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ホリデーシーズンも間近に迫り、今年も終わりに近づいてきた。時計愛好家にとっては、2023年を振り返ってその年のお気に入りの時計を思い返すときが来たということだ。
先日公開した、ベスト・バジェットウォッチ(低予算時計)の考察に続いて、今回はHODINKEEエディターらに、2023年のお気に入りのスポーツウォッチを教えてもらった。ダイバーズからクロノグラフ、そしてその中間に位置するものまで、日常生活(そしてそれ以上)ですぐに使える腕時計が欲しい人は、以下から記事をチェックして欲しい。
タグ・ホイヤー カレラ グラスボックス(ダニー・ミルトン)
タグ・ホイヤー カレラ グラスボックスは、私のお気に入りのスポーツウォッチであるだけでなく、今年最もエキサイティングな時計のひとつでもある。39mmというケースサイズから、完全再設計された風防、インナーベゼルのデザインに至るまで、これは単なる製品の刷新ではなく、ブランド理念により近いものであることを証明した。タグはこれまで、“着用できる”ヴィンテージ風のモデルや復刻モデルを、“ホイヤー”シリーズのために製作してきた。
今回タグ・ホイヤーが、傾斜したタキメータースケールと、文字盤にフルでロゴを入れた、非常に着用しやすいケースを備えたモデルを作ったということは、熱狂的なファンが求めているものに真摯に向き合っているということを意味している。今年だけでもブルー文字盤、逆パンダ(12時に日付表示)、“スキッパー”モデル(私とHODINKEEチームがボートに乗っているビデオ付き)、ゴールドエディションが登場している。どのように解釈しても、新型カレラ グラスボックスは今年、その存在感を示したのだ。
ダニー・ミルトン、編集長
オーデマ ピゲ ロイヤル オーク オフショア 37mm(マライカ・クロフォード)
私はオフショアに夢中だ。確かに、最近は自分が少数派であることを自覚している(もちろん、私もそれに快感を覚えているのだが)。でも、ちょっと昔に戻ることが嫌いな人はいないだろう? 私のY2Kノスタルジーへの執着を考えると、ここで何かをつかんだと思うかもしれない。Z世代が成長して高級時計を消費し始めると、オフショアは勝利の鐘を鳴らしながら戻ってくると予測している。
2023年はロイヤル オーク熱が加速しているが、オフショアもかなりの大ヒットを飛ばしてくれた。ありがたいことに、2000年代初頭のような柔軟性を好む、スポーティなオーデマ ピゲ愛好家がまだ残っている。このサーモンダイヤルの自動巻きクロノグラフは、ブリリアントカットダイヤモンドベゼルを備えている。オーデマ ピゲ オフショアの魅力は、ラバー+ダイヤモンドのような組み合わせを1本のモデルに集約したところにあると思う。遊び心があって若々しく、時計コレクションに必要な真面目さを感じさせない。このスペシャルなオフショアは、堅牢でありながら洗練された感じがする。楽しいが、予想以上に大人っぽい。彼女は完璧なのだ。
マライカ・クロフォード、スタイルエディター
レジェップ・レジェピ クロノメーター アンチマグネティック(ベン・クライマー)
今年も素晴らしいスポーツウォッチがいくつかあったが、そのなかでも特に私の心を掴んだものがあった。それはル・マン デイトナだ。でもマークに先を越されてしまったので、レジェップのクロノメーター アンチマグネティックで我慢しよう…冗談だよ!
この時計は本当に素晴らしい。Only Watchでは“ユニークピース”という形でしか公開されなかったが、まもなくシリーズとして公開されることはご存じのとおりだ。最近発表された時計のなかで最も優れた時計のひとつであり、またパテック 3417(よくパテック初のスポーツウォッチとも呼んでいる)を3本所有している私にとっては、いい意味で痛いところを突いてきた時計でもある。パテックやロレックスが50年代に作っていたようなスポーツウォッチだ。そして、ただただ神々しく見える。
ベン・クライマー、創業者
ロレックス “ル・マン” デイトナ Ref.126529LN(マーク・カウズラリッチ)
今年はロレックス デイトナの誕生から60周年だったから、ブランドにとって大きな年になるはずだった。もちろんプラチナデイトナにシースルーバックを付けたのには驚いたが、ほんの少し手を加えただけだと思い、私はそれに感心することなくWatches and Wondersを後にした。
どうやら私は間違った記念日を待ち構えていたようだ。
ル・マン・レース100周年を迎えた6月、ロレックスはここ数年で最高のデイトナをデザインした。新しいロレックス 126529LNは、別名“ル・マン” デイトナとしても知られている。ロレックス デイトナは当初、ロレックス ル・マンになるはずだったのだが、それは実現しなかった。今年の6月まで、ロレックスの“ル・マン”と言えばダブルスイスアンダーラインのRef.6239だった。しかし、これはその時計ではない。スティール製のデイトナでもない。まったく違うものなのだ。
