trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

The Value Proposition ヴァルカンが伝統的なダイバーズウォッチ、スキンダイバー ノーティックを2000ドル以下でお届け

スキンダイバーのシーズンがやってきたが、まずは歴史に裏打ちされた価値あるモデルについて紹介する。


ADVERTISEMENT

Photos by Kasia Milton

ここ数年、ヴァルカンは再び脚光を浴びるようになり、“大統領の時計(ヴァルカン クリケットのアラームウォッチを身につけてきた米行政府の伝統にちなんで命名)”として歴史的に築いてきた王座を取り戻したのを我々は目の当たりにした。ヴァルカンはニバダ グレンヒェンエクセルシオパークで有名な、ギヨーム・ライデ(Guillaume Laidet)氏の協力を仰いでブランドのアーカイブを調査し、往年のモデルをほぼ忠実に再現するべく心血を注いでいる。

 それは、昨年発表されたさまざまなクリケットモデルや、今回紹介するスキンダイバー ノーティックに顕著に表れている。

ヴァルカン スキンダイバー ノーティック

 この時計については1月のリリース時に取り上げている。そのときジェームズ・ステイシーはこう書いている。「ルックス面ではクラシックな60年代を踏襲しており、オーソドックスで飾らない感じが、この時計をよりヴィンテージらしくしていると思う」。それがこのモデルの魔法だと思っている。ヴァルカンが、60年代からほぼ一貫して製造していたノーティックをベースにしているのだ。

ヴァルカン スキンダイバー ノーティックのリストショット

 その時計のサイズは約37mmだったのに対し、こちらは38mmと若干だがサイズアップしている。しかし、このサイズは市場に出回っているほとんどのダイバーズウォッチ(最近リリースしたチューダー ブラックベイ 54を除く)と比べると明らかに小振りで、そのサイズ感、細いベゼル、全体的な薄さの組み合わせは、まるで机の引き出しのなかで何十年も放置されていたかのような古い時計のように感じられる。私はこれをポジティブな感情として述べている。

 我々は何年も前から、特にダイバーズウォッチに隣接した時計にとって、いちばんつけやすいのはどのサイズなのかロビー活動(陳情運動)を続けてきたが、優良ブランドもマイクロブランドも、ともにそれを検討しているようである。かつては40mmと考えられていたが、現在は36mmから39 mmのあいだのようで、この回帰的なノーティックは昨日の時計であると同時に今日の時計でもある。

ヴァルカン スキンダイバー ノーティック
ヴァルカン スキンダイバー ノーティックの横置きイメージ
ヴァルカン スキンダイバー ノーティックの裏蓋

 フラットなノーティック、20世紀初頭に誕生した古い衝撃吸収システムであるインカブロック、スーパールミノバの使用を示す“SWISS MADE”に隣接した“L”(およそ60年前にはトリチウムのTと表示されていた)の文字、そして文字盤にプリントしたフォントは古いスタイルを選択するなど、全体的なスタイリングは、ヴィンテージのオリジナルモデルを効果的によみがえらせたものだ。

ADVERTISEMENT

 文字盤はマットブラックで、インデックスは濃いアイボリーとカボチャの中間のような色をした夜光塗料を塗布。フォティーナのいい使い方だ。マットな質感とペイントされた文字盤の組み合わせは、あらゆる面でヴィンテージの雰囲気を醸す。現代のデザイン技術は、ときに変化のための手法にも感じられることがあるが、ここでは必要なものだけを取り入れつつカッコいいルックスを兼ね備えている。

ヴァルカン スキンダイバー ノーティック

 しかし、ベゼルの外側に向かうにつれて回転式のダイバーズ目盛りが非常に薄く、つまり細くなっていることに気づく。この時計の実際のヴィンテージバージョンはアルミニウム製のベゼルインサートを採用しているのだが、こちらはセラミック製の逆回転防止ベゼルとなっている。初めて、現代的な側面へと大きくシフトしたことになる。セラミックインサートはロレックス、チューダー、オリスなどが取り入れるなど、ここ十年で高級腕時計の看板的素材として注目されている。これが素晴らしいのは、表面の面積が非常に少ないために素材の光沢があまり目立たないということ。ヴァルカンがアルミニウムを使い続けていた場合、ツールウォッチ的な魅力を維持していただろう。

ヴァルカン スキンダイバー ノーティック

 この時点で時計が2000ドル以下であることを指摘しておく必要があるだろう。1490スイスフラン(記事作成時は23万177円)でも非常に安い。ヴァルカンの伝統、セラミックの使用、さらにケースとダイヤルデザインの両方における細部へのこだわりと相まって、魅力的な価格へと押し上げている。チューダー ブラックベイ(54または58)のような時計を競合とまでは言わないが...いや、もしかしたらそうなるかもしれない。チューダーはヴィンテージにインスパイアされたラインナップのなかで、依然としてアルミニウム製のベゼルインサートを使っている。それにヴァルカンはマイクロブランドというわけでもない。(同ブランドは)この業界で最高の伝統と歴史を持っているのだ。

ヴァルカン スキンダイバー ノーティック

 だからこの新型スキンダイバー ノーティックが提示する、純粋な価値の大きさに興奮しないわけがない。上記のスペックに加えて、よく知られている(そしてメンテナンスが容易な)ETA2824を搭載していることも大変魅力的だ。小さいながらも歓迎すべきポイントとして、このムーブメントはデザイン上の特徴であるクローズドケースバックの後ろへと収まっている。またムーブメント自体の日付機能を排除しているため、リューズを操作しても空回りすることはなく、幻の日付操作をすることもない。

 私がこの時計と過ごしたなかでひとつ奇妙に感じたのは、ストラップがトロピックスタイルのようなものではなく、レザーストラップが付属しているということだ。この時計は200mもの防水性能を備えているのだから、あえて時計とともに水に濡らしても平気なストラップが欲しかった。

ヴァルカン スキンダイバー ノーティックのリストショット

 しかしそれは些細なことだ。これを数週間試用したあとの全体的な着用感にかなり心引かれた。この時計の38mmというサイズはどちらかといえば36mmの時計に近いつけ心地で、ベゼルのアクションも素晴らしかった。ヴィンテージウォッチを所有するという不安を感じることなく、ヴィンテージウォッチらしさを心から楽しめた。最近ではオリス、オメガ、チューダーといったブランドが牽引して、ヘリテージダイバーズを流行させているが(ニバダ グレンヒェンなど復活したマイクロブランドもこの争いに加わっている)、しかしこのノーティックが提供するすべての機能と、現在のカテゴリーにおける地位を無視することは、とても難しいように感じる。

ヴァルカン スキンダイバー ノーティック

ヴァルカン スキンダイバー ノーティック。直径38mm、厚さ12.2mm、ラグからラグまで44.5mm。ステンレススティールケース、200m防水、サイン入りリューズ、ブラックレザーストラップ。ムーブメントはETA2824(エラボレグレード)、時・分・センターセコンド表示、日付表示なし。パワーリザーブ約38時間、2万8800振動/時(4HZ)、25石。価格は1490スイスフラン(記事作成時は23万177円)。

Shop This Story

HODINKEEはヴァルカンの正規販売店です。コレクションはこちらからご覧ください。