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Introducing ロルカ モデルNo.2 クロノグラフ(編集部撮り下ろし)

ミッドセンチュリースタイルのクロノグラフが登場。若きニューヨークブランドが仕掛ける次なる一手とは。

Photos by Anthony Traina

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我々が知っていること

ロルカを覚えているだろうか? 2023年初頭に登場したこの新しいブランドは、カナダ・スイス出身でニューヨーク在住のジェシー・マーチャント(Jesse Marchant)が設立したもので、その第1作目となるモデルNo.1で我々を大いに驚かせた。モデルNo.1は直径36mmのGMTウォッチで、その出来のよさは作家のゲイリー・シュタインガートも詩的な称賛を投げかけたほどだ。そして今、ロルカはモデルNo.2を引っ提げて帰ってきた。この新作は、初代モデルのプロポーションとミッドセンチュリーからインスピレーションを受けたデザインをクロノグラフに応用したものである。

lorca model no. 2 chronograph

 ロルカのモデルNo.1 GMTが持っていた魅力は、その意外性であった(36mm径に? それともGMT機能に? もしくはヴィンテージインスピレーションに? いずれにせよ私も、そしてゲイリーも間違いなく心を奪われた)。モデルNo.2 クロノグラフにはそれとは異なる魅力がある。言うなれば洗練だ。モデルNo.1の多くの要素を引き継ぎながらも、明確に違いを持たせている。そしてGMTのときと同様に、特定のミッドセンチュリーやヴィンテージのインスピレーションを指摘するのは難しいものの、その要素は随所に感じられる。これこそが独自の伝統を持たないロルカのような新興ブランドが“ヘリテージ”デザインを成功させる秘訣だと私は考える。

 まずはサイズから見ていこう。モデルNo.2は直径37mmで厚さ14.1mmの316Lステンレススティール(SS)製ケースを採用している。ラグからラグまでの長さは46mmで、ベゼル部分の直径は38mm。そのケースの厚みの一部はドーム型のサファイアクリスタルによるもので、ケース自体の厚さは11.6mmである。ケースにはポリッシュ仕上げとヘアライン仕上げの両方が施されているが、特に注目すべきはベゼルだ。そのベゼルには1950年代を彷彿とさせる溝の入ったパターンがあり、まるでロレックスのデイトジャスト“サンダーバード”や、祖母宅にあるような豪華な銀食器のような趣を持っている。機能面では双方向に回転する120クリックの回転ベゼルを有しており、12時間表示がロルカ独自のフォントで刻まれている(開いた“6”の形状が特に素晴らしい)。この選択はクロノグラフとしては珍しいものだが、その理由についてはのちほど触れることにする。

lorca model no 2 wrist shot chronograph

私の16cmの手首のうえで。

 モデルNo.2はGMTモデルで見られたのと近しい9連ブレスレットを備えている。その厚さはわずか2.6mmで、20mm幅のラグから16mm幅のクラスプへとしなやかにテーパーしている。そしてこのクラスプについても、ロルカを称賛すべきだろう。精密に加工されており、薄く洗練されていて、この価格帯で大手ブランドがしばしば量産するものに比べて明らかな質感の向上が見られる。またクラスプには工具不要のマイクロアジャスト機能が搭載されており、これはモデルNo.1のブレスレットからの改善点である。

lorca model no. 2 chronograph

Milled clasp. 

lorca model no. 2 chronograph

Nine-row bracelet. 

 ロルカはモデルNo.2に、シルバーダイヤルとブラックダイヤル、シルバーのインダイヤルを持つウォームグレーの3つのバリエーションを用意している。後者のプロトタイプを実際に手に取ることができたが、グレーのインダイヤルに温かみのある色合いが加わったデザインが気に入った。3つのダイヤルすべてにロルカ独自のフォントが使用されており、ポリッシュインデックスには大きなドーフィン針と同様にスーパールミノバが塗布されている。

lorca model no. 2 chronograph dial colors

ロルカ モデルNo.2 クロノグラフのほかふたつのダイヤルオプション。

 モデルNo.2には、手巻きのセリタ510Mが搭載されている。これは作動カム式のクロノグラフムーブメントで、63時間のパワーリザーブを持ち、2万8800振動/時で動作する。ロルカはセリタがスペシャルまたはエラボレと呼ぶグレードのものを選んでおり、これは標準仕様よりもやや厳密に調整されたもので、セリタが提供する4段階のうち上から2番目にあたるものだ。

