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Introducing レッセンス Type 8 “インディゴ” シェルマン限定モデルが登場

日本の著名な時計小売店のために作られたこのスペシャルエディションは、未来的なデザインと繊細な手仕事の融合を実現している。

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我々が知っていること

2022年にレッセンスは、これまでで最もシンプルかつ未来的なデザインを持つType 8を発表した。このモデルは42.9mm径のケースと一体化したヒドゥンラグ、そして同社の象徴的なレッセンス・オービタル・コンベックスシステムを極限まで簡素化し、コバルトブルーで表現したデザインを特徴としている。翌年にはセージグリーンのバリエーションが追加され、現在はこれら2種がType 8シリーズを代表するモデルとして継続されている。

 今年、レッセンスはシェルマンのために新たなType 8をデザインした。この日本の小売店はヴィンテージウォッチと独立系時計製造の分野で世界的に高い評価を受けている。今回のモデルはわずか8本限定の特別仕様で、新たな試みがなされている。その挑戦とは、文字盤に見られるブルーがすべて日本の伝統工芸である藍染めによって染められたシルク糸であしらわれている点である。

ressence type 8 indigo soldier

 Type 8 “インディゴ”でレッセンスは日本の藍染めの中心地である徳島県に注目し、藍染めの全工程をてがけるBUAISOUという企業が染色したシルク糸を使用している。藍とは単なる色の名称ではなく人類最古の染料のひとつとされており、日本では藍色を生成する蓼藍の栽培と染色が何世紀にもわたり受け継がれてきた。収穫された藍の葉を水と混ぜ、数カ月にわたって発酵させることで合成染料では再現が難しい特有の色合いを生み出している。

 このスペシャルモデルのために、湾曲したチタン製の文字盤には糸の厚みに応じた彫り込みがなされている。しかし外周のミニッツトラックの一部が藍染め糸のセクションを“分断”していることに気付くだろう。これはレッセンスいわく構造上の制約によるもので、カーブしたサファイアクリスタルの内側に糸を収めるために必要な0.2mmまで削ることができないという理由によるものである。該当部分には外周のミニッツトラックや内側の時表示と同様にグレーのPVD仕上げが施されており、彫り込まれたインデックスにはブルーのスーパールミノバが充填されている。

dial before and after

無地のチタン製文字盤(右)には、シルク糸を収めるために彫り込まれたスペースが見られる。

starting to add the thread
finishing up a dial

 2.5mの長さと0.2mmの太さを持つ藍染めのシルク糸を文字盤に配置するために、レッセンスはジュネーブに拠点を置くアトリエ、GVA Cadransを利用している。同社では、ひとりの職人が1枚の文字盤に対し2日かけて作業を行う。糸は分断されず1本で使用され、文字盤の外縁から始まり、彫りが施されたセクション上に幾度も織り込みながら配置される。レッセンスによれば、文字盤上で繊維の鮮やかな藍色を保つために特別な接着材料が用いられているという。

 Type 8におけるほかの仕様に変更は見られない。特に重要なのが、時間の経過とともに分表示と時表示のディスクが規則的に回転するレッセンス独自のオービタル・コンベックス・システム8である。このシステムは大幅に改良が施された自動巻きムーブメントETA 2892と、その上に搭載された独自モジュールにより実現されている。ケースの直径は42.9mm(ただしラグがないことを考慮する必要がある)で、厚さは11mm。防水性能は1気圧と控えめなので、雨やプールからは遠ざけたほうがよさそうだ。一般的なリューズがないため、ケースバックが巻き上げと時刻設定の役割を果たしている。

 レッセンス Type 8 “インディゴ”は8本限定の特別エディションであり、伊勢丹新宿店の時計売り場にあるシェルマンでのみ購入可能である。


我々の考え
side shot of these dials

この時計はいい意味で私の頭をかき乱してくれた。レッセンスの未来的で工業的なデザインを踏まえ、職人的な手仕事を取り入れた文字盤を発表するなんてまったく予想していなかったのだ。しかしシェルマンのための特別モデルである以上、最善を尽くす必要があったのだろう。Type 8 “インディゴ”においてレッセンスは、藍染めを日本文化の重要なピースとして紹介しようというシェルマンの取り組みにうまく応えている。その仕上がり、完成度ともに非常に素晴らしく、8枚の文字盤それぞれが光を受けた際に“織り”の違いによってどのように見え方が変わるのか、個体差が気になるところである。

closeup of finished dial

 とはいえこのモデルの価格は、通常のType 8から大幅に上昇している。標準モデルの価格(237万6000円)のほぼ倍となる495万円(税込)だ。確かに高価であり、“価格に見合う価値がある”と断言するのは難しい。しかしエナメルや革の寄木細工、ミニチュアペインティングといった職人的な技術を用いた文字盤を持つ時計において、“費用対効果”は本質的に問題とされないのだ。この時計は特別な存在であり、たった8本しか生産されないという点でその希少性は際立っている。日本のコレクター市場において、シェルマンのVIP顧客や経験豊富なコレクターによって即座に完売するのは間違いないだろう。この時計が存在していること自体に感謝したい。そして実物(そして実際のシルク糸)を目にする機会に恵まれた一部のコレクターたちからは、実物は驚くほど美しいという声が挙がっている。


基本情報

ブランド: レッセンス(Ressence)
モデル名: Type 8 “インディゴ”
直径: 42.9mm
厚さ: 11mm
ケース素材: チタニウム
文字盤色: インディゴ(天然染めのシルク)とグレー
インデックス: エングレーブ
夜光: あり
防水性能: 1気圧(防滴)
ストラップ/ブレスレット: ウォームグレーのサフィアーノレザーストラップ、チタン製バックル

closeup of dial on stand

ムーブメント情報

キャリバー: ROCS 8(レッセンス・オービタル・コンベックス・システム8)
機能: 時・分表示
パワーリザーブ: 36時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 31


価格 & 発売時期

価格: 495万円(税込)
発売時期: 発売中
限定: シェルマンにて8本限定販売

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