SS製のデイトナもいいのだが、インダイヤルにある奇妙なリングにより視覚的にせわしない時計であった。ホワイトゴールドのブレスレット、ブラックのサンバースト文字盤とは対照的な真っ白なインダイヤル、赤く塗られた“100”スケール付きのセラミック製ベゼル、さらにコントラストを強調するWGの縁取り、そしてシースルーバックなど、WGのほうがはるかに優れている。ロレックスの仕上げは隠さなければならないほど悪いと言わせないほどだ。なかでも私が気に入っているのが、ポール・ニューマン デイトナをほうふつとさせるロリポップのインダイヤルインジケーターだ。ロレックスがオマージュを作らなくても、ファンと自分たちの歴史を認めることができると示しているのだ。
ヴィンテージロレックスの需要に伴う近寄りがたさは、ときにロレックスが巨大で感情がなく、無頓着な企業であるように感じることがある。新型ル・マン デイトナを手に入れるのはまだほぼ不可能だろうが、ロレックスは“我々はあなたの好みを知っている。我々も好きだからだ”と、うなずいている。
マーク・カウズラリッチ、エディター兼フォトグラファー
チューダー ブラックベイ 54(トニー・トライナ)
ブラックベイ 58では物足りないかのように、チューダーは今年37mm径のブラックベイ 54を投入した。これまでで最も小さくてスリムなブラックベイである。確かに、チューダーが2033年に28mm径のダイバーズウォッチを発売するというミームを見て、愛好家はまだ熱狂しているのだが、私には興味がない。
ブラックベイ 54は、チューダーが1954年に発表した初のダイバーズモデル、Ref.7922を現代的に解釈したものだ。ブラックベイの新鮮さを保つために、無機質なベゼルと新しいリューズに伝統的なインスピレーションを意図的に取り入れるなど、十分な変更を加えている。実は新しいチタン製ヨットマスターを選びたかったのだが、実物はおろかInstagramでも見たことがない。少なくとも今のところはユニコーンのままである。
リシャール・ミル RM 07-04 オートマティック スポーツ(エリン・ウィルボーン)
前回はバジェットウォッチ(しかも予算を大幅に下回る時計)を選んだため、今回は気分転換のために、天文学的に実現不可能な路線へと舵を切ろうと思う。今年の春に発売された、リシャール・ミル RM 07-04 オートマティック スポーツは、女性のためにデザインされた腕時計であり、技術的に複雑で見ていて楽しい。これらの色の組み合わせは、いずれも私の目を楽しませてくれる。正確に色が一致しているわけではないが、ピンク×ティールモデルは、90年代の定番だった“ジャズ”のソロカップを最初に想起させた。間違いなく褒め言葉だ!
18万5000ドル(日本円で約2616万3000円)もの現金が、不思議と私のもとに舞い降りるまで、今持っているパステルカラーのシャーク・フリースタイルウォッチがこの時計のバジェット版として機能することを、自分自身に言い聞かせ続けるだろう…。
エリン・ウィルボーン、コピーライター
A.ランゲ&ゾーネ オデュッセウス・クロノグラフ(リッチ・フォードン)
少しズルをしているような気もするが、気にしないでおこう。A.ランゲ&ゾーネのオデュッセウス・クロノグラフはスポーツウォッチを超えているが、このプロンプトの条件を満たしている。スポーツウォッチを選べと言われたら、一番大きくて画期的なものを選べばいいのではないだろうか?
オデュッセウスは発売当初から賛否両論あったが、実際にオデュッセウスを手にするコレクターや愛好家が増えれば増えるほど、同モデルのファンが増えている。それにランゲがクロノで自身の意見を主張しているのを見るのが好きなのだ。またセンターにあるミニッツカウンターを見るのも大好きだ。ヴィンテージ・ガイは、ロンジンやミドーなどのディテールを覚えている。
直径42.5 mmで好みより大きくても気にしない。そのサイズを乗り越えて、すべてのプラス面を享受できるほどうまくきこなせるだろうと思っている。ところで、この配色はなかなか難しい。パテックは長年、黒文字盤に赤のアクセントを効かせようと試みてきたが、ランゲはこの1回で完璧に仕上げてしまった。
リッチ・フォードン、VIPアドバイザー
チューダー ペラゴス FXD ブラック(ジェームズ・ステイシー)
(ジェームズが歌いながら)サプライズ、サプライズ、サプライズ、サプライズ…。昨年、ペラゴス 39を選んだこと(そしてGPHGでの優勝はまったく関係ない)を考えると、徹底的にモダンに成長し続けるチューダー ペラゴスの成長、そしてより具体的には2023年誕生の、変わり種のFXD ブラックバージョンへの感謝という点で、僕が同じようなフォーマットに固執するかもしれないことは、あなたは特に驚くことはないだろう。
一部の人からは、オリジナルのブルー FXDから色を変更しただけだと見過ごされているが、ブラックモデルは非常によく似たフォーマットを踏襲しながらも、より従来の経過時間ベゼルへと変更がされている。オリジナルモデルでデビューしたラグ固定式ケースに装着されたが、ベゼル(またはカラー)は大きな変更ではないと言って差し支えない。ブラック FXDがよりクラシックなちょうど真ん中の選択肢となり、十中八九、僕はダイバーズウォッチにそれを求めている。
ブラック FXDは、ブルーモデル(あるいはP01)ほど奇妙でも奇抜でもなく、ペラゴス 39のジェネラリスト的な魅力とFXDシリーズの型破りな土台を組み合わせて、チューダーのダイバーズウォッチのアイデアを真に現代的な形にしている。僕は完璧に、この時計のためにここにいるのだ。
ジェームズ・ステイシー、リードエディター
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