Introducing グラスヒュッテ・オリジナル パノマティックカレンダーから、夜明けの青に着想を得たダイヤルが印象的な最新作

　ドイツ時計におけるネーミングは、実に明快で好感が持てる。パノマティックカレンダーもその名のとおりの機能を備えている。グラスヒュッテ・オリジナルらしい非対称のレイアウトに加え、大型のパノラマデイト、さらにアニュアルカレンダーとムーンフェイズ表示を組み合わせているのだ。ケースは直径42mm、厚さ12.4mmのプラチナ製で、ラグ・トゥ・ラグの長さは49.28mmと、ケースサイズに見合ったしっかりとした寸法をとっている。まず目を引くのは、スケルトン仕上げのブルーダイヤル越しに見えるストライプ装飾が施された地板である。そこに見える、青焼きのネジと針がダイヤルの色調に調和しているのも印象的だ。視認性について不安を感じるかもしれないが、アプライドのホワイトゴールド製インデックスと夜光のドットがしっかりとサポートしている。

　ダイヤル中央に目が行きがちだが、外周のスネイル仕上げ部分にさりげなく組み込まれたアニュアルカレンダーの月表示にも注目したい。そこには青みがかったサファイアクリスタルが重ねられており、12カ月の数字のうち、月を示す部分だけが透明になっている。その下には白いレトログラード式のインジケーターが配置されており、現在の月を明確に指し示す仕組みだ。その他の月の数字は青く見えるため、表示が際立ってわかりやすい。なお、このモデルはアニュアルカレンダー機構を搭載しているため、日付の調整が必要となるのはうるう年のときだけである。

　このモデルに搭載されているのは、自社製の自動巻きCal.92-11である。シリコン製ヒゲゼンマイを備え、驚異的な100時間のパワーリザーブを誇る。もちろん、グラスヒュッテの名門ブランドらしく、ムーブメントにはストライプ装飾や面取り（アングラージュ）など、高級時計にふさわしい仕上げが施されている。なかでも、手作業で彫金されたテンプ受けは見どころのひとつだ。

　グラスヒュッテ・オリジナル パノマティックカレンダーの新作は150本の限定生産で、価格は611万6000円（税込）となっている。

　パノマティックカレンダーはグラスヒュッテ・オリジナルのラインナップのなかでは、まだあまり注目されていないモデルに思える。もっと話題になってもいいはずだ。ムーブメントは非常に見応えがあり、特にアニュアルカレンダーに組み込まれたレトログラード式の月表示は特筆に値する。またスケルトン仕上げのダイヤルデザインは、クラシカルなパノシリーズと、ムーブメントを反転させたパノインバースの中間に位置する絶妙なバランスを保っている。価格は611万6000円（税込）。決して安価とはいえないが、それでもこの内容なら納得できるという印象だ。プラチナケースでありながら、他ブランドのホワイトゴールド製アニュアルカレンダーよりも競争力のある価格設定となっており、このモデルならではのユニークな表現が楽しめる。そして、こうした現代的な感性を積極的に取り入れている点こそ、グラスヒュッテ・オリジナルの魅力が最も発揮されている部分だと感じる。これはまさに、ブランドの“会心の一撃”とも呼べる1本である。……とはいえ、欲を言えばステンレススティール製のバリエーションも見てみたい。贅沢な望みだろうか？

ブランド: グラスヒュッテ・オリジナル（Glashütte Original）
モデル名: パノマティックカレンダー
型番: 1-92-11-01-03-61 

直径: 42mm
厚さ: 12.4mm
ケース素材: プラチナ
文字盤色: ブルー
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: 5気圧
ストラップ/ブレスレット: アリゲーターレザーストラップ、またはブルーの合成繊維ストラップ

キャリバー: 92-11
機能: 時・分表示、スモールセコンド、ムーンフェイズ、アニュアルカレンダー（パノラマデイトおよびレトログラード式月表示）
パワーリザーブ: 100時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 53
クロノメーター認定: なし

価格: 611万6000円（税込）
価格: 発売中
限定:  150本

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