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Introducing J.N.シャピロ インフィニティシリーズ “ラディアント” クロノグラフを2モデル展開(編集部撮り下ろし)

カリフォルニアの航空宇宙産業から着想を得た、重量級のモノプッシャー式クロノグラフだ。

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Photos by Mark Kauzlarich


我々が知っていること

時が経つのは早いもので、J.N.シャピロがブランド初の複雑機構を搭載した時計を発表してから、ほぼ10カ月が経った。それはボストン近郊のコレクターに向けて限定生産されたモノプッシャー・クロノグラフで、サーモンピンクとブラックのダイヤル、ステンレススティール(SS)製のケースを採用し、14本限定で製造された。そして今回、そのコンセプトが再び登場する。搭載するムーブメントは同じだが、時計全体の仕立てにはいくつか明確な改良と呼べる点が加えられていると言ってよいだろう。

J.N. Shapiro Infinity Series 'Radiant' Chronographs

 このモデルでは、時計の主要な構成素材としてタンタルとジルコニウムが採用されているが、いずれも特殊な特性を持つことから、航空宇宙の分野で広く用いられている素材だ。J.N.シャピロはプレスリリースのなかで次のように語っている。「私たちの工房は、世界最大級の航空宇宙製造拠点のひとつに位置しています。スペースX、ボーイング、ノースロップ、そしてJPL(ジェット推進研究所)といった企業や機関が近隣にあります。この時計はそうした環境へのオマージュであり、スペースエイジを象徴する金属と隕石を用いることで、私たちのルーツとインスピレーションの源泉を表現しています」

 この時計は2種類のダイヤルバリエーションがあり、どちらも直径38mm×厚さ9.6mm(風防を除く厚さは8.2mm)のタンタル製ケースに収められている。加工がきわめて難しいことで知られるこのダークグレーの素材は驚くほど重厚感があり、装着した時の存在感を際立たせている。

J.N. Shapiro Infinity Series 'Radiant' Chronographs

Photo courtesy J.N. Shapiro

J.N. Shapiro
J.N. Shapiro

 1つ目のダイヤルは、カリフォルニアと航空宇宙産業とのつながりを最も直接的に表現したもので、ブルージルコニウムのチャプターリングとブルースティール針を備えたメテオライトを採用している。チャプターリングには時表示用の目盛りに加え、3時、6時、9時位置のアラビア数字、そしてミニッツトラックが刻まれているが、クロノグラフ専用の目盛りは設けられていない。またインダイヤルの積算計には、J.N.シャピロを象徴するスタイルであるギヨシェ装飾が施されている。

J.N. Shapiro Infinity Series 'Radiant' Chronographs
J.N. Shapiro
J.N. Shapiro
J.N. Shapiro Infinity Series 'Radiant' Chronographs

 ギヨシェ装飾が施されたブルージルコニウム製ダイヤルに、同素材のチャプターリング、そしてポリッシュ仕上げを施したSS製の針は、J.N.シャピロのより伝統的なデザインと言えるだろう。おそらく多くの人にとって、J.N.シャピロの時計を購入する理由は、ブランドを世に知らしめたあの美しいギヨシェ装飾にあるだろう。SS製の針は、鮮やかなブルーダイヤルに映えるが、J.N.シャピロはこのような斬新な素材を使用している点でも高く評価されるべきだ。

J.N. Shapiro Infinity Radiant

Photo courtesy J.N. Shapiro

J.N. Shapiro Infinity Radiant

Photo courtesy J.N. Shapiro

 この時計はモノプッシャー式の手巻きムーブメント、ラ・ジュー・ペレ5000-4を搭載しており、パワーリザーブは38時間、振動数は2万8800振動/時、ブリッジにはギヨシェ彫りを施したJ.N.シャピロのホールマークロゴがあしらわれている。このムーブメントに見覚えがある方もいるかもしれないが、先日、同じムーブメントを搭載したアンジェラスの時計を紹介した。これは基本的に、THA(フランソワ-ポール・ジュルヌ、ヴィアネイ・ハルターらと共に)が設計し、カルティエのトーチュ モノプッシャーにも採用された有名なモノプッシャー式ムーブメントだ。とはいえムーブメントは時計本体よりもかなり小さいため、ケースサイズとムーブメントサイズの比率がアンバランスであることが気になる人もいるだろう。

J.N. Shapiro Infinity Radiant

Photo courtesy J.N. Shapiro

J.N. Shapiro
J.N. Shapiro

 装着すると、重量感はあるものの、適度なサイズ感のおかげで装着感のバランスが良く仕上がっている。ムーブメントはもう少し小型のケースにも収まるかもしれないが、このサイズは幅広い手首のサイズに対応する。また、興味深い素材であるタンタルがJ.N.シャピロの時計に使われるとは予想していなかったが、少なくともひとつの意味では、その素材選びには納得がいく。

Photo courtesy J.N. Shapiro.