 ロルカ モデルNo.2は、10月1日午前10時(米東部時間、日本では2日の0時)から予約受付が開始される。これはロルカのパーマネントコレクションに加わる予定だが、初回生産分は300本限定で2025年5月に出荷される。


我々の考え
lorca model no. 2 chronograph

 ロルカのモデルNo.2は、この若きブランドにとって次に進むための力強い1歩である。モデルNo.1が当時としては珍しい36mm径のGMTウォッチを提供してくれたのに対し、モデルNo.2は身につけやすいプロポーションを持つミッドセンチュリースタイルの機械式クロノグラフとして、小規模ながらも成長しつつあるリストに加わった。

 モデルNo.1と同様に多くの要素が組み合わされているが、それが一体感のあるデザインを生み出している。余計な部分は何もない。まずは文字盤から始まる。ダイヤルには筆記体風のフォントで書かれた“Lorca”と、6時位置のインダイヤル上部に“Model No. 2”のみが記されている。3つのインダイヤルはクロノグラフとしては非常になじみのある配置だが、ベゼルはクロノフラフとしてはかなり異質である。

lorca model no. 2 chronograph
lorca model no. 2 chronograph

 そのため、モデルNo.2において最も批評しやすい、または称賛しやすい部分がベゼルであるとも言える。実際ポリッシュされたタキメータースケール付きのベゼルを用意し、それで済ませることも容易だっただろう。だからこそ、異なるアプローチを採用したことを評価したい。しかしながら、このベゼルでなかった場合のデザインも見てみたかった、と思うのも事実だ。きっとそのレンダリングはどこかに存在するだろうし、最終的なモデルNo.2よりは魅力が少ないだろうとも思う。モデルNo.2を気に入るかどうかは、おそらくこのテクスチャーのあるベゼルについてどう感じるかにかかっているのだろう。

 個人的にはこのベゼルが少しずつ気になってきている。結局のところラップタイムを測るためのタキメータースケールなら大手ブランドから多く提供されているし、それでゆで卵の時間を計るのに困ることもないだろう。ロルカのような新興ブランドはそれら大手と異なることを試みる必要があり、このベゼルはコンセプトと結果としての美観の両面でそれを際立たせている。

lorca model no. 2 chronograph bezel

 競合と言うと、ファーラン・マリオーク&オスカーなどから最近リリースされたクロノグラフが頭に浮かぶ。しかし、ロルカはこの薄さで100mの防水性能を実現した点で際立っている。ほかにこのようなクロノグラフがあるかは分からない(もし思いついたら教えて欲しい)。

 ここで評価したいのは、ロルカが特定の仕様に対して真剣に取り組んでいることである。それは存在しなかったミッドセンチュリーデザインを具現化するという単純で抽象的な試みではなく、現代の生活に適した手巻き機械式クロノグラフを作ろうとする努力でもある。この言葉が一見して矛盾しているように思えるとしてもだ。

 この時計を気に入った人は新しいロルカ モデルNo.2をつけて泳ぎ、そしてラップタイムの計測に勤しむのだろう。私も間違いなくそうするはずだ。

lorca model no. 2 chronograph wrist shot

内部には63時間パワーリザーブの手巻きクロノグラフムーブメント、セリタSW510Mが搭載されている。


基本情報

ブランド: ロルカ(Lorca)
モデル名: モデルNo.2 クロノグラフ(Model No. 2 Chronograph)
型番: 8501

直径: 37mm (ベゼルの直径は38mm、ラグからラグまでは46mm)
厚さ: 14.1mm (ケース分だけであれば11.6mm)
ケース素材: 316LSS
文字盤色:  サテン仕上げのブラックとサンレイ仕上げのシルバー、シルバーのサブダイヤルを持つサンレイ仕上げのウォームグレー
インデックス: アプライド
夜光: インデックスと針にBGW9スーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: ダブルプッシュ式クラスプ付き316L SS製9連リンクブレスレット、20mm幅から16mm幅までテーパー

lorca model no. 2 chronograph

ムーブメント情報

キャリバー: セリタSW510M
機能: 時・分・秒表示、クロノグラフ
直径: 30mm
厚さ: 7mm
パワーリザーブ: 63時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 23
追加情報: エラボレグレードのセリタ、精度は±5秒/日程度


価格 & 発売時期

価格: 38万8100円(税込)
発売時期: 10月1日午前10時(米国東部時間、日本では2日の午前0時)から予約受付開始
限定: 初回生産は300本限定(2025年5月納品予定)、その後モデルNo.2はロルカのパーマネントコレクションに加わる

詳細はロルカのウェブサイトをチェック。