア・アニュアルカレンダーに搭載される新開発キャリバーL207.1は、5〜6年前から開発が進められていたという。その出発点となったのは市場の要請ではなく、自らの技術的限界へ挑戦したいという開発陣の思いがあったことが語られた。
限られたスペースのなかにアニュアルカレンダー機構を収めることは、大きな技術的チャレンジだった。その過程で得られた小型複雑機構に関するノウハウは、今後の時計開発にも生かされるという。参加者たちは、単なるサイズダウンにとどまらないA.ランゲ&ゾーネらしいアプローチについての解説に、熱心に耳を傾けていた。
また会場では、日本にふたりしかいないA.ランゲ&ゾーネの専属時計師によるムーブメント組み立ての実演も行われた。参加者は、普段はサファイアクリスタル越しにしか見ることのできないムーブメントの構造や部品を間近で観察しながら、ブランドの時計づくりへの理解を深めた。
実演では、A.ランゲ&ゾーネを象徴する素材であるジャーマンシルバーについても解説が行われた。銅、亜鉛、ニッケルを主成分とするこの素材は、美しい色味を持つ一方できわめて繊細でもある。素手で触れると指紋がシミとして残ってしまうことがあるため、取り扱いには細心の注意が求められる。それでもA.ランゲ&ゾーネはブランド復興以来、一貫してこの素材を使い続けているが、ドイツ時計らしい伝統と美意識を体現する素材として、現在もムーブメントの地板や受けに採用している。
トークセッションを通じてグラスヒュッテの時計づくりやムーブメントの構造について理解を深めたのち、実際に時計師の組み立て作業を見ることができたことも、この日の大きな見どころだった。会場には手に取ることができる部品も用意され、参加者たちは素材の質感や仕上げを確かめながら、その精緻なつくりに見入っていた。
トークセッション終了後は、時計を実際に手に取るタッチ&トライセッションが行われた。そこではランゲ1や1815をはじめとする定番コレクションに加え、新作のサクソニア・アニュアルカレンダーも並び、参加者はそれぞれのモデルを腕に載せながら、その魅力を確かめていった。
ツァイトヴェルク・デイト
リヒャルト・ランゲ・ジャンピングセコンド
1815 34mm
記事や写真だけではわかりにくいケースの厚みや重量感、ダイヤルの質感、そしてムーブメントの仕上げを間近で確認できるのは、こうしたイベントならではの体験だ。会場では参加者同士の時計談義も自然と始まり、A.ランゲ&ゾーネという共通の関心を通じて交流を深める様子が見られた。
プラチナ製ケースを備えたランゲ1の30周年記念モデルとハニーゴールド製ケースの1815 ムーンフェイズ“F. A.ランゲへのオマージュ”をダブルリスティングする参加者。
ランゲ1・ムーンフェイズ
リヒャルト・ランゲ・トゥールビヨン“プール・ル・メリット”
36mmの新作サクソニア・アニュアルカレンダーに見入る参加者。
Watches & Wonders Geneva 2026の新作を入り口に、A.ランゲ&ゾーネの技術的挑戦と時計づくりの哲学に触れた今回のイベント。背景を知り、実機に触れ、そして職人の技を間近で見ることで、参加者にとってブランドをより深く理解する貴重な機会になったに違いない。
ランゲ1・パーペチュアルカレンダー
小径モデルは会場でも人気が高かった。
Photographs by Azusa Todoroki(Bowplus Kyoto), Top Image by Masaharu Wada
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