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2021年も残りあとわずかだが、何かとギフト選びの多いこの時期。頭を悩ませている人も多いのでは? 特に身近な人へのギフトこそ失敗したくはないだろう。そこで本稿では、HODINKEE Japanのメンバーがパートナーへのギフトとしておすすめしたい時計をまとめてみた。3者3様、さまざまな思いを胸に選んだが、皆さんならどんな時計を選ぶだろう。それでは早速、我々がピックアップしたおすすめの時計を紹介しよう。
和田 将治、Webプロデューサー/エディター
パートナーに贈る時計と聞いて僕の頭のなかで真っ先に思い浮かんだのはシェアウォッチ。最近、妻と時計をシェアすることが増えているからというのも理由のひとつですが、今はパートナーといってもさまざまな形が広く認められている時代です。そこで今回は、どんな相手にも喜ばれるような、そしてあわよくばシェアウォッチとして自分も一緒に楽しめたり、ペアウォッチにもしやすい時計を選んでみました。
ノモス グラスヒュッテ ラドウィッグ
ノモスは、1990年にドイツ東部グラスヒュッテで創業されました。ドイツ時計ブランドのなかでは比較的新しい存在ですが、時計作りのアプローチは伝統に敬意を表したアプローチで、デザインもドイツ工作連盟やバウハウスの理念が反映されているのが特徴です。
そんなノモスの時計のなかで個人的におすすめなのは、1992年に発表された同社の最も古いコレクションのひとつ、ラドウィッグ。レイルロードスタイルのミニッツトラック、ローマ数字インデックスが配された白文字盤とコントラストの効いた青焼き針が、19世紀から20世紀にかけてグラスヒュッテの時計職人が製作した懐中時計を彷彿とさせます。内部に搭載される自社製ムーブメントも、4分の3プレート、グラスヒュッテ仕上げ、青焼きねじなどグラスヒュッテの伝統的な仕上げが施されており、トランスパレントバックからじっくり鑑賞する楽しみも。
年齢や性別を問わないシンプルで洗練されたデザインであるだけでなく、複数サイズ展開があり手首のサイズも選ばないためギフトにぴったりです(ラドウィッグは33mm、35mm、38mm、40mm)。男女でシェアするのであれば、35mmがおすすめ。どんなストラップも似合うので、次の記念日や誕生日には付け替え用のストラップをプレゼントするのもいいですね。
価格: 24万7500円〜(税込) 詳細は、ノモス公式サイトへ。
IWC ダ・ヴィンチ・オートマティック・ムーンフェイズ 36
夜空に浮かぶ月の満ち欠けを表示するロマンチックなムーンフェイズは、時計好きもそうでない人も楽しめる機構のひとつだと思います。僕がおすすめしたいムーンフェイズウォッチは、ダ・ヴィンチ・オートマティック・ムーンフェイズ 36。
満月のように丸みを帯びたケースは、直径36mm、厚さ11.6mmと男女問わず身につけられるサイズ感。ケース素材は、上の画像のスティール製、ベゼルにダイヤモンドが施されたSS製、18Kレッドゴールド製の3種類。ダイヤモデルはレディス感が強いかもしれませんが、ほか2モデルならシェアにも最適です。
シルバーメッキの文字盤には、立体感のあるアラビア数字インデックスがまるで彫刻のよう。ムーンフェイズは、多くの時計で6時位置に見られるものですが、この時計では1980年代のダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダーに倣って12時位置に配されています。主役的な機構ながら、他のデザイン要素を圧倒することなく存在感を放っています。
価格: 99万円(税込) 詳細はIWC公式サイトへ。
タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル 300
あなたのパートナーがもしアクティブな方ならスポーティな時計を贈るのはどうでしょう? 様々なシーンで活躍するダイバーズウォッチ、なかでも今年大幅にアップデートされたアクアレーサー プロフェッショナル 300が僕のイチ押し。本格的なダイバーズウォッチのスペックを備えながら、スタイリッシュで都会的な雰囲気を纏っているのが最大の特徴です。
サイズ展開は36mmと43mmの2種類で、レディス、シェアウォッチとして考えるなら前者がおすすめ。36mmモデルは、ブラック、ホワイト、そして8個のダイヤインデックスを備えたブルーダイヤルの3種類。いずれも波模様の仕上げが施されており、程よいアクセントになっています。
スペックも本格的で、300mの防水性能、逆回転防止ベゼルや視認性の高いスーパールミノバ、さらに工具無しで1.5cmまでのサイズ調整が可能なマイクロアジャストシステムも搭載されています。
高級感とエレガントさを兼ね備えたアクアレーサー プロフェッショナル300ならデイリーユースからスポーツやアウトドアなどアクティブなシーンまでオン・オフ問わずパートナーの手首で寄り添ってくれるでしょう。