Photo courtesy J.N. Shapiro

 J.N.シャピロは、ミンやフレミングとともにオルタナティブ・オロロジカル・アライアンス(AHA)の一員である。そして特にミンとは、カーブしたバネ棒穴を備える各ブランドの時計に対応する20mm幅のユニバーサルブレスレットを共同開発。そのため写真によっては、この時計にはブルーのアリゲーターストラップに加えて、タンタル製ブレスレットが装着されているのが確認できる。このブレスレットは1万2950ドル(日本円で約200万円)のオプションだが、タンタル製のミンを所有する方にとっては魅力的な追加投資となるだろう。

J.N. Shapiro Infinity Series 'Radiant' Chronographs
J.N. Shapiro

 J.N.シャピロの新作インフィニティシリーズ “ラディアント” クロノグラフは、初回生産分として2種類のダイヤルを合わせて75本限定となっている。価格は3万5900ドル(日本円で約580万円)で、オプションのブレスレットは別途1万2950ドル(日本円で約200万円)だ。


我々の考え

スイスや日本の時計メーカーがひしめく世界で、たとえアメリカの反対側の海岸に拠点を置くブランドだとしても、地元チームを応援できるのはうれしいことだ。J.N.シャピロのリサージェンスシリーズは、“メイド・イン・アメリカ”の称号にふさわしい最高水準を誇っているが、ほかにもさまざまなレベルで優れた製品を生み出しているメーカーは存在する。しかしインフィニティシリーズはアメリカ製のムーブメントだけに依存することなく、アメリカの工房で培われた高品質なクラフツマンシップを披露する絶好の機会をブランドにもたらす。アメリカ製ムーブメントの開発・製造は、想像以上に多くの資源を必要とする。

J.N. Shapiro Infinity Series 'Radiant' Chronographs
J.N. Shapiro Infinity Series 'Radiant' Chronographs
J.N. Shapiro Infinity Series 'Radiant' Chronographs

 ジョシュ・シャピロ(Josh Shapiro)氏は、インフィニティシリーズからレディスウォッチを含むより幅広いバリエーションが登場する予定だと言っているし、間違いなくコレクションに追加されるだろう。シャピロの職人技は、特に文字盤の仕上げにおいて、どこかロジャー・スミスを思わせる独特の時計製造の系譜を受け継いでおり、これこそがこの時計の価値の中心を成している。もちろん、その魅力を理解するにはある種の審美眼を持った買い手が必要だろうが、シャピロ自身も、この時計を大量生産メーカーが手掛けるような幅広い層に向けた商品として考えていたわけではないはずだ。もっとも、現時点で評価を下すのは少々難しい。というのも、私が実際に見たのはプロトタイプだったからだ。たとえば数字の“6”のエングレービングやブルースティール針の色味がやや均一でないなど、もう少し改善の余地があると感じた部分はいくつかあった。それでも本作がJ.N.シャピロのラインナップに加わるきわめて興味深く、魅力的な時計であることは間違いない。


基本情報

ブランド: J.N.シャピロ(J.N. Shapiro)
モデル名: インフィニティシリーズ “ラディアント”(Infinity Series Radiant)

直径: 38mm
厚さ: 9.6mm(風防を除くと8.2mm)
ケース素材: タンタル
文字盤: テオライトダイヤル、ブルーのジルコニウム製チャプターリングとブルースティール針付き/ギヨシェ装飾を施したブルーのジルコニウム製ダイヤル、チャプターリング、ポリッシュ仕上げのスティール針付き
夜光: なし
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: アリゲーターレザーストラップ、オプションとしてAHA製のタンタルブレスレットを用意

J.N. Shapiro Infinity Series 'Radiant' Chronographs

Photo courtesy J.N. Shapiro


ムーブメント情報

キャリバー: ラ・ジュー・ペレ 5000-4
機能: モノプッシャー・クロノグラフ(30分積算計)
厚さ: 4.2mm
パワーリザーブ: 38時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 23


価格&発売時期

価格: 3万5900ドル(日本円で約580万円/注文時に50%のデポジット)、AHA製のタンタルブレスレットは1万2950ドル(日本円で約200万円)
発売: 2026年第2四半期より納品開始予定
限定: あり、初回生産は75本限定

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