ADVERTISEMENT
僕が初めてRZEの時計を実際に手に取ったのは、今年の4月に開催されたバンクーバー・タイムピース・ショー(Vancouver Timepiece Show)のブースを通り過ぎたときだった。ブースの裏にいた男性がデジタルウォッチを取り上げ、大きな木槌で叩き始めたとき、僕は驚きを隠せなかった。その男性の名はホイイー・タン(Huiy Tang)氏で、RZEの共同創業者のひとりであり、彼が叩いていた(にもかかわらずびくともしなかった)その時計はRZEの最もよく知られたモデル、チタンケースを持つUTD-8000だろう。僕はそのUTD-8000を夏のあいだずっと借りていたが、その品質、ディテールへの注意、そして価格に感銘を受けた。時を経て9月、トロント・タイムピース・ショーで再びホイイー氏に会い、彼は何か新たなものを見せてくれた。それはモダンな感性を備えつつ、いくつかの巧妙な工夫を隠し持つ小さなチタン製のフィールドウォッチ。それがレゾリュート 36と呼ばれるモデルで、この数週間、僕はそれを着用していた。
RZEは2020年から存在しているが、その小さなブランドは2025年の時計愛好家の視点と一致しているだけでなく、僕たちの多くが知り愛してきた数々のブランド(マイクロブランド)の後継世代を代表しているように感じる。彼らのプロダクトや時計(機械式やそのほか)、そしてEDCギアのセレクションは、市場のあらゆるものを試した人々によって設計され、もう少しマニアックでより目的を絞ったものを作りたいと考える人々によってデザインされているように感じる(2024年3月のFratello Watchesとのきわめてクールなコラボも含めて)。
レゾリュート 36について言えば、それは直径36mm×厚さ9.5mm、ラグ・トゥ・ラグ42.3mmのグレード2チタン製でだ。“UltraHex”と呼ばれる表面コーティングが施されており、この硬度は約1200Hvである(グレード2チタンの通常の硬度110-150Hvと比較して)。サテン仕上げのケースは、同じ硬度処理が施されたサテン仕上げのチタン製ブレスレットと組み合わされている。ブレスレットを含めた全重量は約90g(ケースのみで36g)で、100m防水、ねじ込み式リューズ、内側AR付きのフラットサファイア風防、ねじ込み式裏蓋を備えており、ラグ幅は20mmだ。
レゾリュート 36は4つのダイヤルカラー、ウェイポイント(ブラック)、ハルシオン(ライトブルー)、テンポ(レッド)、モヒート(グリーン)が用意されている。ブレスレットに加えて、オプションでクイックチェンジ式のラバーやテキスタイルストラップもある。スペックの詳細としては、ブレスレットには片側ネジ式、プッシュボタン式フォールドオーバークラスプ、工具不要のクイックチェンジ式ソリッドエンドリンクが備わり、RZE独自の“QuikCliq”マイクロアジャスト機能がクラスプに内蔵されている。これは時計によく調和しており、装着も調整も簡単、そして面倒な作業なしに交換できる。自分の20mmストラップを装着したい場合に備えて、レゾリュート 36には貫通ラグもある。
ケースとブレスレットがスポーティで、フィールドウォッチに現代的なひねりを加えている一方で、ダイヤルはそれ自体に追加のひねりを提供する。それは多層構造のダイヤルで、アプライドインデックスとテクスチャーのある外側セクターが特徴だ。“ドレッシー”とは言えないものの、ハミルトン カーキ フィールドや同様の時計で見るようなものよりも確かに複雑で思慮深く、様式化されている。12時位置にRZEの“R”ロゴ、6時に2行のスペックテキストを備えたよくバランスの取れたノーデイト仕様で、夜光好きには特別なご褒美がある。
ダイヤルに強い光を当てると針とマーカーだけでなく、内側ダイヤルのフレームと、5分ごとの部分的、かつミニットスケールを含む外側の分目盛り全体にも夜光が施されているのが見える。これは手首に着けて見るのが楽しく、RZEのディテール重視のアプローチを強調している。価値重視の価格帯にもかかわらず、レゾリュート 36は“カタログスペシャル”のようには思われない。
