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ヴァシュロン・コンスタンタン2026年新作をWatches & Wonders 2026のブースからご紹介
我々が知っていること
ヴァシュロン・コンスタンタンは、オーヴァーシーズ・デュアルタイム・カーディナルポイントを発表した。これは4つのリファレンスから成る非限定シリーズで、旅を意識したオーヴァーシーズに採用したのは…、なんとチタンだ! オーヴァーシーズコレクション誕生30周年を記念して登場した本作は、2019年に探検家コーリー・リチャーズ(Cory Richards)氏がエベレスト登頂時にテストしたチタン製プロトタイプから着想を得ている。今回のリリースは、コレクションにおけるフルチタンへの移行を示すものであり、一体型チタンブレスレットに加え、簡単に交換可能な2本のストラップが付属する仕様となっている。2021年9月以来、5分から10分おきに2021年のエベレストモデルを思い出し、そのわずか150本という生産数の少なさを(切なくも)思い続けてきたのはどうやら僕だけではなかったようだ。
“カーディナルポイント”というテーマは、4つの異なる文字盤カラーによって表現されている。それぞれが羅針盤の方角と対応する風景を示しており、北はホワイト(氷に閉ざされた地域)、南はブラウン(広大な平原)、西はグリーン(深い森)、東はブルー(海と空)という構成である。各文字盤には複雑なテクスチャーが組み合わされており、反射を抑えるための粒状仕上げのセンター、スネイル仕上げのデイトカウンター、サーキュラーサテン仕上げのミニッツトラック、そしてラッカー仕上げの外周ミニッツトラックを備える。アワーマーカーとローカルタイム表示の針にはブルーのスーパールミノバを塗布した18Kホワイトゴールドを採用し、第2時間帯表示とデイ/ナイトインジケーターは高い視認性を確保するためオレンジで表現されている。
本作に搭載されるムーブメントは、ヴァシュロン・コンスタンタン自社製のCal.5110 DT/3で、旅行用途を念頭に設計された自動巻きムーブメントである。ふたつのタイムゾーンを同時に読み取ることができ、アロー型の先端を持つオレンジの針が“ホームタイム”を示し、9時位置のデイ/ナイトインジケーターと連動している。一方、ローカルタイムはリューズ操作によって調整可能である。
6時位置のデイトサブダイヤルはローカルタイムと同期しており、専用のプッシャーによって調整可能。ムーブメントのブリッジにはダークグレーのNAC処理が施され、ウィンドローズの装飾があしらわれた22Kイエローゴールド製のローターとともにサファイアケースバック越しに鑑賞することができる。なお、現行のオーヴァーシーズ・デュアルタイム(ステンレススティールおよび貴金属モデルを含む)に広く採用されている標準ムーブメントはCal.5110 DT/2であり、振動数2万8800振動/時(4Hz)、パワーリザーブ約60時間を備えている。ブランドのトラベルウォッチとしてはもっともスポーティな性格を備えたモデルであり、搭載されるCal.5110 DT/3はいくつかのブリッジにNAC処理を施すことで、従来のムーブメントをささやかに進化させた仕様となっている。
オーヴァーシーズ・デュアルタイム・カーディナルポイントは限定モデルではなく、ヴァシュロン・コンスタンタンのブティック限定で販売される。各モデルには、“イージーフィット”調整機構を備えた一体型チタンブレスレットに加え、オレンジと文字盤同色の計2本のラバーストラップが付属する。これらのストラップとチタン製フォールディングクラスプは工具を使うことなく交換可能である。価格は4種のいずれを選んでも651万2000円(税込)だ。
我々の考え
エベレストLE(本コレクションの直接的な着想源となったモデル)を振り返ると、この時計はこの5年、ずっと僕の頭から離れなかった1本だ。僕は以前から、あらゆるツールウォッチが好きな人間として、伝統的なハイエンドブランドがスポーティな方向に振る瞬間にぐっとくる。ロイヤル オーク オフショア ダイバーやアクアノート 5164A、アルパイン イーグル 8HFなんかがまさにそうだ。そして今回のカーディナルポイント・デュアルタイムも、しっかりそのツボを突いてくる。エベレストLEの直系とひと目でわかる安心感がありつつ、ちゃんと新鮮さもあるのがいい。カラーは増え、選択肢も広がった。さらにオーヴァーシーズおなじみの3種類の付け替え仕様に加えて、LEにはなかったフルチタンブレスレットまで用意されている。“もういいから買わせてくれ”と言いたいところだけど、さすがにそんな余裕はない。エベレストLEの記事の冒頭でも書いたけれど、“誰かよい金融業者を知らないだろうか?”というのが正直なところだ。