価格: 33万5500円〜(税込) 詳細は、タグ・ホイヤー公式サイトへ。
佐藤 杏輔、エディター
パートナーに贈って喜んでもらえる時計。それを普段の生活のなかでさりげなく察知できたらいちばんいいとは思うが、そんなスマートなことができる人はどのくらいいるのだろう? 野暮だとは思いつつ、せっかくなら確実に喜んで欲しいと思う筆者は妻に「今時計を買うならどんなのがいい?」とストレートに聞いてみることにした。そうして名前が挙がったのが、ここでおすすめしている時計たちだ。実際に贈ってあげられるかは別として、彼女の今の好みはよくわかった。なるほど、角形時計が気になっているのだな。
シャネル ボーイフレンド
なかでも特に妻が気に入っていたのが、シャネルのボーイフレンドだ。このコレクションが誕生したのは2015年。1987年にシャネル初の腕時計として発表されたプルミエールのスタイルを踏襲したもので、角形と言っても時計をよく見てみると八角形をしている。この特徴的な八角形のケースは、シャネルのアイコンでもある香水「シャネル N°5」のボトルストッパーにインスピレーションを得たものと言われており、画像ではわからないが、バックルやリューズのデザインにも同じく八角形が取り入れられている。
ボーイフレンドのケースサイズはスモール(27.9×21.5×6.2mm)、ミディアム(34.6×26.7×7.3mm)、ラージ(37×28.6×7.7mm)と3種類あり、素材はステンレススティール、SS&ダイヤモンド、ベージュゴールド、ベージュゴールド&ダイヤモンドから選択できる。また画像のようなキルティングパターンのカーフストラップをはじめ、さまざまなサイズの時計とストラップを組み合わせてカスタマイズが楽しめるのもこのコレクションの特徴だ。
ちなみにスモール、ミディアムサイズはクォーツだが、ラージサイズでは手巻きムーブメントが採用されている。ここ数年で機械式時計の世界に魅了され始めた彼女には、やはりラージサイズをおすすめしたいと思っている。
価格:206万8000円(税込)。詳細はシャネル公式サイトへ。
カルティエ タンク フランセーズ
この時計もまた角形時計の名品のひとつだ。言わずと知れたカルティエの腕時計を象徴する戦車のキャタピラからインスピレーションを得てデザインされた「タンク」。その名を冠する時計はすべて1917年に誕生した時計から派生したもので、「タンク フランセーズ」は“フランス版タンク”を意味する。
直接的な原型となる「タンク フランセーズ」が発表されたのは1996年のことで、従来の「タンク」ウォッチの特徴は踏襲しながら、戦車のキャタピラーにインスピレーションを得たブレスレット、それと完璧にリンクするようにラグの先端が斜めにカットされたケース、そしてこれらが一体となったシームレスなデザインなど、クラシックな「タンク」にモダンなスタイルを取り入れ、イメージを一新したモデルとなった。
タンク フランセーズの魅力は、何と言ってもケースとブレスレットの一体感であろう。ブレスレット感覚でつけられるのが人気の理由のひとつだと聞いたことがあるが、フルゴールドモデルは特にそのイメージが強い。SSモデル(ゴールドとのツートンモデルも)ではヘアライン仕上げをメインに、部分的に加えたポリッシュ仕上げが視覚的なアクセントとなった落ち着いた印象だが、フルゴールドモデルはフルポリッシュ仕上げ(フロント部分。裏側はヘアライン仕上げだ)のため、華やかな雰囲気を感じさせる。より女性向けと言えそうだ。
余談だが、かつては機械式ムーブメントを載せたLMやXLサイズが存在したが、今はラインナップされていない。現在はクォーツムーブメントを載せたSM(25×20×6.15mm)、MM(30×25×6.65mm)の2サイズ展開だ。
価格:249万4800円(税込)。詳細はカルティエ 公式サイトへ。
ジャガー・ルクルト レベルソ・クラシック デュオ・スモールセコンド
筆者がみっつめにおすすめするのはジャガー・ルクルトのレベルソだ。1本目、2本目の流れからするとやや異質かもしれない。これはどちらかと言えば筆者の好みで選んだ1本だ。以前から妻とは女性がつけるならどんな時計がいいか、という話をたびたびしていた。そしてその都度おすすめしていたのがレベルソだった。ただし当初はレベルソ? 何それ? という感じであまり興味がない様子。だが、シャネルのJ12を手にしてから機械式時計や高級時計ブランドに興味を持つようになり、今はジャガー・ルクルトにも少し興味が出てきたようだった。先日発売となったマガジンでレベルソの歴史をディープに紹介しているが、記事を読んでからは一層気になっているようだ。角形時計が気になっているのであれば、やはりこれは外せないだろう。
