trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Introducing ダニエル・ロート エクストラ プラットがプラチナケースで復活(編集部撮り下ろし)

ネオヴィンテージのモデルと同じダイヤル仕上げに、新型キャリバーとシースルーバックを組み合わせた美しい1本。

ADVERTISEMENT

我々が知っていること

ダニエル・ロートのケースには、優れた時計たる所以が確かにある。手首に載せると、このエリプソカーベックス形状はラウンド型のドレスウォッチとタンク型ケースのちょうど中間のようで、特にエクストラ・プラット(フランス語で“超薄型”を意味する)ケースと、わずかに下向きに落ちたラグによって、驚くほど魅力的な装着感を生み出している。その良さを文章だけで伝えるのは本当に難しいが、今回発表された新作プラチナ製のエクストラ プラットの魅力をできる限り伝えたい。

Daniel Roth Extra Plat

 この時計を最初に見たのは数カ月前、ブランドが同時にエクストラ プラット スケルトンを発表したときだった。スケルトンモデルも印象的だったが、私はブランド再始動以来、ずっとホワイトメタル仕様のエクストラ プラットを待ち望んでいた(たとえ、手の届かない価格であっても)。

 エクストラ プラット スースクリプションが発表されたのは、まだ1年少し前のことだ。それにもかかわらず、この新しいプラチナモデルは、すでにラインナップ4番目のバリエーションとなる(スースクリプションのイエローゴールドに続いてローズゴールド(RG)、RG製のスケルトン、そして今回のプラチナ仕様)このコンセプトで展開できるバリエーションには限りがある。だからこそ、細部の違いがより一層重要になってくるのだ。

Daniel Roth Extra Plat

 下に掲載したスースクリプションは、ケースとダイヤルのトーンを統一し、そこにブルーのプリントと針を組み合わせていた。私はこの仕上げがかなり気に入っていた。そして実は、今後の新作でも同様のアプローチを取る予定があるか尋ねたことがあるが、少なくとも当時の答えは“ノー”だった。しかし率直に言って、今回のほうが視認性は高いだろう。比較用に各モデルを並べているので、表側と裏側の印象の違いも同時にご覧いただきたい。

Daniel Roth Extra Plat
Daniel Roth Extra Plat
Daniel Roth Extra Plat

 新しいプラチナ製のエクストラ プラットは、ケースサイズが38.6mm×35.5mm。しかし、この時計の装着感は数字だけではなかなか伝えきれず、横幅35.5mmという数値も実際の感覚とは少し違う。ケース形状が独特なため、単純な35mmではないからだ。かといってラグ・トゥ・ラグ38.6mmという数値でも、その実感は説明しきれない。そこに、わずか7.7mmという薄さが加わる。結果として生まれているのは、きわめてコンパクトでありながら、不思議なほど強い存在感を放つ時計だ。

Daniel Roth Extra Plat

 ダイヤルにはホワイトゴールド(WG)製ベースを採用し、その上にピンストライプ状のギヨシェ装飾が施されている。さらに、WG製の分目盛りが黒いデカルクフォントで区切られている。ブラックグレー仕上げのゴールド製針とのコントラストは高く、視認性も良好だ。一方で、ブランドロゴやシリアル表記のフォントは控えめだが、個人的には、それがとても良いと思う。これだけ認知されたブランドであり、この独特なケース形状を備えているのだから、ブランドロゴを過剰に強調する必要はないのだ。

Daniel Roth Extra Plat

 ムーブメント側は控えめながら魅力的だ。ただ個人的には、これをエクストラ プラット、つまり超薄型キャリバーと呼ぶには少し厚みがあるとも感じる(サイズは縦31mm×横28mm、厚さ3.1mm)。個人的には、自動巻きなら2.5mm以下(たとえば新しいヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズ・オートマティック・エクストラフラット 2500V)、手巻きなら2mm以下で初めて“超薄型”と呼びたい。実際、フレデリック・ピゲのCal.21を搭載したネオヴィンテージウォッチでは、厚さ約1.75mmという例もある。とはいえ、このムーブメントがかなりコンパクトであることに変わりはない。

 またスースクリプションモデルがソリッドケースバックだったのに対し、今回のモデルではシースルーバックを採用しているが、こちらが正解だと思う。トゥールビヨンモデルの構造と共通する部分もいくつか見られるが、私は前作よりもこちらのほうがずっと好みだ。ムーブメントを設計したのはラ・ファブリク・デュ・タンの創設者であり、卓越した時計師でもあるミシェル・ナヴァス氏とエンリコ・バルバシーニ氏。2万8800振動/時での駆動と、65時間のパワーリザーブを実現しており、特にパワーリザーブは近年の多くの“高級時計”よりもはるかに優れている。

Daniel Roth Extra Plat

 ここでの仕上げは実に見事だ。ただ、内角の数を数えるような人だと、その本質を見失ってしまうかもしれない。むしろ注目すべきなのは、限られた数のブリッジによってムーブメント全体がどのような形状になっているかだろう。たとえば、大きなブリッジは香箱の大部分とセンターホイールの一部を覆いながら、角穴車を包み込むように伸びている。大きなプレートは、テンプ受けから中央のルビーへ向かって鋭角と曲線を織り交ぜながら伸びており、そのラインはテンプの輪郭と呼応している。一方、中央のルビーの反対側にある曲線は3番車の形状に呼応している。しかし3番車を支えるブリッジには滑らかなラインを与えるのではなく、ルビー周辺へ切り込む前にあえて鋭角を効かせている。必要な場所には鋭角を、それ以外には繊細な曲線を与えている。そのラインは必ずしもムーブメントの構造と完全に一致しているわけではないが、まるで呼応するかのように造形が連なっていく。