とはいえ、たとえハイエンドなラグジュアリースポーツウォッチを本気で検討しているとしても、今回のVC デュアルタイム4モデルの価格はなかなか見過ごせるものではない。チタン製のトラベルウォッチに651万2000円(税込)という価格は決して軽く受け止められるものではなく、2021年に150本限定のエベレストLEが371万8000円(税込)で販売されていたことを思い出す価値はある。時計の世界では、2021年はもうかなり前のことだ。価格が上がっていること自体(およそ25%)は、そこまで驚くにはあたらない(編注;およそ25%という数字はドル建て価格同士の比較によるもので、日本円換算では為替変動の影響を受ける)。それでも、ヴァシュロン・コンスタンタンらしい仕上げが施されたチタンブレスレットが付属するし、しばらくのあいだはかなり手に入りにくいモデルになるだろうと僕は見ている。
比較対象を探すのは簡単ではない。というのも、この時計には真っ向から競合するといえるモデルがそれほど多くないからだ。とはいえこれはトラベルウォッチであり、価格は600万円を超える。基準点になるのは、標準仕様のSS製オーヴァーシーズ・デュアルタイムで、その価格は506万円(税込)だ。ロレックスのYG製GMTマスターIIは、本日時点で4万8400ドル(日本円で約770万円)だ。パテック フィリップでいちばん近い存在といえるのはノーチラス 5990だが、価格はそれよりかなり高い。オーデマ ピゲも現時点で公式サイトに掲載している“GMT”ウォッチは1本のみで、ロイヤル オーク コンセプト フライング トゥールビヨン GMTだけである。もっとも、これを単純比較するのは無理がある。というのも、このモデルは2022年の発売時点で19万8900スイスフラン(当時の相場で約2700万円)だったからだ。
パルミジャーニ・フルリエ トンダ PF GMT ラトラパンテのような選択肢も忘れてはならない。非常に魅力的な1本ではあるが(スポーティさという点ではやや控えめではあるものの)、SSとプラチナ仕様で価格は2万9300スイスフラン(日本円で約600万円)となる。トラベル機構の考え方やその仕組みもまったく異なるため、どちらかといえば価格帯での比較対象といった位置づけだろう。それでも非常にクールな時計であることに変わりはない。ただし、防水性能はやや劣り、ホーム/アウェイの表示機能も限定的(AM/PM表示や日付表示はなし)で、追加ストラップも付属しない。
カーディナルポイントは、価格帯としては現代のVCらしい設定でありながら、ブランド内のラインナップにおいても、そして広い競合環境のなかにおいても、しっかりと個性を打ち出したパッケージに仕上がっている。僕自身、チタン製のトラベルウォッチという観点ではペラゴス FXDあたりを好む人間ではあるけれど、それでもこの新作は素直にかなり魅力的だと思う。これによって気分はまた2021年に引き戻される。ヴァシュロン・コンスタンタンのチタン製トラベルウォッチが、その年のベストウォッチ争いに本気で食い込んできた、あの感覚だ。
実機レビューや続報も予定しているので、ぜひ楽しみにしていて欲しい。
基本情報
ブランド: ヴァシュロン・コンスタンタン(Vacheron Constantin)
モデル名: オーヴァーシーズ・デュアルタイム・カーディナルポイント(Overseas Dual Time Cardinal Points)
型番:
7930V/210T-H073(オーヴァーシーズ・デュアルタイム・カーディナルポイント - 北、ホワイトダイヤル)
7930V/210T-H072(オーヴァーシーズ・デュアルタイム・カーディナルポイント - 南、ブラウンダイヤル)
7930V/210T-H074(オーヴァーシーズ・デュアルタイム・カーディナルポイント - 東、ブルーダイヤル)
7930V/210T-H075(オーヴァーシーズ・デュアルタイム・カーディナルポイント - 西、グリーンダイヤル)
直径: 41mm
厚さ: 12mm
ケース素材: グレード5チタン
文字盤: ホワイト、グリーン、ブラウン、ブルー
インデックス: 18KWG製アプライド
夜光: あり、ブルーのスーパールミノバ
防水性能: 150m
ストラップ/ブレスレット: チタンブレスレット、ラバーストラップ、テキスタイルストラップが付属。工具なしで交換可能で、ブレスレット以外のストラップ用に付け替え可能なチタン製フォールディングクラスプも備える
ムーブメント情報
キャリバー: 5110 DT/3
機能: 時・分表示、センターセコンド、第2時間帯表示、AM/PM表示(ホームタイム)、日付表示(ローカルタイムと同期)
直径: 30.6mm
厚さ: 6mm
パワーリザーブ: 約60時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時(4Hz)
石数: 37
追加情報: 22K 3Nゴールド製オーヴァーシーズローター
価格 & 発売時期
価格: 651万2000円(税込)
発売時期: ヴァシュロン・コンスタンタン ブティック限定販売
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