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クイック解説
ハイビートクロノグラフに造詣の深いゼニスが誇る、超高振動クロノグラフである「デファイ エル・プリメロ21」に、特徴的カラーの新バージョンが登場した。ストラップや文字盤、ムーブメントに配されたバイオレットカラーに、ファセット加工されたマットなチタンケースが組み合わされている。
本機のダイヤルカラーのバイオレットは、実際にはムーブメントに施されたもので、そのムーブメント上には部分的に文字盤のようなものが置かれている。文字盤というのも、実際にはフランジと秒/分のトラック、いくつかのアワーマーカー、そして3つのサブダイヤルだけだ。色は少し派手だって? 確かに、しかし、そうでもないともいえる。この時計の名前は、人間の知覚を超えた光の周波数を暗示し、高振動クロノグラフ機構に最もふさわしいネーミングだからだ。
デファイ エル・プリメロ21は、1/100秒以内の出来事を計時することができる。現在量産されているクロノグラフの中で最も高い振動数をもつモデルだ。2つの脱進機を使用することで実現し、1つは計時用の3万6000振動/時と、もう1つはその10倍の36万振動/時のクロノグラフ用である。本機はクロノグラフ用の第2ギアトレインを追加しながら、オリジナルのエル・プリメロの構造の多くを保持している。クロノグラフをスタートさせると、中央の秒針が1秒に1回、ダイヤル上を回転する。その針の動きを目撃すると、かなり奇妙な感覚を覚えるだろう。
ファースト・インプレッション
バイオレットを纏ったこの時計は今年の新作だが、「デファイ21」は決して新しい時計ではない。タグ・ホイヤーが開発した高振動クロノグラフシリーズは、約10年前に発表され始め、その発明者であるギィ・セモン氏(Guy Semon)は元ロケット科学者で、今世紀、モダン機械式クロノグラフ開発に多大な貢献をした人物だ。同氏は、現代においてクロノグラフで何ができるかの枠組みを設定したともいわれており、リニアオシレーターを搭載したマイクロガーダーをご存知の方もいるだろう。
ゼニスはまさにクロノグラフを中心とした現代の時計メーカーの中でも特に重要な存在だ。エル・プリメロが発売されたのは50年以上前(正確には51年前)かもしれないが、これほど長い間、私たちと一緒に存在して業界に影響を与え続け、魅力的な時計を生み出し続けてきたキャリバーが他にないことは明らかである。
私はモダン・ゼニスのファンである。同社は2つの異なる方向に、同時に動くことを恐れていないからだ。私が言いたいのは、今日のゼニスは、50年ほど前のプロトタイプを超マイナーチェンジした「クロノマスター リバイバル マニュファクチュール エディション」や「クロノマスター リバイバル "シャドウ"」のような時計を発表している。それと同時に、完全に異なったはるかに現代的な美学を主張する、明らかに別のコレクターを目指していると思われるデファイ エル・プリメロ21 ウルトラバイオレットのような時計を作っているということだ。ゼニスは、インスピレーションを得るためにアーカイブに目を向けつつ、創造的な新しい方向への成長に挑戦し続けようとしている。
基本情報
ブランド:ゼニス(Zenith)
モデル名:デファイ21 ウルトラ バイオレット(Defy 21 Ultraviolet)
型番:97.9001.9004/80.R922
直径:44mm
ケース素材:サンドブラスト仕上げのチタン製ケース
文字盤色:スケルトン、グレーサブダイヤル
インデックス: ファセット加工のロジウム仕上げインデックス
夜光:SLN C1スーパールミノバ
防水性能:10気圧
ストラップ/ブレスレット:ラバーライニング付きのファブリックストラップ、マイクロブラスト仕上げのチタン製バックル付き
ムーブメント情報
キャリバー:エル・プリメロ9004(ウルトラ バイオレット仕上げ)
機構:時、分、秒表示、 1/100秒クロノグラフ機能、12時位置にパワーリザーブ
パワーリザーブ:約50時間
巻き上げ方式:自動巻き
振動数:時間表示5Hz(3万6000振動/時)、クロノグラフ50Hz(36万振動/時)
石数:53
クロノメーター認定:TIME LABによる認定
価格・発売時期
価格:142万円(税抜)
発売時期:2020年8月以降
詳細についてゼニス公式サイトへ。