ジャガー・ルクルトのレベルソには小ぶりな女性向けのレベルソ・クラシックやレベルソ・ワンなどのモデルもある。だが、筆者は反転式のケース構造を生かし、表でローカルタイムを裏ではほかのタイムゾーンを表示することができる、ふたつの顔を持った「デュオ」こそレベルソらしいモデルではないかと思っている。
レベルソ・デュオは1994年に誕生したモデルで、3年後の1997年にはコンセプト再解釈し、女性向けにアレンジしたレベルソ・デュエットも登場した。こちらはそれぞれ異なる時間を示すのではなく、両面で同じ時間を表示する仕様だ。どちらも甲乙付け難い魅力的な時計だが、どうせならより機能的なレベルソ・デュオをおすすめしたい。と言っても、この時計なら、筆者もたまに借りてつけてみたいという別の思惑もあるのだが……。
価格:110万円(税込)。詳細はジャガー・ルクルト公式サイトへ。
関口 優、編集長
ギフトとは夢と現実の狭間にあるものである。高級時計を毎年贈ることができたらどんなにいいだろうかと思うが、予算的にもそもそもパートナーの要望としてもそれは現実的なものではないかもしれない(毎年、いや毎日時計が欲しいと考える人種はひと握りであり、特に一般的な女性はむしろ多くのジュエリーが欲しいと答える)。それでもなお、これなら快く受け取ってもらえるかもしれない時計たちを、みっつのプライスゾーンから選出した。あなたのパートナーの喜ぶ顔が浮かぶかどうか、クリスマスシーズンに限らず検討してみて欲しい。
エルメス ギャロップ ドゥ エルメス PM
なんと言ってもエルメス。これは鉄板だ。基本的に女性のプレゼントリストの最上位に位置するブランドで、オレンジのショッパーと箱に入った、トープやベージュの革小物を渡して嫌な顔をされることはないだろう。時計におけるエルメスは、独自のポエティックな世界を表現し続けているため女性の直感に訴えかけられるものが多くある。なかでもギャロップ ドゥ エルメスは、乗馬で使用する鐙(あぶみ)をモチーフとしたイニ・アーシボングによるデザインが唯一無二。上下でアシンメトリーな形状と、1〜12までサイズも異なる独特なフォント(HERMÈSの名前もふんわりと弧を描く)はクセになる。
しかも最近追加されたこちらの小型バージョンは27.2×20mmという、レディスのゴールデンサイズ。僕は変わった時計が大好きだけれど、特徴的なデザインのものはやや控えめなサイズでつけるくらいがちょうどよいと思う。12時位置にのみ配されたワイヤーラグも、より細かな細工となり可憐な雰囲気に満ちている。
価格:42万7900円(税込)。詳細はエルメス公式サイトへ。
オメガ デ・ヴィル トレゾア スモールセコンド
このトレゾアは2021年に登場したモデルで、手巻きかつスモールセコンドという今どき珍しい個性を備えている。クラシカルな見た目になるスモセコはいいとして、手巻きというのは女性に薦めるには適さない気もするが(クォーツ時計しかしたことがない知人の女性は、週末に置いておいた自動巻きの時計が止まっているのを見て、壊れた! どうすればいい?とメッセージをしてきた。本当の話だ)、時計を扱うということも含めてプレゼントすると思えば、前向きな気持ちになれる。サイズも40mmあるためここでも引っかかる人が多そうだが、こういう時計を粋につけこなせる女性は年々増えているので僕たちの心配は杞憂に終わるだろう。
オメガはこの時計を明確にレディスとはカテゴライズしていないが、赤みの強いセドナゴールドケースとバーガンディカラーのダイヤルがもたらすコントラストは、女性の華奢な腕元で華やぐと感じる。ジェンダーレスの時代、とはもはや言い古された言葉だけれど、このプロダクトはそれを物語っている。"メンズウォッチをそのままギュッと小さくした"時計よりも、このトレゾアを僕は贈りたい。
価格:199万1000円(税込)。詳細はオメガ公式サイトへ。
ピアジェ ポセション
ポセションは昨年30周年を迎えた、ジュエリーからウォッチまでを幅広く擁するコレクション。そもそも1990年に誕生したリングに、中央が回転するユニークな構造を持たせたことで人気を博し、同社のアイコンになるまでに成長した。こうした"動き"のある構造は腕時計とも相性がよく、ベゼルが回転するレディスウォッチという珍しさで、時計も他の何にも似ていない存在感をはなつ。
ポセションが特別な理由は、この回転ベゼルに機能的な意味がないことだ。僕も理由なくダイバーズウォッチのベゼルをいじることがあるが、クリック感の気持ちよさを感じたかったり単に手持ち無沙汰だったり、無意識だったりで触ることが多い。その瞬間は時計をとても感じることができるし、つけているあいだにコミュニケーションが生まれるものを贈るというのもストーリーを深めてくれる。できれば、このフルパヴェでさらに特別感を盛り上げたい。
価格:382万8000円(税込)。詳細はピアジェ公式サイトへ。
Photo of hero image by Xsandra/Getty Images