 仕上げそのものも素晴らしい。歯車の平坦な部分、ネジ、そして(美しく面取りされた)ネジ穴はすべて鏡面仕上げが施されている。左上にあるクリックバネも同様で、その曲線はケース形状を反復するように描かれている(そして、その曲線はさらにプレート形状へと反映される)。ここには単なる派手さとは異なる、深い思索が込められている。だが近年の、わかりやすく豪華に見える時計に慣れたコレクターのなかには、その魅力を見落としてしまう人もいるかもしれない。

Daniel Roth Extra Plat
Daniel Roth Extra Plat
Daniel Roth Extra Plat

着用感については判断が難しい。長辺方向の寸法は、実際の手首への収まり方をある程度反映しているので、そう考えると、ラグ・トゥ・ラグ38.6mmがもっとも実態に近いのかもしれない。大ぶりなカルティエ タンク ルイ カルティエ(長さ38.1mm)と比較すると、本作は感覚としてはタンクのようだろうか? しかしこちらは横幅が35.5mmあり、タンク ルイの27.8mmよりかなり広い。それでいてラウンドウォッチではない。さらに、中央に収まるダイヤルと針はケース全体に対して小さいため、実際の着用感は両者の中間あたりであろう。十分にエレガントだが小さすぎず、一方でパテック フィリップ Ref.6196Pほど大ぶりで大胆でもない。

Daniel Roth Extra Plat

 一方、価格は先ほど挙げた2本をいずれも上回る。プラチナ製のエクストラ プラットは6万5000スイスフラン(日本円で約1300万円)だ。しかしこれは先日発表されたエクストラ プラット スケルトンより約2万5000ドル(日本円で約400万円)安い計算になる。なお、このモデルは限定モデルではないが、生産能力そのものは限られている。


我々の考え

おそらく、コレクターたち(そしてコメント欄)の関心の大半は、結局この価格に向かうことになるだろう。最後に価格をお伝えしたことで、より衝撃的な印象を与えてしまったかもしれないが、かといって最初に提示してしまえば、その時点で興味を失う人もいるはずだ。正直なところ、価格について議論したり、その話題を切り出したりする上で、「確かに高い」と言う以外に良い方法はないのだ。

Daniel Roth Extra Plat

 Watches & Wondersで発表されたヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ・オートマティック・エクストラフラット 2500Vはさらに4万ドル(日本円で約600万円)高く、自動巻きで、プラチナ製ブレスレットまで備えている。一方、A.ランゲ&ゾーネのサクソニア・フラッハのプラチナモデルは約5万2000ドル(日本円で約820万円)だが、仕上げに関しては、今回のダニエル・ロート エクストラ プラットのほうがより強く引きつけられる。しかしいずれも限定モデルで、すでに完売している。対して、本作は限定ではない。また、同価格帯でより複雑な構造と優れた仕上げを実現していたハゼマン&モナンと比較することもできるだろうが、これもすでに完売している。では、この時計は市場のどこに位置するのか。少なくとも価格帯としてはカルティエやパテック フィリップを上回るが、かなりニッチな存在であることは確かだ。そして、2次流通市場もそれを反映しているようで、RG製モデルは(少なくとも希望価格では)定価を少し上回っている。

Daniel Roth Extra Plat

 それでも、私にとって本作が魅力的であることに変わりはない。そして不思議なことに、眺めれば眺めるほど、その魅力は増していく。トゥールビヨンモデルと並べて見ても遜色なく(実際、仕上げの美しさが一段と際立っている点など、多くの面でこちらの方が優れていると思う)。この時計は考え抜かれ、細部まで入念に仕上げられており、ネオヴィンテージモデル(驚くべきことに、わずか2年前には同じダイヤル処理を施したWG製モデルが2万1000ドル/日本円で約330万円で取引されていた)が持っていた独特のオーラもきちんと受け継いでいる。さらに実機を見たとき、“ツールウォッチ派”のジェームス・ステイシーですらかなり気に入っていた。これはダニエル・ロートによる長期的な戦略だと思う。現時点では大量生産できる体制ではない。だが理論上は、多くの限定モデルやインディペンデントブランドより長く市場に存在し続け、人々が再びこうした時計に目を向けるようになったときにも、ダニエル・ロートはそこにあり続けるだろう。


基本情報

ブランド: ダニエル・ロート(Daniel Roth)
モデル名: エクストラ プラット(Extra Plat)

寸法: 38.6mm × 35.5mm
厚さ: 7.7mm
ケース素材: プラチナ
文字盤: ピンストライプのギヨシェ装飾をあしらったWG製ベース、ゴールドの分目盛り付き
インデックス: ブラックのデカルクフォント
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: カーフレザー製ストラップ

Daniel Roth Extra Plat

ムーブメント情報

キャリバー: DR002
機能: 時・分表示
寸法: 31mm × 28mm
厚さ: 3.1mm
パワーリザーブ: 65時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 21石
クロノメーター認定: なし
追加情報: ラ・ファブリク・デュ・タンにて、ミシェル・ナヴァス氏とエンリコ・バルバシーニ氏の監修のもと開発・組み立てが行われる自社製の手巻きムーブメント


価格&発売時期

価格: 6万5000スイスフラン(日本円で約1300万円)
発売: 発売中
限定: なし、しかし生産数は限られている

詳しくはこちらをご覧ください。