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我々が知っていること
近年、パテック フィリップはゴールデン・エリプス、ロレックスは1908、ジャガー・ルクルトはレベルソで、それぞれ名門たちがしなやかかつ独創的なゴールドブレスレットを次々と発表してきた。今年、カルティエがサントス デュモンに与えた解答は、ジュエラーとしての誇りとウォッチメーカーとしての実用主義が完璧なバランスで共存するブレスレットウォッチである。今回のアップデートの核心は、1920年代に特別なオーダーで制作されていた初期のメタルブレスレットに着想を得た、極めてしなやかな構造にある。それは単なる装飾ではなく、腕時計の原点である実用性を追求したクリエイティブなアプローチとなっている。
緻密なメッシュ構造リンク1つの厚さはわずか1.15mm 。これを15列にわたってメッシュ状に編み上げることで、金属でありながら布のようなしなやかさが与えられた。実に、合計394個ものリンクが組み合わされており、そのすべてに精密なポリッシュ仕上げが施されカルティエのマニュファクチュールにて組み上げられている。
さらに、このブレスレットに呼応するようなオブシディアンブラックのダイヤルバリエーションも本作のハイライトだ。メキシコ産のオブシディアン(黒曜石)を0.3mmの厚さにカットし、荒らしたようなテクスチャはそのままに磨き上げられている。カルティエらしいローマンインデックスやレイルウェイはポリッシュされたゴールドを合わせ、通常のシルバー文字盤とは明確に個性が異なった。
YGモデルにはオブシディアンとシルバー2つの文字盤が、赤いルビーのカボションが主張するPTモデルはシルバー文字盤が、すべてラージモデルでラインナップ。内部には手巻きCal.430 MCを搭載しており、2万1600振動/時で動作し43時間のパワーリザーブを備えている。
いずれも限定ではないがごく限られた生産数で、6月より購入またはオーダーが可能だ。価格は、18KYG オブシディアンブラックダイヤル 858万円、18KYG シルバーダイヤル 818万4000円、プラチナ 1023万円(すべて税込、予価)となっている。
ファースト・インプレッション
近年は高価であればあるほど、より付加価値の高いタイムピースが求められる傾向にある。具体的には、素材自体の高騰が進んだゴールドブレスレットの開発競争は激化している。しかし、時計本体よりも開発難易度が高いとされるブレスレットにおいて、これほど官能的な装着感を実現できるのはカルティエの真骨頂だろう。
実際に腕に乗せると、394個のパーツが個別に生命を持ったようで、吸い付くように密着する質感に驚く。まるで極薄のアリゲーターストラップのような柔らかさを持つこのブレスレットは、いかにもジュエリー的である。カルティエは本作の取材時、あまりの出来栄えに驚いた僕を諭すように「もちろん、美しさや質の追求を試みたが、ブレスレットは時計の一部に過ぎない」と語ったが、その「一部」がもたらす装着感こそが、道具としての信頼感を生んでいるのだ。快適な着け心地とオブジェとしての完成度を両立させるのは、1904年のオリジナル・サントスが実用品として生まれた出自があるからこそであり、カルティエがカルティエたる所以だと思う。
基本情報
ブランド: カルティエ(Cartier)
モデル: サントス デュモン(Santos-Dumont)
型番:CRWGSA0122(18KYG オブシディアンブラック)、CRWGSA0123(18KYG シルバーダイヤル)、CRWGSA0124(プラチナ)
直径: 43.5 mm x 31.4 mm
厚み: 7.3 mm
ケース素材: イエローゴールド、プラチナ
文字盤色: オブシディアンブラック、シルバー
夜光: なし
防水性: 3気圧
ストラップ/ブレスレット: 15連リンクゴールド、またはプラチナブレスレット
ムーブメント情報
キャリバー: 430 MC
機能: 時、分
直径: 20.5 mm
厚み: 2.1 mm
パワーリザーブ: 38時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600振動/時(3 Hz)
石数: 18
クロノメーター: なし
価格&発売時期
価格: オブシディアンブラック 858万円、シルバー 818万4000円、プラチナ 1023万円(すべて税込予価)
発売時期: 2026年6月
限定: なし、通常ライン
その他、詳細はカルティエ公式サイトへ。
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