実際に身に着けると、少なくとも最初は卓越していると言える。まったく悪くなく(僕の手首にはきわめてよい)、薄くて特に大きくないケースに、かなり幅のあるラグ(36mmケースに対して20mm間隔)が組み合わされているため手首に重さの移動や揺れがまったくない。バランスが取れており、軽量できわめて快適だ。さらにブランドのラバーストラップを装着するとブラックラバーが強い存在感を示し、レゾリュート 36が手首に収まる様子がその印象の大部分を支配しており、まるで小さなベル&ロスのように見える。ラバーオプションはラグの部分にかけて柔らかなカーブを描くように成形されており、マッチするチタン製バックルで仕上げられている。
内部では時・分・秒を管理するために、RZEはミヨタ製のCal.9039を搭載する。これはミヨタのプレミアムラインの、信頼性できる日本製自動巻きムーブメントで、2万8800振動/時(4Hz)で時を刻み、42時間のパワーリザーブを持つ。厚さはわずか3.9mmだ。ハック機能を提供し、日差-10秒から+30秒の公称精度範囲を持つノーデイトムーブメントだ。結果は異なるかもしれないし、僕は時計師ではないが、このレビューに登場した個体をWeishi 1900にかけてみたところ、6姿勢で平均日差+4秒だった。ねじ込み式リューズは使用しやすいほど大きく、時計のほかの部分としっかり接続されているように感じる。前述のとおり、これはデザイン上ノーデイトムーブメントなので、心配する必要のある“ゴースト”デイトポジションはない。
レゾリュート 36は40mmのチタン製フィールドウォッチで、ミヨタ製ムーブメント Cal.90S5、100m防水、アプライドマーカー付きエナメルダイヤルを備えた既存のRZEレゾリュートをベースとしている。まだ価格をスクロールしていない人のために言っておくと、レゾリュート 36の小売価格は11万2300円(税金などを除いて)。
スペック上でレゾリュート 36が提供しているものを望むならば(そして大きなモデルのエナメルダイヤルに追加の出費をしたくないならば)、その完成度、スペック、そしてマニアックなディテールの観点から価値がないと感じることはないと僕は思う。さらにこの時計は短期間のセール中である(発売から36時間)ため、素早く動けばさらによい取引を得ることができる。RZEについて僕が最初に感銘を受けたことのひとつは価格設定だった。UTD-8000の定価は4万5900円(UltraHexコーティングを施し、耐衝撃性を備えた丈夫な200m防水のチタンデジタルウォッチとしては悪くない。木槌のことを思い出して欲しい)。レゾリュートの11万2300円で、あなたは2年間の保証と14日間の返金保証を得ることができる。
僕の観点からすると、デジタルであれ機械式であれ、RZEはマイクロブランドのもともとの価値(マニアックで、時計愛好家主導の製品、そして挑戦的な価格)を橋渡しする一方で、過去の世代の時計愛好家が主導するブランド(ハリオス、ウニマティック、ファーラー、レイブン、アウトドローモ、アスター&バンクス、バルチックなど)から生まれたブランドのように感じることができる。これらのよく知られたブランドのいくつかはすでに1o年目に入ろうとしている(あるいはすでに入っている)。そのため市場は今、マイクロブランドの成功の方程式がすでに確立された環境のなかで誕生したその精神が、第2世代(そして第3世代まで)へと移行するのを目にしているのだ。
僕にとってRZEの時計を体験するのは2度目で、ブランドの機械式モデルは初めてだったが、完全主義者的なスペック、堅実な製造品質、そして価格帯にも感銘を受けた。レゾリュート 36は時計愛好家によって作られたことが明らかな、きわめて優れたチタン製フィールドウォッチとして2025年に堅実な価値を提供するだろう。
詳しくはこちらをご覧ください。
話題の記事
Introducing ドクサとトッパーが再びタッグを組み、サブ 250T GMT “グレート ホワイト”エディションを発表
Introducing G-SHOCKとカシオ クラシックから『ストレンジャー・シングス 未知の世界』コラボモデル第2弾が登場
Anatomy of RD#5 オーデマ ピゲ ロイヤル オーク RD#5を徹底解剖